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大人(成人)の発達障害はどんな特徴があるの ?

 

 近年、大人(成人)になってから発達障害を疑ったり、実際に診断されるケースが増えています。といっても大人(成人)になってから急に発症するのではなく、子どもの頃からなんとなく周りとの違和感を感じながらも、見過ごされてしまい、大人(成人)になってから一気に問題化し、発達障害とわかるケースが少なくありません。深刻な場合は、同時にうつ病などの精神疾患を発症しているケースもあります。

 また、お子さんの発達障害が見つかったことから、親御さん自身も検査を受けたところ、自分にも発達障害があることが分かったケースも増加傾向にあります。

ここでは、大人(成人)の発達障害の特徴について解説します。

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発達障害の特徴は基本、子どもの場合と同じ

 大人(成人)の発達障害といっても、大人(成人)独特の何らかの特徴があるというわけではなく、ベースの特徴は大人(成人)も子どもも特に違いはありません。ですが、大人(成人)の場合によくある特徴を挙げてみます。

<自閉症スペクトラムの特徴>
・相手の立場を考慮しない発言をしてしまう。
・共感性に乏しい。
・思い込みが激しい。
・マナーやルールを理解するのが難しい。
・相手との距離感をつかむことが難しい。なれなれしい態度を取る人もいれば、過剰に気を遣い、人と距離を取る人もいます。
・社交辞令や冗談が通じない。
・融通が利かない。
・急な予定変更に対応するのが難しい。
など。

[参考記事]
「発達障害の種類①自閉症スペクトラムの特徴とは」

<ADHDの特徴>
・気が散りやすい。
・忘れ物や紛失物が多い。
・整理整頓ができない。
・並んで待つことができない。
など。

[参考記事]
「発達障害の種類②ADHD(注意欠陥・多動性障害)とLD(学習障害)の特徴について」

 そのほか、これらに付随して感覚過敏(聞きたい音を選び出せない・きつい匂いが苦手など)や、運動強調障害(極端に不器用・運動神経が鈍いなど)を持つ人もいます。例えばオフィスにある色々な音が気になり(ファックス音、人の声、電話の音など)、仕事に集中できないなどの不具合が生じます。

 また、自閉症スペクトラムとADHDの両方の特徴を持ち合わせているケースも少なくないようです。

社会人になってから一気に問題が噴出

 発達障害であることが大人(成人)になるまで気づかれず過ごしていても、周囲の環境や本人のキャラクターにより、学校に通う年齢の間は「ちょっと変わっているけどおもしろい子」「不思議ちゃん」と思われ、それなりに過ごしてきた方も多くいることでしょう。

 ところが社会人になると、暗黙の了解や常識など、「あえて教えることはないけれど、知っていて当然」といったことが増えてきます。発達障害の人はこういったことに自然と気づくことが苦手です。そのため、失敗したりズレた行動をとってしまったりすることがあります。

 これが度重なると「仕事ができない人」「変わった人」というレッテルが張られるようになり、対人関係が上手くいかなくなったり、生きにくいと感じてしまうことが多くなります。結果、心身ともに疲れてしまい、鬱病や不安障害などの二次的な病気を発症するケースが少なくありません。

 その結果、何度も転職をする羽目に陥り、終いには引きこもりや自殺未遂を繰り返すなんて人もいます。しかも、学生時代にそれなりに上手く過ごせていた人ほど、そのギャップが辛くなってしまう傾向があります。

二次障害から精神疾患を発症するケースもある

 二次障害という言葉をご存知でしょうか。二次障害とは、元々ある発達障害の特徴に対して、対応が不十分だったり、叱責されたり馬鹿にされ続けたりといったことが繰り返された結果、生じる反応です。専門家の間では、二次障害は元々の発達障害の特徴以上に深刻な問題とされています。

 小さい時から「努力が足りない」「なんでこんなこともできないの」などと言われ続けて過ごすと、自己肯定感が育たず、自分に自信が持てなくなります。結果、心身ともに疲れ果ててしまい、うつ病を発症したりひきこもり化したり、自傷行為に及ぶケースも多いです。

 もっと深刻なのは反社会的行為に及ぶこともあり得るということです。数年前に、重大な事件を起こした容疑者の精神鑑定をしたところ、広汎性発達障害だったと報道され、誤解と偏見が広まったことがありました。これは典型的な二次障害であり、早期に発達障害に気づいていればこのような行為に及ばなかったと考えられます。

大人でも自分を育て直すことは不可能ではありません

 以上、悲観的なことばかりを書いてしまいましたが、希望はあります。もしあなたが発達障害と診断されていたなら、自分の特徴は分かっていることと思います。

 ならば、社会と自分のズレを解消に近づけるよう、社会のマナーやルールを身につけていくことで自分を育て直すことも可能です。発達障害者支援センターで開催されるSST(ソーシャルスキル・トレーニング)を受ける等、できそうなことからやってみるのはいかがでしょうか。大人になった今では遅いとは思わないでください。

 また、発達障害の特性を生かして、好きなことをして生きていくという手もあります。発達障害の人の中には好きなことであれば何時間でもやっていられるという方もいます。文章を書くことであったり、折り紙を折るのが好きであったり、アニメが好きであったり…。それらの技術を磨くと将来、会社に属さなくても生きていくことが可能になるかもしれません。今の時代、個人がユーチューブやサイトで稼ぐことが可能になっており、例えば折り紙の動画を作ることで稼いでいる人もいるのです。

 ここ数年、発達障害当事者の方が、自分なりにノウハウを見つけ、その体験談を出版する方が増えています。このような本は参考になることも書かれてありますので読んでみることをおすすめします。

[参考記事]
「発達障害の人はうつ(鬱)になりやすいの?」

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