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発達障害である私の恋愛は自分本位になりがち

 

 この記事は20代の女性に書いていただきました。彼女はADHDと診断されていますが、自分ではアスペルガーの性質もあると感じています。

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 「発達障害の人は恋愛がしづらい」・・・私が発達障害を診断されてから、ネットで目についた言葉です。それは発達障害は共感や共有がしにくく、定型発達者(障害がない方)の範疇外の行動や言動を取ってしまうことからそう言われているそうです。

 実際に私の恋愛は「私を理解してくれる」「私から好きになった人」「私の不安を受け止めてくれる人」に焦点が定まっていて、あまり相手の事を考えていなかったように思います。

 「私がそう思うから相手もそうだろう」と独りよがりな考えから、相手と向き合って恋愛をしてこなかったのではないかと思います。相手の気持ちを考えられず自分本位なアスペルガー症候群の性質がだいぶ出ていたと今となっては分かるのですが・・・。

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結婚まで考えてた彼を捨てた時

 同い年で4年半交際していた彼氏とはアルバイトで知り合いました。当時彼は大学4年生で他に同い年の人がいなかったこともあって、すぐに打ち解け、出会って1ヶ月で交際に発展しました。

 彼は物静かで大らかですが、自分の意見ははっきり言うので私と気が合っていたのだと思います。最初から彼は私をかなり気に入ってくれ、交際後いつも「好き」と口にしてくれました。以前の彼氏は私の方が追いかけていたので、愛されるというのはこんなに心地がいいんだ、と思ったのを記憶しています。

 私の話もうんうんと聞いてくれ、仕事のことで悩んで毎晩電話をかけても嫌がらずに出てくれる。彼の愛情にあぐらをかいた私はかなりわがままになっていました。なんでもしてくれる。なんでも許してくれる。「何言っても許してくれるからいいや」と思い、「まだ前好きだった人を気になってるんだよね」とか「いいなと思った人に彼女がいた~」とか彼の気持ちなんて考えずに平気でそんなことを言っていました。

 そんな中、彼は就職でアルバイトを辞めていましたが、私はまだ続けており、そこで知り合った当時高校生の男の子を好きになってしまったのです。その子は年の割に大人びていて、とても気遣いができる子でした。

 話をしていくと趣味嗜好が似ている、考え方が似ていると感じました。それに今の彼氏はあまり私の考えていることに気づかなくてやきもきしているのに、その子は私の考えてることも見抜いていたので、もっとこの子と話がしたい、と思うようになっていきました。一気に彼氏といる時間が色あせて見えて、のんびり屋の彼氏にイライラしてしまったのです。

 そこからの行動は早く、毎週木曜にデートしているのを理由をつけてキャンセルし、いつも木曜にバイトが入ってる高校生の子とシフトを合わせたのです。そして「気になる人がいるから別れてほしい」と彼に言い、別れました。高校生の子が気になりだして1ヶ月ぐらいの話です。

 彼とは「結婚したいね」と話をしてて、交際も長かったのですが自分の中で「なし」になってしまったら、もう何をしてもその気持ちは変わりませんでした。これが発達障害の性質であるADHDの衝動性、アスペルガーゆえの自分本位な考えから行われたのか分かりませんが、この時は自分でも自分の気持ちを抑えられなかったのです。

止められなかった気持ち

 彼氏と別れたことはもう「これで堂々と高校生の子にアプローチできる」と後悔すらありませんでした。少なからず話も合うし、楽しそうにしてくれてる。これで私に気がないと言うのはないだろう、と思っていました。

 音楽の趣味が似ていたのもあって、その子が好きなアーティストの音楽を聴いてCDを貸し借りしたり、その感想、という名目で電話をしたり。「いかに他のバイトの子にばれないように」タイミングを見計らって話しかけるか、どこに一緒に行こうかなど考えて、当時はバイトが楽しくて楽しくて仕方がなかったのです。それこそ、寝ても覚めてもその子の事しか考えられなくなりました。

 しかしそんな事をしているとだんだんその子がそっけなくなってきました。当たり前ですが、恋愛感情がないのに10歳近く年上の女性がグイグイ来るのですから。でもそっけなくなったのは分かっても、なんでそっけなくなったのかが分からず不安から「なんで冷たくするの!?」とその子に言い寄り、最終的には手紙で告白をしたのです。

 もちろん返事はNO。「〇〇さん(私の名前)に特別な感情はありません」とLINEが送られてきました。そこでやっと熱くなり周りが見えなくなっていたこと、自分本位に追いかけすぎたこと、相手が嫌がっているのにそれが止められなかったことに気づいて、「私は何をやってるんだ」と思ったのです。自分でも怖くなるほど思い込みが激しく、私は「おかしい」と思いました。

 そして彼氏がいない間は寂しさに耐えられず、マッチングアプリ(昔でいう出会い系サイトです)などで他の男性と交流を計っていました。しかし大抵は体目的の人ではありましたが、それ目的でも求められているだけで安心をしてしまいました。ただ体を重ねると気持ちも入ってしまう。しかし男性の方は付き合う気はなく、離れていく。そしてまた寂しくなる。堂々巡りだとは分かっていてもこのループも止められませんでした。

自分を知る

 自身の恋愛の傾向は「暴走」そのものでした。そこには大きな「思い込み」と「衝動性」があり、それが発達障害の性質が関わっているからなのかは定かではありませんが、その可能性は高いと思っています。もちろん、全てを発達障害のせいにするわけではありませんが。

 定型発達の方であっても「恋愛は盲目」と言いますので、発達障害であっても自分本位な自分自身を知って、そこから相手に対処するすべを身につけていくことはできます。自身の性質に向き合うことは、私のこれからの人生の課題です。この文章を書いていることも自分の性質を客観的に見るためです。

[参考記事]
「発達障害(ADHD)の二次障害が一生続くのは宿命だと覚悟」

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