この記事は40代の女性に書いていただきました。
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大人の場合、二次障害がきっかけで発達障害と判明することが多いそうですが、私もその一人です。この記事ではその経緯についてお話しします。
うつ状態になった経緯
ある朝突然、布団の中から起き上がれなくなったのです。それでも、頑張って会社に出勤し続けたのですが、徐々に情緒が不安定になっていき、体調不良という状態も続くようになりました。さすがに、自分は普通の状態じゃないと感じて、職場近くの心療内科を受診することにしました。そして、「うつ状態」と診断されたのです。
原因は会社の中で当たり前とされる業務ができないことからくる上司からの叱咤です。他の音に気を取られてしまい電話を受けても、相手の話している内容が頭に入ってこないのです。普通の人が当たり前に出来る作業が私には難しく、それを理解できない上司から毎日のように怒られていました。この時には自分が発達障害の特性ゆえに、会社の業務が出来ていないことにはまだ気づいていません。
そこから、抗うつ薬と抗不安薬の服用が始まりましたが、うつ状態が改善するどころか悪化していきます。会社を辞めざるを得ませんでした。そして、実家の両親の下で、毎日眠っていることの多い生活になりました。
それから、5年ほどたった頃、うつ状態がひどく悪化したのですが、幻聴の症状が現れました。私を24時間監視しながら、悪口で実況中継をしている声が聞こえてくるのです。幻聴はリアルに聞こるものなので、私は、強いショックを受け、心身共に疲労困憊の状態になってしまいました。
幻聴が現れたとき、その原因に心当たりがありました。ちょうど、ストレス過多が続いていたからです。幻聴は、統合失調症の方だけの症状と思われがちですが、健康なひとでも、ストレスが原因で幻聴が現れることがあるそうです。お医者さんは、すぐに統合失調症と診断をして、統合失調症の薬を処方しました。しかし、その薬は1回服用しただけで体調を悪くしたので、自己判断ですぐに止めてしまいました。
うつの原因が判明した経緯
それから、うつ状態の原因について調べ始めました。その頃、書店に行くと大人の発達障害に関する書籍がいくつも並んでいました。すると、自分の特徴が、本で紹介されている発達障害の特徴に近いことや、二次障害でうつ状態になるケースがあることを知りました。そこで、専門の大学病院で診断してもらうことにしたのです。診断は、やはり発達障害、自閉症スペクトラムでした。発症していたうつ状態は、自閉症スペクトラムの二次障害によるものであることが分かりました。
徐々にですが抗うつ薬・抗不安薬での治療を止めることができ、、ゆっくりと時間をかけて、体力・気力を回復させて、自分を取り戻して行きました。それから、社会復帰を目指し、発達障害の当事者向けのデイサービスにも参加して、発達障害である自分の特徴を理解していきました。
やがて、あんなに苦しんだ二次障害のうつ状態は、少しずつ薄まっていきました。診断を受けて今年で6年になりますが、今は、うつ状態ではありません。憂鬱になる日もありますが、明らかに以前のうつ状態とは違います。
[参考記事]
「中学1年生で発達障害と診断されたが、既に二次障害の鬱」