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担任がADHDの息子のために行ってくれた教室内の環境整備

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この記事はADHDの息子さんを育てている30代の女性に書いていただきました。

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 現在小学二年生の息子が発達障害(ADHD)と診断されたのは一年生の秋のことです。入学当初から小さなトラブルを抱えつつも、「まだ学校生活に慣れていないから…」と学校側も親である私も様子を見ていました。とはいっても、それは霧の晴れない日々が続いているような感覚だったのをおぼえています。

 息子の学校にはスクールカウンセラーが配置されています。学校・親・子供とも有機的な結びつきを持っている、単なる「お飾り」ではない非常に頼もしい存在です。

 現在、息子はトラブルなくスムーズな学校生活を送れるようになっています。それは、スクールカウンセラーを中心に実に密な連携が取れているためです。今回は、ADHD診断後の学校での対応についてお話します。

〇担任とスクールカウンセラーの連携

 息子の一年時の担任の先生は、ベテランの女性でした。彼女は学内でもとりわけスクールカウンセラーとの連携を図っていたようで、母親である私がスクールカウンセラーと面談を行う際には、学内での息子の様子は担任からの連絡によっておおよそ把握していてくれました。息子との面談も何度か行ってくれており、やはり一度受診した方がよいだろうと、専門医を紹介してくれました。

〇診断結果を見て

 医師や心理士の所見、検査結果などを持って再びスクールカウンセラーと面談を行いました。それからの担任の対応はとても素早いものでした。スクールカウンセラーからのアドバイスを受け、担任は息子に対する様々な配慮を行ってくれたのです。それも、とても自然な形で。

〇教室内の環境整備

 息子はADHDの中でも不注意が強く、忘れ物や失くしものが目立つタイプです。また、気になるものが出来てしまうと目の前のやるべきものも忘れてしまいます。そのような特性に対処するために、担任が行ってくれたのは教室内の環境整備でした。

環境整備①席がえ
 息子の席はできるだけ周囲の雑音が気にならない場所に変更されました。最前列・最後列・端の列など、他の刺激が目に入りにくい席が息子の席になりました。ですが、それが周囲にあからさまには分からないように行われていたのはありがたい配慮だと感じます。

 周囲の雑音が減ったことで、授業自体にも集中できるようになったようです。訊ねてもこれまではあいまいだった授業中の様子も、このころから詳細に語ってくれるようになりました。

環境整備②テプラや付箋、イラストの活用
 息子は整理整頓が苦手です。ワーキングメモリがやや劣るため、何をどこに置いたらいいのかというカテゴライズが難しいためです(どこに置くのか忘れてしまう)。ですから、失くしもの・忘れ物は当たり前。引き出しの中もランドセルの中もぐちゃぐちゃです。

 改善策として、クラス共用のかごや棚には「歯ブラシ・コップ」「絵具」などと全てテプラ(文字などが書いてあるシール)を張ってくれました。そのため、息子は準備や片付けの際に迷うことがなくなりました。テプラには単に文字が書かれているだけでなく、イラストも一緒に印刷されているため、「目で見てわかる」工夫がされている素晴らしいものでした。

 小学校の教室には様々な掲示物が貼られています。大人の私が見ても混乱するくらいです。担任はそれを一つ一つ見直し、掲示物の場所や内容を変更したり、文字だけではなくイラストを多用したものに変更したりしてくれました。

例えば、

・机の引き出しのイラストを貼り、何がどのような状態で収まっていればいいのかを一目でわかる工夫をする

・下駄箱に付箋を貼り、傘や水筒・上着などを忘れていないか確認できるようにする

環境整備③キッチンタイマーで競争
 体育の着替えや片付け、授業の準備など、息子はとにかく手を動かし始めるまでに時間がかかります。そのため、クラスの他の子たちよりも行動が遅れがちでした。そこで登場したのがキッチンタイマー。

 「よーいどん!」でキッチンタイマーがスタートし、アラームが鳴る前に行動を終わらせよう、というクラス全体を巻き込んだゲームの時間へと変えてくれました。キッチンタイマーによって、息子だけでなくクラス全体の行動がそろうようになってきたと後日担任は語っていました。

環境整備④連絡帳の活用
 このように、様々な取り組みを行う際、担任は連絡帳を通じて事前に連絡をくれました。母親である私の目から見て、担任が実行した取り組みの有効性や取り組みに対して息子がどのように思っているのかなどを確認するためです。同様にスクールカウンセラーとも綿密に打ち合わせを行なっていて、それについても記載されていました。

 担任・親・スクールカウンセラーが密に連携を取りながら、学校生活を改善していく形が出来上がってきたのは、冬に入りかける頃です。つまり、約2か月程度で息子に対するサポート体制が整えられたことになります。私は、これは非常に迅速な対応だったと感じますし、どの取り組みも大きな成果を上げることになりました。

自信を持てるようになった息子

 息子は特に、ワンテンポ遅れてしまう自分に対して劣等感のようなものを抱いていたようでした。

・「ハサミを出して」という担任の指示にも、引き出しの中が整頓されていないため準備に時間がかかる。

・傘を忘れて帰ってくるために保育園時代のアンパンマンの傘(小学生にとってアンパンマンはかなり恥ずかしい)を持っていかざるを得ない。

 このようなことがなくなっただけで、彼の中では大きな自信になったようです。自分はダメじゃないという自己肯定感も芽生えてきたことは親である私にとっても大変うれしいことでした。スクールカウンセラーと担任の連携が大きな変化となって表れてくれました。

 現在学年が上がり、担任は別の先生に変わりましたが、情報はしっかり引き継ぎがされているようです。連絡帳にも息子の良いところ(別の子の担当の掃除も手伝ってくれた、欠席の子のトマトの鉢植えにも水をあげてくれていた、など)をたくさん書いてくれます。しっかりと息子のことを見てくれている学校側の配慮には感謝するばかりです。

[参考記事]
「発達障害のこだわりの強さに対するスクールカウンセラーの助言」

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