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ADHDの性質を和らげるための5つの改善法とは

 

 私はとても忙しいアメリカの大学に在学している時に、自分が不注意優勢型のADHDだと気づきました。いくら締め切りを守ろうとしても守れない自分にやっと納得が行きましたが、障害に気付いた所で学校の課題は待ってくれません。その時には既に退学の危機が見えていたくらい切羽詰まった状況で、毎日本当に必死な日々でした。この苦手な事をただひたすらやり続けねばならない戦いの中で、自分なりにADHDの性質を和らげる改善法を身に着けて行ったのでご紹介します。

 これから説明する5つの改善法を全部守ってやっと普通の人の80%くらいといった所ですが、「少しでも締め切り破りを改善したい方」や「宿題の提出に苦戦する子供達」に試してみて欲しいなと思います。合う合わないに個人差はあると思いますが、どれか1つは役に立つはずです。

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改善法①やるべき事の可視化・達成感の刺激

 一番大事で、一番効果があるのがこのプロセスです。とにかく、どんな方法でもいいですから、すべき事がコンスタントに目に付くようにします。ADHDの人にありがちなのが、「あれをやらなきゃ」と覚えているつもりでも、他の事に気を取られて気付けば忘れているという状態。ですので、「やるべき事の可視化」をお勧めします。

 例えば、私は大学時代1学期ごとに大きなスケジュール表を作り、授業ごとのテストの日にち・課題の内容や締め切り日などを書き込んでいました。そしてそれを毎日見直します。テーブルの上や玄関のドアなど、必ず「自然に目に付くところにむき出しで」置いておき、予定が無事終われば、そこに終了のチェックを付けて達成感を刺激しました。

 もうひとつ「やるべき事の可視化」の例を挙げます。数学の宿題が問題集からの出題の場合、カラフルな付箋を解くべき問題のあるページに貼り付け、本を閉じた状態でもすぐに目につくようにしました。一問終われば一つ付箋をはずして…というのを繰り返していくので忘れることを防ぐことができます。また達成感もありオススメです。

改善法②自分へのデメリットを確認する

 「しなきゃいけないのは分かっているんだけど、どうしてもやる気がしない」という時に有効なのが「自分へのデメリットを確認する」です。ただ単に「やらなきゃ」という焦りを持っているだけでは余計逃げたくなってしまい、逆効果なんです。

 ですので、「今これをやらないと自分にどんな不利益があるのか」を具体的に想像して、自分を論理的に説得するイメージを持ちます。私の場合、これをすると一時的にでもやる気が復活してくる事が多いです。やる気がなくなる度に繰り返します。

改善法③締め切りを早めに設定する

 締め切りという物は守ろうとしても大抵守れないので、早めの締め切りが本物だと自分に思い込ませる作戦です。案の定自分が思い込んでいる締め切りは守れないのですが、結果的に本物の締め切りには間に合います。この作戦はどれだけ自分をだませるかがカギ。私も未だに「本当の締め切りまではまだある」と思ってしまい失敗する事がたまにあります。

改善法④最初から「サボる前提」でスケジュールを組む

 ADHDの人は集中している時は物凄いスピードで効率的に物事を処理しますが、やる気が起きない時は本当にダメダメです。ノッている時に受けた課題や仕事は「こんなのすぐ終わっちゃうよ」と思うのですが、実際にやる段階になってまったく気が乗らず、他の事ばかりして時間が過ぎて自己嫌悪…というのは良くある事。こういった自分の性質を受け入れて、最初から「サボる前提」でスケジュールを組みます。

改善法⑤一度体を動かす

 しなくてはいけない事がある時ほど、ネットでニュースを延々と読み漁ってしまったり衣類の毛玉をハサミで切り続けたり、どうでもいい事に過集中状態になる事があります。もう辞めたいのになぜか止められない…という時に凄く効果があるのが「一度体を動かす」こと。

 本気の過集中の時は無理ですが、頭の中で「あー今こんな事やってる場合じゃないのに…」と思えている段階なら、「えいやっ!」と勢いで体を動かします。その勢いでお茶を淹れるなりトイレに行くなりなんでもいいので、一度別の事をするんです。そうすると過集中が嘘のように、それまでしていた事がどうでも良くなります。

まとめ

 ADHDの人がすべき事を後回しにしないようにするには、まずは自分の頭にスケジュール管理を任せられない事を理解する必要があります。その時は問題なく思えても、あとで大体忘れるんです。

 自分の性質を受け入れ、それに沿った対策をすればぐっと生きやすくなりますよ。まずは上の方法を試してみて、そこから自分にとってベストな方法に調整して行って下さいね。

[参考記事]
「不注意優勢型ADHDの息子がピアノレッスンに集中できた理由」

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