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30社の面接を全て落ちて就職できないアスペルガー症候群の私

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この記事はアスペルガー症候群である20代の女性に書いていただきました。発達障害の性質により30社の面接を全て落ちて就職できなかった経験を語っていただきました。

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 大学1年生のときに受けた発達心理学の講義で自分が「アスペルガー症候群」だと気付かされましたが、アスペルガー症候群でも社会生活を送っている人はいくらでもいるだろうと気にしませんでした。しかし2017年卒の大学生の就職活動はいわゆる「売り手市場」です。30社の1次面接を連続して落ちたところでやっと私は自分のおかしさに気付いて心療内科の扉を叩きました。

幼稚園では一人遊びが主

 私は他人と親密な関係になることが下手です。なかなかそういう関係になれたことがありません。幼稚園の頃は言葉に著しい遅れはないものの、いつも一人でごっこ遊びやお絵描きにいそしむか、園庭の隅の鶏小屋に行っていました。一人でやるごっこ遊びはぬいぐるみ相手のお医者さんごっこでした。

 たまに他の園児から人数合わせのために家族ごっこに誘われることがありましたが、例えばお母さん役を引き受けても一人でずっと食事を作っていて、「誰かと交流しながら遊ぶ」ということが難しかったです。

タイ王国の小学校でいじめられる

 5歳のとき、父親の海外赴任に合わせて家族みんなでタイ王国へ引っ越しました。私は幼稚園からハイスクールまで一貫している現地のインターナショナルスクールに転入しました。そこで私は人生初のいじめを受けることになります。スクールには多くの日本人の子供が在籍していましたが、いつも一人でいて鈍くさい私は日本人児童のグループの小学生に目をつけられたのです。発達障害者の場合、思い当たることはなくても頻繁にいじめられるという話はよくあることです。

 私もそうで、年上からも年下からもいじめられましたので、登下校のスクールバスに一緒に乗るのが地獄でした。自分の感情を言語化することが難しくて常に言われっぱなしでした。当時は幼くて「自殺」という概念がありませんでしたが、消えてなくなりたい気持ちがいつも胸の中にありました。いじめてこない2、3歳下の子と一緒に遊んでいた思い出はあります。ちなみに運動能力も低く、鬼ごっこなんかは2歳下の子と一緒じゃないと歯が立ちませんでした。

日本の学校でも仲の良い友達は作れず

 小2で日本に帰り、公立の小学校に転入しました。個性が強いとか面白いとは言われても「帰国子女だから」で大目に見てもらっていたように思えます。日本の小学校で最初に驚いたのは、国語に授業でクラスみんなが一斉に自分のペースで音読をする時間です。全員で合わせて読まずに個々の速さで読むので教室中がうるさくてうるさくてたまりませんでした。周りに音声言語が散らばっていると目の前の文字を追えなくなるのでイラついていましたが担任には全く理解されませんでした。これは聴覚過敏のひとつでアスペルガー症候群にはありがちだそうです。

 小学4、5年生になると普通の女の子はより親密な友達同士で小さなグループを形成していきます。そこから私はだんだんつまずいていきました。はっきりあからさまに嫌われてはいないけど、どの仲良しグループにも入れないのです。自分には親密になるための高度なコミュニケーション能力が欠けているのでしょう。

 これは中学受験で私立の中高一貫校へ行っても同じでした。昼食の時間は他の生徒は仲良し同士で食べるのに私はいつも一人で弁当を広げていました。どのグループに入っていいか分かりませんでした。そしていつも一人でいるせいか、男子生徒にたびたびいじめられるようになりました。本当は不登校したかったけど、親に申し出たら怒られたので、学校も家も落ち着きませんでした。中学校ではパニックで泣き叫ぶこともよくあったので余計に変な生徒だと見られていたでしょう。もっとも、中3から高3まではおとなしく勉強する生徒が多い特別進学クラスに入れたので比較的落ち着いていました。

アルバイトをするもことごとく失敗

 大学受験で地元の国立大学に現役合格し、晴れて私は大学生になりました。相変わらずいつも一匹狼でしたが、常に一人でも周りの者がとやかく言う環境ではないので非常に精神的に楽でした。一人で温泉や海外へ旅したことが一番楽しかったです。学生食堂で仲良く一緒に食べているグループを見ていると「どうやってそういう仲になれるのだろう」と不思議でした。

 アルバイトも大学時代に初めて挑戦するのですが、コンビニは何か所かで働きましたが、ごとごとく失敗して全て3か月で逃げるように辞めました。アスペルガー症候群にとってコンビニは鬼門です。なぜなら業務内容の種類が膨大な割にはきちんとしたマニュアルが用意されていないことが多いので、視覚で記憶することが比較的得意なアスペルガー症候群の人にとって大変不利な環境だからです。

 また、アルバイトを通して私は他人の顔を記憶にとどめることが苦手だと気付きました。ミュージアムショップの品出しで店頭に出たとき、ある客に商品の質問をされてバックヤードに帰って確認した時のことです。店頭に戻ってその客を探そうとしたとき、どんな顔をしていたかすっかり忘れていて探せませんでした。顔の認知の歪みもアスペルガー症候群の特徴の一つに入ります。補足ですが、高校のクラスの同級生の半分も顔と名前が一致してなかったし、大学でも同じ専攻の18人を覚えていません。

 就職活動で、私はアスペルガー症候群の人が適応しやすいと言われる公務員を目指しました。筆記試験は普通に通過しましたが、面接はことごとくダメでした。面接対策をいくら立ててもどこも通らないのです。民間企業へ行っても同じでした。同じ専攻の他の学生が7社目や10社目で内々定を頂く中、私は30社も面接に行って全て1次面接で落ちていました。さすがに自分の「普通じゃない性質」に気付きました。今が就職氷河期なら普通かもしれませんが「売り手市場」でこれは異常です。心身ともに疲れ果てた私は、診断を貰って障害者枠に行くために8月下旬でやっと近所の心療内科に足を踏み入れました。

[参考記事]
「アスペルガー症候群の夫と結婚して分かった発達障害の特徴」

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