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発達障害の息子と行っているソーシャルスキルトレーニング

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この記事は発達障害の息子さんを育てている女性に書いていただきました。

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 ソーシャルスキルトレーニングという言葉をご存知ですか?人との関わりを円滑に行わせるための訓練のことです。定型発達の子供はソーシャルスキルトレーニングをしなくても次第にコミュニケーション能力は身についていくものですが、発達障害の子供はそうはいきません。

 発達障害の子供は対人関係や集団生活が苦手で、コミュニケーションを取ることを躊躇しがちです。そうするとどのように人と接していったらいいのか自信がなくなり、話し下手や内弁慶になりやすくなります。大人でも、問題があるのに訓練をしないで育った人は、話し下手で上手にコミュニケーションを図れません。

 社会では人と関わりを持たないと生きていけませんので、子供の頃から少しずつソーシャルスキルトレーニングをして、コミュニケーション能力を高めていかなければいけません。

 私も発達障害の息子に対して身近なところから訓練を始めています。今回はそのことについてお話をしていきます。

【自分で言葉を見つける 褒められる】

 「こころの小児科」の主治医は、プラモデルが大好きな子供たちのために、受診時にプラモデルをプレゼントしてくださいました。「あ、プラモデルだ!」と手に取った後、プラモデルしか見てなかった息子に、私は「何て言うの?」とありがとうの言葉を促すように声をかけました。そんな私に主治医は、無言でちょっと待ってのジェスチャーをして、「〇〇君、プラモデルは好きだったかな?」と質問を始めました。息子は、当然「うん!好き」と答えます。「プレゼントしようと思っているけど、欲しいなって思ったら、素敵な魔法の言葉で手に入ります。さて何という言葉でしょうか?」と質問をされると、息子は自分で気が付いて、「あ!ありがとう!ありがとうございます!」と答えを見つけました。

 主治医が教えてくれたのは、「自分でありがとうの言葉を導き出すこと」でした。そして、それ以降の診察時には、「〇〇君がとっても喜んでくれて、とっても素敵なありがとうをもらったから、今回もプレゼントを用意しましたよ」と声をかけてもらい、「先生!ありがとう!」とすぐ答えることができました。これがソーシャルスキルトレーニングです。

 言葉自体を教えるのではなく、自分で言葉を見つけることが出来ること。そしてきちんと挨拶やお礼をしてくれたことを褒められると、次からは自分で言えるようになってきます。ついつい、親は「おはようございますは?」と言いそうになったり、「ごめんなさいは?」と、促しがちですが、自分で言葉を見つけて褒められるという成功体験を積み重ねると、徐々に自発的に出来るようになってきます。

【うまくいくための努力は練習】

 発達障害の子は挨拶や受け答えが上手に出来るようになっても、コミュニケーションを上手に取りにくく、何を話してよいか分からずに黙ってしまうこともあると思います。

 まずは「自信をつけること」が大事ですが、自信をつけるために練習をすることがあります。練習と言っても、素振りやキャッチボールみたいな準備運動ではなく、友達に話をする内容と同じように、親などの練習台を見つけて同じ会話をする。本番さながらです。会話も慣れるためにリハーサルが必要なのです。臨機応変な対応はしづらくとも、同じことを重ねて練習することで成功体験が得られ、自信をつけていくことが出来ます。少しずつ、その場に応じた対応を学んでいくのです。これは家でもできるソーシャルスキルトレーニングです。

 これは他のことでも言えます。私の息子は初めてのことが苦手だったり、先が見えない不安を感じやすかったりする個性なので、慣れる目的でリハーサルをしてきました。初めていくところは下見に行ったり、年度初め担任の先生に入学式の前に初顔合わせをさせてもらったり。

【日常で出来るソーシャルスキルトレーニング】

 我が家では「友達に話したいことがあるけど、うまく伝わらないかも。〇〇くんに、アニメの話をしたいんだ」という息子に、「どんな風に言ってみる?お母さんを〇〇くんだと思って話してみて」と、ロールプレイングしています。

 その結果、「そのアニメの話、とっても面白そうだと思ったよ。きっと〇〇くんも興味を持ってくれるかも。上手に伝わってるよ!」というと、「話してみるね!」と意欲的になりました。

 コミュニケーションが苦手だなと思って自発的になれず、それが自信のなさにつながっていたということもあるでしょう。日常の会話の練習は、家でも無理なく自然に出来ることばかりです。身近な人ほど、気軽に話をしやすいので、練習もしやすいですし、自分の言葉で伝えてようとして伝わりにくくても、「こんなことを伝えたいのかな?」と推測してあげることもできます。

 それを元に「〇〇した方が伝わりやすいかもね」などと柔らかく助言をしてあげます。出来る限り答えを自分の言葉で見つけてもらえるように、一緒に考えて、もう一度やってみようと練習を重ねていき、出来たことを褒めて認めてあげる。褒める認めることの大切さは、育てることにおいて、特に子育てにおいてはよく耳にすることだと思います。

 親子の何気ない会話でソーシャルスキルトレーニングをし、上手く出来たという成功体験をいっぱい積み、自信を持ってコミュニケーション能力を養っていければと思います。これが発達障害の子には勉強が出来る、出来ないよりも大事なことなのです。

[参考記事]
「発達障害の子が人間関係につまづきやすい理由」

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