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発達障害の子を歯科医院などの病院に連れて行くときの注意点

 

 この記事は自閉症の子供を持つ30代の女性に書いていただきました。

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 発達障害の子供達も、当然病気になるしケガもします。歯磨き嫌いで虫歯になる子もいるでしょう。そんな時困るのが、どこの病院に連れて行けばいいのかという事だと思います。健常児の場合はもちろん近くの病院に行けば済む話ですが、発達障害の子供達はそう簡単にいきません。慣れない場所が苦手、診察用の椅子に座ることが出来ない、待合で大人しく待つことが出来ない、何をされるか分からない恐怖感。

 そういう問題を抱えた子供達を受け入れてくれる病院を探すことが必要になります。病院によっては電話で問い合わせた時点で断られることもありますし、連れて行ったとしても、じっと座れないから診ることもできず、何もせず帰る事もありました。

 そういう場合には療育機関の先生に聞いて病院の情報を集めたほうが確実なのですが、私が調べた限りでは比較的大きな療育施設の近くにある病院は理解がある所が多いです。息子の行きつけの小児科はありがたいことに理解のある病院だったので、ウロウロする息子を追いかけながら診てくれたり、泣き叫んで床に転がってもそのまま診てくれる事もありました。待合で待てないため車で待機させてもらい、時間が近づくと電話で知れせてくれたりと、本当に助かりました。理解のある病院というのは、発達障害児を抱えた親にとって何よりもありがたいものです。

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歯科医院には「スペシャルニーズ科」

 歯科医院には「スペシャルニーズ科」という発達障害児などの障害児を治療するための専門の科がある所もあります。主に九州大学病院、岡山大学病院、昭和大学歯科病院など大学病院に設置されていますので、近くにこれらの病院がない場合には受けることができないのが現実です。

 病院によって違うとは思いますが、息子が通っていた病院は、入り口も一般とは別にあり、誰にも会うことなく専門のフロアに行く事が出来ました。病院を訪れる前にファックスやメールで詳しい問診をしており、ある程度息子の状態を知ってくれているうえでの来院なので安心感もありました。

 慣れるためにまず診察室に入る事からスタートし、それが出来たら診察用の椅子に座る。次は椅子を倒す。寝ている状態でいれるようになったら診察用の電気をつける。口を開ける。口に器具をいれる。と、とんでもなく長いステップをふんでようやく診察が始まるのです。もちろんどれもがスムーズにいくわけはないので、座るだけで1カ月なんて事も珍しくありません。そのために歯医者なんかは特に、虫歯がない時からいつでも治療できるように慣れておく必要があるのです。

 すぐに治療が必要な歯があれば、のんびり慣らしている時間がないので無理やり治療することになります。暴れる場合は虫歯を治療するだけなのに全身麻酔をする事もあります。息子も全身麻酔経験者ですが、麻酔をする上での承諾書を書いている時から「治療の終了後、目を覚まさなかったらどうしよう」と生きた心地がしませんでした。

病院がトラウマに

 近くに発達障害に対して理解のある病院がない場合、どんなに泣き叫んで暴れようが、数人の大人で押さえつけ治療をするケースがあります。でもこの経験が、嫌な事を忘れることが出来ない子供達にはトラウマとなり、病院に行くだけでフラッシュバックを起こさせパニックになるのです。そうならない為に、理解のある病院で成功体験やほめられ体験を積んで、少し我慢すれば治療してもらえる=自分が楽になる経験をすることが大切になってきます。

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