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空気が読めない発達障害の次男のために行なった対策

 

 発達障害と一言で言っても、その特質の現れ方にはかなり個人差があると思っています。発達障害の一つ「アスペルガー症候群」は「こだわり」「空気が読めない」が代表される症状です。次男は空気が読めないと言われやすいのですが、どちらかというと色んな情報を受け入れ過ぎてしまって混乱しているといった状態です。情報が入り過ぎてしまって、しんどくなりやすく、自らが情報を遮断している傾向があるように思えます。

 その一つの例ですが、学校などの集団生活で、音に対する情報を入手する力はとても高く、わいわいと騒いでいる周囲の音が、普通ならば聞き取れなかったり、雑音として処理されやすいのですが、すべて耳に残ると次男は言っています。そのため、集中して学習ができない、平穏にいられない、さまざまな問題が生じてきます。

 一般的に「空気が読めない」は、相手が発するいろいろな情報を受け止めることが出来ないことを言いますが、次男の場合、受け止められないから空気が読めないではなく、いろいろな情報を受け入れてしまうので、どれが大事な情報なのか「選別」できないというのが実態だと思います。

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大事な情報を選別するための対策(空気が読めない対策)

 大事な情報を選別するための対策(空気が読めない対策)としては経験または疑似体験(シミュレーション)を元に行動をするというのが一番だと医師から教わりました。特に次男の場合は、経験やシミュレーション不足による不安がとても大きく、チャレンジすることを拒んできました。そのための策として、行ったことのない場所ならば行ってみる。乗ったことのない公共交通機関なら乗ってみる。そして、行ってみる・乗ってみるの準備として、自分で行き方を事前に調べてみることから始めます。つまり、できるだけたくさんの情報を集めるという段階です。

 そして、その中から何が大事な情報なのかを「選別」するようになっていきます。現在は、公立中学校の特別支援学級に在籍をしていますが、自立心を高めるために、いろいろな校外授業に出向くためのシュミレーション作業をしていますが、これがとてもいい影響を与えています。調べものをせずに、「いついつに、どこどこで、〇〇があります。行きましょう。」と誘われていた時には、特に理由を述べずに「参加したくない」ということが多かったのですが、現在では、「いついつに、どこどこで、〇〇があります。参加するかどうかは後で決めたらいいので、どんなところで、何をするかを調べてみましょう。」と誘われるようになりました。

 参加するかどうかは、調べてから決める。まずは目的地はどんなところか調べてみるというように、実際の状況が分かりやすいようなマップもあるのでストリートビューなどを参考に疑似体験ができるといったところです。この「段取り作業」でほとんどの校外授業をこなせるようになりました。大人でも、事前に調べて段取りをするだけで安心していることは多々あるでしょう。特に発達障害の個性を持った者は、具体的なスケジュールが見えないものはとても不安感が残ります。疑似体験、シミュレーションによって少しずつではありますが、みんなと一緒に行動することが出来るようになりました。

 このように多くの情報から大事な情報を選別する作業を繰り返し行なったことで、日常の会話でもたくさんの情報の中から何が大事な言葉(情報)なのかが選別できるようになったのだと思います。これにより発達障害による「空気が読めない」ということもある程度改善はしました。

親として出来ること

 家族でいろいろな場所に行き、いろいろな情報をインプットさせてあげることによって、経験としての引き出しを蓄積させてあげることを意識しました。何事も経験とよく言ったものですが、経験から得られる安心感は他では代えがたいものがあります。

 あと、実際にシミュレーションをしておくと良いことのひとつとして、パニックに陥りやすい状態を経験しておくというのがあります。暴風雨体験や起震車体験などの自然災害を疑似体験できるイベントに参加してみたり、公共交通機関の乗り換えを間違うなど、ハラハラする・ドキドキした感覚を体験することも、パニックになりにくくするためのひとつとなります。こういうパニック体験できるものを親子で調べてみるのもいいでしょう。

[参考記事]
「発達障害と診断された息子の天才の個性を生かす為に訓練を始める」

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