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発達障害の私が受けた移動支援事業と若者支援プログラム

 

この記事は発達障害の20代の男性に書いていただきました。

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移動支援を利用するための用意

 私は小さい頃から発達障害の診断を受けていまして、一人で混み合う場所に出歩くことが苦手です。それが理由で高校の時から、「移動支援サービス」を利用していました。

 屋外での移動に困難な障害者(児)のかたに、月50時間を上限として地域における自立生活及び余暇活動等の社会参加のための移動の支援を行います(マンツーマンによる個別的支援)。ただし、通勤・営業活動等の経済にかかる外出や、通年かつ長期にわたる外出(ショートスティ先の送迎含む)等の外出は対象外です。

 まず、障害者手帳と受給者証を用意して市役所まで行きました。そこで移動支援事業の申請をして後日、サービス給付のお知らせが封筒で来ました。そこまでが、まず基本的な準備段階になります。

 その後にサービス事業所との契約があります。面談をして、説明をしてもらった後に印鑑を押して契約完了になります。私の場合は契約後、一か月ほど経って利用可能になりました。

移動支援事業で出来る事

 移動支援事業は基本的にお出かけの同行なので、どこでも行けます。実際私もこれまで色々な場所に行きました。

 映画館、カフェ、海、公園散歩、都内観光、トリックアート展、カラオケ、ボウリング、コンサート、ショッピング、神社歩き、遠出散策、プラネタリウム。

夏にはイベント、花火、お祭り。

冬にはイルミネーション、お寺参り。
春にはお花見、植物鑑賞。
秋には紅葉鑑賞。

 近い距離の同行から遠い距離の同行まで。食事なども一緒に出来ます。レストランや中華料理、ファミレス、回転寿司など行きました。また、通院同行というサービスもあるので発達障害の治療のため病院に同行していただきました。

私から見た移動支援事業の問題点

 私はこれまでに2つほど事業者と契約をして移動支援事業を利用しましたが、やはり問題点も多かったです。まず若い人の介護職離れによる影響でしょうか、どうしても高齢のヘルパーさんになってしまいます

 そのため激しい運動などは出来ないため、気を使うことも多く、歩く距離が長い遊園地などはあまり多くは行くことは出来ませんでした。それからやはり二つの事業者に共通することだったのですが、訓練されたヘルパーが少ないように感じました。実際利用させていただいたヘルパーさんの中には失礼なことを言う方、無言のままでいる方、全てのことに何でも合わせようとする方、背後の自転車に気が付かない方など、そんな人のほうが多かった印象でした。

 移動支援事業ですので、そこまで質を求めるのはどうかなと思いますが、ストレス発散したい方、人と話すことに慣れたい方などにとっては少し満足いかないと思います。実際私も、移動サービス中、ストレスがかなり溜まってしまい、少し負担になっていました。

 それから、やはり交通費等はかなりかかりますし、月の利用時間にも制限があるので、思った通りには利用することは出来ませんでした。人混みが苦手という発達障害の性質も収まってきましたので、私は一人で頑張ろうと決意し、去年あたりから、一人で行動するようになりました。

若者支援プログラム

 社会参加したいと思う意思が強くなり、周囲に相談したところ、社会参加サポート事業(若者支援プログラム)を紹介され、見学と面談をしたあと、そこへ通うようになりました。

「ひきこもり等の若者支援プログラム」とは
ひきこもり等の状態にある若者及びその家族を対象として、体系的・連続的な支援を行うためのプログラム

【№1】訪問相談・支援(訪問相談)
(自宅等を訪問し、外出に向けた働きかけの実施)
●家族向けセミナー等の開催(対象者の把握・本人への間接的支援)
●自宅等を訪問し、相談・カウンセリングを実施(必要に応じて、外出への付き添い)
●自宅以外の居場所・適切な支援機関の紹介

【№2】自宅以外の居場所の提供(フリースペース)
(自宅以外の安心できる居場所の提供、自己肯定感を醸成するための活動の実施)
●安心できる居場所(フリースペース等)の確保・運営
●各種活動の実施(来所者同士の自由時間、グループ活動、自然キャンプ 等)

【№3】社会参加への準備支援(社会体験活動)
(社会参加に向け、能力と自信を向上させるための社会体験活動の実施)
●社会体験活動に参加するための情報提供や研修等を行う支援拠点の確保・運営
●各種活動の実施(ボランティア活動、生活リズム改善のための短期合宿 等)

 私が通っていたNPO法人の若者支援プログラムでは3つほどグループがありましたが、SST(ソーシャルスキルトレーニング)グループというものに入り、ここに週3回通っています。SSTは人と関わるうえでの必要な技術を取得するために行なわれます。私を含め発達障害の人はコミュニケーションが得意ではないので、ここで訓練をして社会に馴染めるようにするためです。その他にも雑談、料理、ゲーム、外出、運動、日曜大工したりと色々なことをしています。

 土日はサッカーや演劇などもあって私も不定期で行っています。サッカーは月4回で試合と練習を都内の公園でしています。演劇は都内の公民館を借りて呼吸法から発声練習などの練習から始まり、本格的な劇もやっています。

 後はイベントが月1であり、ボウリング大会やスポーツ大会、旅行、春にはお花見、夏にはBBQ、スイカ割り、冬には初詣、クリスマス会などがあります。皆さん和気あいあいとやっていて楽しそうです。私もここに通ってから笑顔になることが増え、話し方なども変わってきたように感じます。

 それからこのNPO法人では就労支援もやっていて就労セミナーも月1であります。実際私も4回ほどセミナーを受けて先日、バイト先の見学に行き、後日バイト体験をしました。4月よりバイトを始める予定です。初めての仕事ですので緊張しますが、いよいよ社会復帰です。

 発達障害者ですが、健常者負けないくらい社会に貢献したいと思っています。

[参考記事]
「発達障害の息子と行っているソーシャルスキルトレーニング」

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