この記事は発達障害と診断された20代男性に書いていただいています。
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今回は就労移行支援事業所についてお話しをしたいと思います。就労移行支援事業は障害がある方が一般企業へ就職するための訓練や支援を受けるために通う福祉サービスです。簡単に言ってみたら職業訓練校みたいな形です。私も現在通っていますが、就労移行支援事業所のメリット・デメリットを紹介していきます。
メリット
①パソコンのスキルなど様々な事が学べる
就労移行支援事業所ではパソコンを使ってタイピングやワード、エクセルなど学ぶ事ができます。私もパソコンの訓練を行っていましたが、タイピングのスピードがアップし、1分間で170文字打てるようになりましたし、ワードを使っての文書作成も準2級レベルまで出来るようになりました。そのおかげで自信もつきました。
他にもSST(社会生活技能訓練)や簿記、秘書検定など事業所によりますが様々な訓練が受けられます。
②定着支援が受けられる
自身の発達障害をオープンにして就職した場合、定着支援が受けられます。就労移行支援事業所のスタッフが職場に訪問し、利用者の特性を伝えたり、業務上のアドバイスを行ったりします。それによって働きやすくなり仕事を続けられるようになります。
一方クローズ(障害を非開示)で就職した場合は、定着支援はなく、自らが就労移行支援事業所に訪問して相談をしてもらいます。1番大事なのは「仕事を長く続ける」ということです。私自身の経験では障害をクローズではなく、オープンにして定着支援を受けた方が仕事を長続き出来るので、そちらをオススメします。
③就労移行支援事業所によっては交通費が出るとこも
利用者の中には「お金が出ないからしんどい」と思われる方も多いのではないのでしょうか。就労移行支援事業所によりますが、交通費を申請すれば最大で1万円支給されます。私もこの制度を利用して交通費をもらって就労移行支援事業所まで通っています。
④ 実習を通して就職ができる場合も
プログラムの一環である職場実習では、「雇用前実習」といって実習を通して働きぶりが評価されたらそのまま就職というケースもよく見られます。また就労移行支援事業所が個別に交渉した企業の場合もありますので、ハローワークには掲載されてない企業に就職できるチャンスもあります。「早く働きたい!」と思う方には雇用前実習はオススメです。
⑤利用者の収入によって就労移行支援事業所に払う費用が少なくなる
生活保護世帯や市区町村民税非課税世帯は利用料金は0円です。市区町村民税課税世帯では9300円かかります。
デメリット
①時間がかかるため焦りや不安が出てくる
就労移行支援事業所は「長く働ける職場を探す」ことを基準としているため時間をかけて就職活動を行います。そのため、なかなか就職が決まらなかったり将来が不安になったりします。最長で2年間は利用できますが、それでも気の遠くなるような長さですよね。私も焦りが出てきたり不安で落ち込んだりします。とにかく焦らずに落ち着いて過ごすことが大事です。
②就労移行支援事業所の社員から心無い言葉を言われることも
就労移行支援事業所に通っている時はこれが嫌になる時がありました。
私が言われたのは
「あなたはマルチタスクは一生出来ない!」
「職場でボロクソ怒られたいならミスしていいよ。」
「休日なのに外に遊びに行かないのはどうして?何を楽しみに生きてるの?」
などたくさん言われました。
「本当に支援者なの?発言がありえない。」
「健常者に障害者の気持ちなんて分からないだろうな。」
そう思う時が何回もあったし、今でも思い出すたびに嫌になります。
以上が就労移行支援事業所のメリット・デメリットです。
私の中で1番重要なポイントは「交通費が支給される」という点が大きかったです。お金が支給されると精神的にも余裕が出てきますし、少しだけでももらえるのは本当にありがたいです。
以上を参考にして自分にあった事業所を探してみてください。就職出来ることを応援しています。
[参考記事]
「大人の発達障害①発達障害と診断され就労移行支援事業所へ」
「大人の発達障害③発達障害者の人間関係。いじめで辛い経験」