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発達障害の子供に多い感覚過敏とは

 

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◇はじめに

 発達障害のお子さんが持つ特徴のひとつとして、「感覚過敏」がありますが、これは五感などの感覚がうまく調整できず、極端に敏感に反応するというものです。これが日常生活において支障が出てくる場合は「感覚統合障害」と呼ぶようになります。

◇感覚過敏とは

 人間は、体の外で何が起こっているかを五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)で感じ取り、そこで得た情報を中枢神経系に運び、脳で「こんな時は何をすべきか」を判断し処理をするということを常に瞬時に行なっています。ところが、これらの働きの中でいずれかの感覚(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)が敏感過ぎる子がいます。過敏なので、ちょっとした刺激にすぐ反応してしまいます。

◇感覚過敏のよくある反応

 以下、主にどのような反応や行動があるのかを見ていきます。
*視覚:まぶしい光を嫌がることや一度に多くのおもちゃや人などが見えると混乱するなど。

*聴覚:掃除機の音やトイレの水を流す音、赤ちゃんの泣き声、ショッピングモールのざわめきなど、生活音として認識される音を嫌がる。自閉症の子がイヤーマフ(耳充て)を付けているのも、この聴覚過敏が理由です。中には友達にバカにされるとしてイアーマフを付けない子もいます。

*嗅覚:においに敏感で、他の人が気づかないようなにおいに気づいたり、嫌がったりする。

*味覚:特定の味を嫌がる結果、好き嫌いが激しい傾向があります。親や世間一般的に美味しいと感じる食べ物も味覚過敏のある子は不味く感じることもあります。

*触覚:特定の服や肌触りを嫌がる。洋服のタグが当たるのを嫌がる。人に触られるのを避ける。食べ物のある特定の食感や温度に対して激しく拒否など。

◇感覚過敏の他にもある、感覚統合障害の症状

 感覚統合障害には、感覚過敏だけでなく、感覚が通常より鈍感な「感覚鈍麻」や感覚の刺激を求めるタイプの子もいます(私の息子が感覚の刺激を求めるタイプですが、後程紹介します)。いずれも発達障害のお子さんによく見られます。また、自分に入ってくる感覚情報が分からないという感覚刺激の識別が難しい子もいます。

◇感覚統合障害と発達障害の関係

 自閉症スペクトラムのお子さんの多くは幼いころから過敏傾向などの感覚の偏りがみられやすいと言われています。また、これらの感覚の違和感を適切な方法で表現できないことも多く、かんしゃくを起こすなどの行動が増えてきます。

 発達障害のお子さんの、一見理由が分からないかんしゃくの原因に感覚過敏が潜んでいることも少なくありません。また逆に、感覚過敏が落ち着けばかんしゃくも落ち着いてくるということもあります。

◇感覚統合障害の治療は

 感覚過敏を含む、感覚統合障害は「感覚統合療法」という、遊びを通じて感覚神経を整理・統合するセラピーを作業療法士より受けることで改善に向けてアプローチすることができます。

 私の次男はリハビリセンターで感覚統合療法を受ける前は、感覚の刺激を求める子だったようで、スピード感のある動きが大好きな上に、高さ160cm以上もある幼稚園のジャングルジムのてっぺんから飛び降りることを好んでいた子でした。怖いという感覚がなかったようです。これらは感覚統合療法を続けることにより、徐々に収まり、極端にならない程度の「高いところは怖い」という感覚を身につけることができ、慎重に行動することを身につけることができました。感覚過敏傾向の末娘も現在、感覚統合療法を受けているところです。

 成果についてはまだこれからの話ですが、親の個人的な感想としては、感覚統合療法だけでなく療育や幼稚園生活に慣れることなど総合的なアプローチによって、感覚過敏による様々なかんしゃくや訴えは少なくなっているという気がしています。

[参考記事]
「自閉症の息子は聴覚過敏です(実例)」

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