「うちの子、ひょっとしたら発達障害かも」「仕事でミスばかり、実は自分ってADHDだったりするかも」といったことが頭をよぎった時、どこに相談すればいいのでしょうか。
子どもの場合は窓口がたくさんあります
18歳未満のお子さんの場合は、発達外来のある小児科や児童精神科が専門の医療機関となります。ですが、直接医療機関を受診するよりもまず、保健センターや子ども家庭相談センター(児童相談所)の窓口で相談してみることをお勧めします。まちの小児科では臨床心理士がいないため診断がしづらいことや、発達障害の専門外来がある小児科や児童精神科の多くは常時予約がいっぱいだからです。
しかもこのような外来の多くは大学病院などの高機能病院に行かなくてはならない場合が多く、紹介状がない場合、別途医療費が加算されることもあります。先に地域の窓口で相談すると、そこで必要な発達検査が受けられますし、ここでいただく紹介状を持って受診すれば、紹介状がない人が払う追加の医療費はかかりません。
そして一番ありがたいのは、発達障害かどうかの診断ができる医師がいる医療機関を、保健センターの保健師や子ども家庭相談員が紹介してくれることです。さらにここで地域の窓口のつながりを作ると、今後もし療育を受ける場合にも相談することができます。
18歳以上の大人は精神科または心療内科で
18歳以上の大人の方は精神科で診断が可能です。大人の場合、うつなどの精神疾患を皮切りに、発達障害と分かるケースもあります。うつは発達障害の二次障害として引き起こされることもあり得るからです(参考記事「発達障害の「二次障害」とは何か。放置すると大変なことに」)。
精神科で相談した場合、同時に投薬やカウンセリングなどの治療も受けられます(精神科では薬を処方される可能性が高いですので、副作用の勉強をしてから飲むかどうか決めてください)。ただ、敷居が高いと感じられる方も少なくないでしょう。まだまだ精神科への偏見が根強い中、受診には勇気がいると思います。心療内科だったらまだ行きやすいのに・・・と言う方も少なからずいますが、心療内科は心身症などの身体症状がある人が受診する科なので、プレ精神科のように解釈することはできません。
ただ、駅前のメディカルビルなどにある心療内科は、入り口が奥まっていて入りやすい上、精神科とともに標榜(看板をあげている)していることがあるので、そのようなクリニックを選ぶのも方法です。ただし、医師が専門外の可能性が高いので事前に問い合わせて確認するか、別の医療機関に紹介される覚悟で受診してください。発達障害者支援センターを利用してみるのも方法の一つです。最近は各都道府県に1か所以上と、まだまだ数は少ないですが「発達障害者支援センター」が置かれるようになりました。
発達障害者支援センターとは、「相談支援」「発達支援」「就労支援」「普及啓発・研修」の4本柱で活動する発達障害者のための総合支援機関です。もし発達障害者支援センターが、相談に出向いていける場所にあるならば、医療機関を受診する前にそのセンターで相談するのもおすすめです。
[参考記事]
「40代で発達障害(ADHD)と診断された私の今」