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発達障害の私が恋愛をして結婚できたのは夫の理解のお陰

この記事は20代の女性に書いていただきました。

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1. 診断を受けるきっかけ

 私の弟が生まれつき発達障害を持っていたので知識としてはありましたが、親からはあなたは普通、弟より何でも出来るんだから…そう言われて育ってきたのでまさか自分も発達障害かもしれないなんて考えたことがありませんでした。

 もしかしたら私も…そう思ったのは高校生のときです。勉強面、友人関係に悩み、さらには部活で同級生や後輩からいじめを受けました。なぜ私だけ輪に入れないんだろう、真面目に話しているのに笑われたりするのだろうと悩みましたが、転校した先の学校では色んな個性のある仲間と出会い、そこではみんな私を受け入れてくれたことでとても楽しい学校生活を送ることができました。

 しかしまた問題が。アルバイトを始めたところ、言われた仕事を順序立ててこなす、臨機応変に対応することができず、また覚えるのに人より時間がかかることで怒られることが多々ありました。

 高校を卒業して入った専門学校でも友人関係の悩みが出てきて、努力してもなかなか前に進めず、一時期は自暴自棄になったこともありました。

 なにか前向きになるきっかけがほしい、もし病気じゃないならもっと努力していけばいい。そんな気持ちが出てきて1度発達障害の診断を受けてみようと思い、弟が通っていた病院の主治医の先生の元へ相談へ行きました。

2. ADHDと診断されて

 診断の結果、私はADHDと診断されました。正直な気持ち、とてもほっとして、それまでずっと否定し続けてきた、嫌いだった自分自身を肯定できるようになりました。その当時お付き合いしていた方がいるのですが、もし私に発達障害があってそれを受け入れてもらえなかったら、それは仕方ないことだと思っていたのですが、彼は「苦手があるのはみんな同じ。今までと気持ちは変わらないし、支えあっていけばいいんじゃないかな。」と言ってくれました。この一言にとても救われました。診断を受けようと決断して良かったと思いました。

 当然ですが発達障害だと分かったからといって、何か性質が変わったわけではありません。ただし、今までの友人関係や仕事、勉強での失敗や出来ないことが自分の努力不足が原因じゃないことは分かったから、発達障害と上手く付き合っていくように工夫をしていけばいいんだ。そういう考えになれて先が見えなかった道が明るくなりました。 

3. 恋愛を怖がらないで

 私の周りにも、同じように発達障害の診断を受けた人がいます。その中の一人の子がよく口にしていた言葉がありました。「私は障害があるから、恋愛には不向きなのかな。恋愛するのはやっぱり難しいのかな。」

 私はいつもこの子に「ちょっと苦手が多いだけなんだから、みんなと同じように恋愛してもいいと思う。一番はその苦手を理解してくれて一緒に解決策を考えてくれたりフォローしてくれる人といることだと思うよ。」と声をかけていました。こう言えたのも私を支えてくれる彼の理解があったからです。彼はいつも一番そばでいてくれて、支えてくれ、一緒に考えてくれました。ちなみに彼女は今、素敵な旦那様と幸せな毎日を送っています。

4. 家庭をもつのは普通。

 私は先ほどの彼と結婚をしましたが、夫と出逢うまで私は結婚なんか出来ないと思っていました。親にずっと、あなたは人より出来ないことが多いから結婚なんか出来ないよ、と言われ続けていたからです。私自身もその言葉を真に受けて、自分は人より苦手が多いから、結婚したら相手に迷惑ばかりかけてしまうからダメなんだ。そう思うようになっていました。

 夫とは同じ趣味である音楽を通じて出会い、一緒に過ごしていく中でネガティブな考えを払拭していってくれました。これからも結婚をして一緒にいたい、でも隠し事をしていても仕方ない。本当のことを言って別れようと言われたらそれまでだ。そう思い、発達障害の診断を受ける決心をして、その結果を聞きにいくときに彼も連れて行って一緒に話をきいてもらいました。

 私のことを受け入れた上でかけてくれた言葉に、私にはこの人しかいない。結婚して幸せな家庭を私にも築いていけるんじゃないか。そう思えました。その日から私は苦手としっかりと向き合って、苦手を少しずつでも上手くフォローする方法を考えたり、職場の上司や先輩にもカミングアウトすることで仕事が楽しいと感じられるようになりました。彼と同棲を始めてからは、彼の支えも大きく、毎日が充実していました。そして入籍。新たな目標ができました。

5. 子どもを授かる

 結婚したら当たり前に思う「二人の子供を授かりたい」は、私にとってはとても大きなことでした。発達障害は遺伝しやすい。そう先生に言われていたからです。結果を一緒に聞いてくれていた夫は、結婚するときに「たとえ障害をもって生まれてきてもそれは個性だから、特別扱いせずに育てたい。」そう言ってくれました。

 そうか、私もママになれるんだ。他の人と何も変わらないんだ。そう思えて、一気に家族のイメージが膨らんでいきました。1年弱の妊活を経て妊娠が分かったとき、不安も大きかったですがそれ以上に毎日お腹の中で大きくなっていく命に奇跡を感じ、嬉しさの方が大きかったです。

 妊娠中に結婚式も挙げて、たくさんの友人や恩師に祝福してもらい、出産への元気をもらいました。そして去年の夏、無事に元気な女の子を出産。産まれてきてくれた瞬間の感動は言葉にできないものがありました。ママにしてくれてありがとう、という気持ちが溢れてきました。それから1年、正直しんどいこともありました。人よりも苦手が多い分、悩んだりもしたし、もしかしたらこの子も発達障害かもと思い、辛い気持ちにもなりました。そんな時、周りの人に支えてもらい、言葉をかけてもらい、すごく救われました。今は本当に子どもが可愛いくて毎日が楽しいです。

6. これからの夢。

 娘が産まれてからしばらくは、初めての子育てに手一杯でなにも考えられませんでしたが、落ち着いてきた頃に夫とこれからについて話し合う機会がありました。そのことは今の現状からして贅沢なんだろうなと思っていたことでしたが、夫も同じことを考えてくれていました。

 それは「子供は二人授かりたい」。二人とも娘がお姉ちゃんになることを想像していました。私が育ってきた環境や親から言われ続けてきたことで、「普通のこと」が贅沢だと思っていたけど、普通は簡単に手に入るんだとこの時思えました。子供は何人、マイホーム、将来はこうなりたい!誰でも思っていいんだ、そう思えたのは夫のお陰です。

 私はこのとき、たくさん夫と将来のことについて話し合いました。そのことで、「これから〇〇を頑張ろう、こうして行こう」など目の前の目標も立てられてとても前向きになることができました。私なんか…そう思ってしまえばそこで止まってしまうけれど、苦手なことを個性と捉えてみたり、周りに協力してもらったりする。勇気がいることかもしれないけれど、少し考え方を変えてみるだけでこんなにも見える世界、自分の未来って変わっていくんだなと思いました。

 同じようにADHDで悩んでいる人がいるならば、私はこう伝えたいです。「発達障害でも幸せになることは特別じゃなくて普通」。人は誰でも苦手なことも得意なこともあります。ただちょっと私たち発達障害者は個性が強かったり苦手だと思うことが多いだけなんです。まだまだ理解がされていない発達障害について、私なりに広めていけたら、同じADHDの仲間と支えていけたら、勇気づけられたらと思っています。

[参考記事]
「アスペルガー症候群の私の先輩は恋愛に失敗して鬱に」

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