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不注意優勢型のADHDだと診断を受けるまでの経緯

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この記事は30代の女性に書いていただきました。

…….

「なんだか変だな」
「男の子ってこんなもの?」
 子どもに自我が芽生えだしてからの私は、ずっとこのようなことを感じていました。何度か発達障害を疑ったこともありましたが、当時の私はADHD=多動というイメージしか持っていなかったため、受診を考えるまでには至りませんでした。

受診を思い至ったきっかけ

 息子が小学校に入学すると、忘れ物や無くし物が異常に多いことに気が付きました。文房具やノートを1学期の間に何回も紛失し、上着やプリントを学校に置いてきてしまうこともしょっちゅう。自分が小学1年生だった頃を思い出しても、息子は明らかに頻度が多すぎました。

 入学と同時に子供部屋を与えることにしました。しかしその散らかり具合が尋常ではないのです。タンスや引き出しの中身はぐちゃぐちゃで、床に物があふれています。当然、息子も必要なものがどこにあるのか分からなくなります。少し時間をかけて「どうして片づけないのか」について話し合ったことがあります。すると息子の答えはこうでした。「何をどこに片づけたらいいのか分からない。」

 そこで初めてADHDを真剣に疑いだしました。息子には多動性が顕著でなく、学習面での遅れもなかったため、学校側でも指摘されることはありませんでした。そのため、私自身が息子の障害について気づくのが遅れてしまったのです。

診察や検査の内容とその結果

 それから私はインターネットでADHDについて本格的に調べ始めました。そうしたらADHDには「不注意性」という性質があることが分かり、整理整頓ができないのも、この性質によるものではないかと考えました。そしてほぼ確信を持つようになり、小児精神科の受診予約を行いました。診察までには1カ月程度の期間がありましたので、幼少期からの振り返りの記録をまとめておくことにしました。

 受診の当日、最初に行われたのは医師による成育歴などの問診です。これは母親である私と医師の二人で行いました。その間、息子は別室で心理士による検査を受けていました。

問診ではこのようなことを聞かれました。
・妊娠出産時の異常の有無
・定期健診での指摘内容の有無
・普段の生活スタイル
・これまで誰かに発達障害を指摘されたことはあるか
・学校での様子
・学習内容の理解の程度
・親が感じる具体的な困った症状
・疲れを訴えることはないか
などです。

 そして、ADHDについて分かりやすく書いてある書籍を紹介してもらいました。医師と私の問診中に息子が受けていた検査はWISC-Ⅳというものです。言語・知覚・ワーキングメモリー・処理速度・知能指数を調べる検査です。検査時の息子の様子や所見を心理士が詳細な記録を残してくれました。

 その後、息子と医師の問診に移りました。問診時の息子の言動も大きな判断材料になるため、私はできるだけ発言を控えるようにと事前に医師より伝えられました。
質問項目はこのようなものでした。
・学校は楽しいか
・授業は難しくないか
・友達とはどんな風に過ごすか
・朝はすっきり目覚められるか
・疲れたと感じることはあるか。それはどんな時か
・自分で困ったと感じることはあるか
・好きなことは何か、どうして好きか
・苦手なことは何か、どうして苦手なのか

 最後に血液検査を行いました。貧血や甲状腺機能を調べるためです。小学生は隠れ貧血になりやすく、それが疲れや集中力の低下につながることがあるそうです。また、甲状腺の機能が正常ではないと、やはり同じような症状が出てくると説明を受けました。

診断結果が出るまでに行ったこと

 医師の都合で、結果の確認は約1か月後となりました。その期間に、私は医師より勧められた書籍を読み、ADHDについての理解を深めていきました。その中で、苦手なことができたらスタンプを押すという改善方法が紹介されていたので試してみることにしました。また、ADHDの子どもが自分でできるような片づけの工夫についても記載されていたので、それも実践してみることにしました。そして診断結果が出る日にはスタンプ表を持参していきました。

診断結果を受けて「ほっとした」

 検査結果を聞きに再受診したとき、息子は誇らしげにスタンプ表を医師に見せました。医師はとても驚くとともに、息子の頑張りをとても褒めてくれました。

 まずは血液検査についての説明を受けました。結果はどこにも異常は見られませんでした。次はWISC-Ⅳの結果の説明です。息子はほぼすべての項目が平均値をはるかに上回っており、医師も驚いていました。しかし、ワーキングメモリーが平均程度であり、他項目と差があることが分かりました。つまり息子は同時に複数のことをこなしたり、優先順位をつけたりすることが苦手であると言えるのです。

ワーキングメモリ(Working Memory)とは認知心理学において、情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念である。作業記憶、作動記憶とも呼ばれる。ワーキングメモリの構造や脳の関連部位を調べる研究が多数行われている。一般には、前頭皮質、頭頂皮質、前帯状皮質、および大脳基底核の一部がワーキングメモリに関与すると考えられている。

ウイキペディアより引用

 総合的に判断すると、ADHD(不注意優勢型)との診断がおりました。そのときの私は心の底からほっとしたのを覚えています。それと同時に、これまで闇雲に叱ってきた自分の行いを反省しました。息子の行動の原因は、だらしないのでも面倒くさいからでもなかったのです。彼なりに真剣に物事に取り組んでいました。ただ、やり方が解らなかっただけだったのです。家に帰ってから心から息子に謝りました。

 片づけができないことや忘れ物が多いことは、自分がADHDというちょっと変わった脳の構造をしていることが原因なのだと自覚することで、息子本人もとても安心したそうです。これまでは「どうして自分はできないのだろう?」という劣等感に似た感情を持っていて辛かったと言っていました。そんな思いから解放されたので、受診してよかったとADHDを肯定的に受け止めていました。

医師より勧められた治療法

 息子の状態はごく軽度であったため、継続通院の必要はないと告げられました。息子は知能が高いため、ADHDを抱える人が悩まされるような症状に対して自分で解決策を考えだせるだろうとの医師の予測によるためです。

 その代わり、スタンプ表を継続することと、「注意力が散漫気味なのでウッカリしやすい癖があることを覚えているように」というアドバイスを受けました。

 今でもスタンプ表は継続しています。少しずつではありますが、息子自体も自分の苦手な部分を自覚することができるようになってきました。そして、ここに気を付けたいと自分で目標設定できるようになりました。スタンプ表を始めてから半年程度ですが、ADHDに対して非常にポジティブな付き合いができているように感じます。

[参考記事]
「トラブルの多いADHDの子が児童デイサービスの利用で改善」

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