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中学1年生で発達障害と診断されたが、既に二次障害の鬱

 

この記事は発達障害のお子さんを育てている40代の女性に書いていただきました。

……….

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■診断に至る経緯

 息子は現在中学1年生ですが、登校拒否中です。登校拒否となったのは、中学1年生の11月後半からでした。当初、きっかけは、部活での不注意を咎められることに耐えきれなくなったことが一番です。

 その経緯をお話しすると中学校に入り、剣道がやってみたいとのことでしたので入部させました。しかしそこでは顧問がとても厳しく、多動もある息子からすると周りのみんなとペースを合わせられず怒られることばかりだったようです。

 さらに、その顧問はクラスの担任でもあり、常に叱咤激励をしてくるタイプの方だったので、息子はそれに耐えきれなくなったのだと思います。登校拒否となり少々鬱気味でもあったように見受けられたので、そちら方面に詳しい病院を中学校の生活支援の先生から教えていただき、中学1年生の時に受診をしました。

■診断を受けて

 すると、私が考えてもいなかった事実が発覚しました。それが、「発達障害のADHD」です。息子の不注意も多動もADHDの性質から現れている可能性が高く、恥ずかしながら全くその可能性は頭の中にありませんでした。

 医師の診断では「発達障害による二次障害の鬱も出ているので早急なサポートが必要」と伝えられました。医師はさらに発達障害は本来6歳くらいまでに判明する子が多いことや、10代で判明する子もいるが二次障害が出てしまっている場合、サポートは大変であることを言いました。息子は既に中学1年生ですので、かなり長い間、放って置かれたことになり、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

 その診断の際、幼少期の様子や養育環境などの調査があったのですが、そこで私が妊娠中から元夫からDVを受けていたことなどを伝えると、「愛着障害」も影響しているとも言われました。

この愛着障害とは、


「乳幼児期に長期にわたって虐待やネグレクト(放置)を受けたことにより、保護者との安定した愛着(愛着を深める行動)が絶たれたことで引き起こされる障害の総称。
愛着障害を示す子供には衝動的・過敏行動的・反抗的・破壊的な行動がみられ、情愛・表現能力・自尊心・相手に対する尊敬心・責任感などが欠如している場合が多い。」(コトバンクより抜粋)

というものです。

 要するに、DVを受けていた私が息子に対して十分に愛情をかけられていなかった、というわけです。後に別居をしましたが、私は昼も夜も働いていたために十分な母子の時間が取れなかったことも発達障害の症状(二次障害)の悪化に影響しているようでした。

 確かに、これまで、例えば、息子をギュッと抱きしめたり、一緒にしっかり遊んであげたりといった記憶がありません。いつも何かに追われているような心に余裕もありませんでしたから、愛情というものをかけてあげることができませんでした。

 ですから、今になって「愛情をかけてあげて」「なるべくスキンシップを」と言われても、今更どうすればいいの?という状態です。そんな葛藤を見越してか、小児科の先生から、私もカウンセリングに通うことになりました。

■普段の息子の様子

 そんなこんなで色々あり、息子には、発達障害の薬を処方してもらい、まずは様子を見ようということになりました。さらに、これまでは褒めるより怒る方が多かった日々を改め、息子を【肯定】することに努めました。自己肯定感の低下は発達障害の子供によくあることで、これを改善しない限り、二次障害の症状も収まらないと医師には言われました。

 朝早くに起きられたら、きちんと食べた後の皿を片付けてくれたら、お願いしたことをやってくれたら、、、ほんの小さなことでも「ありがとう」「偉いね」「助かるよ」と声を掛けるようにしました。

 実際は、私もカウンセリングを受けてるくらいですから、「どのタイミングで何を言ったらいいのか分からない」「とりあえず、偉い、助かるよと言って見よう」といった、曖昧な感じでした。

 息子にとっては急に私の態度が変わったので、最初は気持ちが悪かったと思います(笑)とりあえず声かけ続け、朝起こす時にはなるべく体に触れるようにしました。

 それを2週間も続けていくうちに、これまでは息子自身から話してくれることはなかった日常に変化が起こりました。息子自身から「今日のご飯は〇〇にしてほしい」と自分の希望を伝えてきたのです。これは普通の家庭では「普通」でしょうが、私と息子の関係では「すごく大きな一歩」なのです。

■【肯定】とは

 【肯定】とは「息子を認める」、つまり、存在を受け入れるということ。目を見て、しっかり話を聞いてあげる、アドバイスをするときにも否定はしない。これを続けるだけでも自分を受け入れてもらえていると感じ、自分の居場所を見つけるとカウンセリングで教えられました。

 〇〇したから偉いね!は、「条件付きの肯定」だけども、自己の肯定感の低かった息子には効果的だったようです。これに慣れてきた今では、〇〇したから〜〜ではなく、話をする中でなるべく息子の希望を聞いてあげたり、こうされたら嬉しいだろうということをしてあげるようにしています。ご飯の希望を、妹ではなく息子優先にしたり、希望を聞かない時でも息子の好物を作ってあげたり。

 こうすることで、息子は「自分は大切にされているんだ」と思えるようになってきたと思っています。

■これからは…

 自己肯定感が育ってきた今、次の目標は、学校もしくはそれに準ずる施設に通うことです。少しずつ以前の生活に戻れるよう、一日数分でも行けるように、励ましていきたいと考えています。

 息子は二次障害による軽い鬱の症状もありますから、どうしても気持ちの浮き沈みもあり、中々難しいですが、【肯定】することを忘れず、日々を過ごしていこうと思っています。

 愛情がどうのという小難しい問題は深く考えず、息子と楽しく生活できればいいなと、大らかにのんびりやっていこうと思っています。まだ息子は中学1年生ですので、決してあきらめないで、将来、自立できるようにサポートをしていくと決意しています。引きこもりには決してさせません。

[参考記事]
「発達障害の「二次障害」とは何か。放置すると大変なことに」

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