この記事はADHDとアスペルガー症候群という2つの発達障害を合併している女性に書いていただきました。
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私(35歳女性)は「軽度のADHDとアスペルガー症候群も少し入っている合併型の発達障害」との診断を受けています。現在は仕事を辞め専業主婦ですが、ハローワークの支援を利用しての社会復帰(障害者枠での就職)を目指している所です。
今回は2つの発達障害を合併している私の学生時代と社会人になってからの出来事を書きたいと思います。
幼少時~学生時代
母の話では、小さい頃はぼーっとしている事が多く、上手く出来ない事には酷い癇癪を起していたので、小学校は普通学級に行けるのか心配した事もあったそうです。今思えばこの頃から既にADHD・アスペルガー症候群の兆候があったのかなと思います。
小学生の頃は、遅刻・課題未提出・忘れ物が多い・整理整頓が出来ない・部屋がかなり汚い・よく物をなくす・思った事をTPOわきまえずに言ってしまう・今しようとしていた事を瞬時に忘れてしまうなどが目立っていましたが、小学生なのでアホな子供程度で済んでいました。
中学生の頃は、思った事をTPOわきまえずに言ってしまった事が原因で、中学生の一時期いじめに遭っていました。この辺りから、周囲からなんとなく浮いてる自分、人付き合いが上手く出来ない自分に違和感と劣等感を覚え始め、自然と口数が減っていったように思います。
高校生になると、遅刻・課題未提出・忘れ物が多い・クラスメイトとの接し方が分からない・得意教科と苦手教科の極端さが目立つようになり、気付けば私は学校でも塾でも問題児となっていました。発言や行動がズレてる、いわゆる天然と言われ始めたのはこの頃からです。
このように忘れ物が多い、片づけられないというADHDとコミュニケーションに難があるアスペルガー症候群が混ざった性質のまま、学生時代を過ごしました。
当時はまだ発達障害という言葉はメジャーではなく、ただただ自分は苦手な事が全く出来ないだらしない人間だと思っていました。学生の内は周囲の大人が助けてくれたので、どうにかやっていけたのだと思います。
社会人になって
学生時代がこんな状態でしたので当然といえば当然なのですが、仕事も上手くいくはずがありません。同じミスの繰り返しや報連相漏れ、突発的なトラブルへの対応の悪さなどが目立ち、人間関係にも支障が出始めました。
「どうして注意した事を何回も繰り返すの?」「何ですぐに報告・連絡しないの?」「なんでもっと早くに相談しなかったの?」「慌てなくて良いから落ち着いて」これは働いていた時、よく言われていた言葉です。
当然、怒られっぱなしは嫌なので何か対策はないかと『ミスを繰り返さない方法』でネット検索をかけて、初めてADHDという言葉を知ることとなりました。ADHDで検索すると自分に当てはまる事ばかり。ここから自分がADHDなのではないかと疑いを持ち始めました。
でも分かった所でどうしたら良いのか分からないし、親に内緒で病院に行けないし(親は精神疾患は甘えだという考えの人でした)、そこまで切羽詰まってないし…とグダグダ言い訳を並べて、病院に行く決心がつかず数年が経過。しかしついに切羽詰まる出来事が。
婚約が決まった事で診断
それは今の主人との婚約が決まった事でした。病院にかかっていないので当然ADHDの性質は改善していないままです。自分がここまで何も出来なくてだらしないのは本当に自分の努力が足りないだけなのか、他に原因があるのか。これをハッキリさせておかないといずれどこかで大変なことになると思い、ようやく重い腰を上げて病院に行きました。何もできない私に嫌気がさして離婚なんてなりかねません。
そして、先ほども書きましたが「軽度のADHDとアスペルガー症候群の合併」の診断を受けました。努力不足じゃなかった、単にだらしない訳じゃなかったとホッとしたのは、ほんの一瞬だけでした。しかし、私はすぐにでも受診する事をお勧めします。それが若ければ若いほど対処法も将来の選択肢もたくさんあります。もちろん、薬を飲むかどうかは別問題ですが、自分の性質を知るだけでも対処の仕方に違いが出てきます。
本来は親が子供の発達障害を幼児期に気づいていれば公的支援の療育を受けられるのですが、今さらそんなことを言っても仕方ありません。
カミングアウトをしたのはいいが…
昨日まで普通だと思っていた人が実は障害者でした、しかも見えない障害です。という事実は周囲の人も対応に困ってしまいます。私は診断を受けた後に会社にその事実を言いましたが、全く無駄でした。無駄どころかかえって状況が悪くなりました。会社側は対応に困ったのか、パワハラや職場いじめに発展して退職に追い込まれました。
そうならない為に少しでも早く受診し、医師やカウンセラーや支援団体等に今後の方針を相談して欲しいと思います。その際には薬の取り扱いには注意してください。ADHDの場合にはコンサータなどの薬が処方されますが、副作用がでる可能性が高いです。発達障害の症状を抑えるために副作用を被ったのでは意味がありません。本やサイトで発達障害の対処法を学んだほうが後々楽です。小さい頃にできなかった療育を自分で行わなければいけないので大変ですが、苦しくても逃げるわけにはいきません。生きにくいですが、できることはやりたいと思います。
[参考記事]
「3歳児健診で初めて指摘された発達障害」