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自閉症のパニックについて。パニックが起きるきっかけとは

この記事は自閉症の息子さんを持つ親御さんに書いていただきました。

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 私は自閉症の障害を持つ息子の母親です。息子は24歳になります。幼いころより自閉症特有の症状「パニック」に悩まされてきました。

 パニックとは、本人が理解できない状況や、急に起こった出来事に処理できずに混乱して、急に暴れだしたり、叫びだしたりする症状のことです。

 幼少期は癇癪と区別がつきにくいこともあったのですが、長い時は1時間以上にわたりパニックの症状が続くために、とても困っていました。

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■パニックが起きるきっかけ

 自閉症の人たちは初めての場所や初めての事柄すべてを嫌います。息子の場合は特にその傾向が強く、初めて連れていく場所などでは、車から降りない・帰りたがる・泣き叫ぶ等の反応が見られていました。

 初めての事柄すべてに緊張や抵抗を大きく感じているようで、初めて目にする食べ物などでもパニックになってしまっていました。

 とくに外出先では起こりがちで、連れて行ったお店などでは急に泣き出す子どもの声に強く苛立ちを感じて、一緒になってその場でひっくり返って泣き叫ぶことも多々ありました。

 初めての場所ではなく、いつも行き慣れた場所でも急にパニックになることもあったため、本人の気持ちが不安定な時はいつパニックになるか、何がパニックの原因になるのかが予測不能な面がありました。

 体調や心の調子が悪ければ、周囲のあらゆる外的要因の刺激に対して、自分の気持ちを処理しきれずパニック状態になる感じでした。

■パニックになってしまうと…

 一旦パニックの症状に入ると泣いたり暴れたりし始めるのですが、そういう時にはこちらの言葉での指示はまったく通らない状態です。

 私が「静かにしようね」と言うと、息子も「静かにしようね!!」と大声でその言葉を繰り返しながら叫び続けるという状態になり、どんどん不機嫌な気持ちがエスカレートしていっていました。

 同じ言葉を繰り返し言う「オウム返し」が、パニックの前後はしつこくなります。

 息子は、ある一定の高さの音を不快な音と認識してしまうことがあり、赤ちゃんの泣き声と、その子供を叱るお母さんの声に物凄く不快感を覚えるようでした。長くその場にいると自分が叱られているような気持になるのか、その場で一緒に泣き始めてしまうので、とても困っていました。

■家庭の中でもパニックのきっかけがある

 家庭内の喧嘩の際も同じようなことが起きます。家族で言い合いになった場面で息子が家にいると、いつもパニックになってしまっていました。トーン(音程の高さ)や言い合いする声に反応して、苛立って悲しくなってしまっているようです。

 また、自閉症はいつも決まったリズム・同じ時間で動くことに安心する傾向があります。ですので、予期せぬ来客や、急に家族の都合で出かけることがある等いつもと時間の流れが変わってしまうことがあると、そこで動揺してしまい、パニックになってしまいます。

 生活をしているとすべてを息子に合わせてあげるわけにはいかない時もあり、お互い困ってしまっていました。

■現在の様子

 息子は幼少期に比べ、パニックになる回数はずいぶん減ってきました。いろいろな状況に順応できるようになったのは、経験を通して成長してきたからなのでしょう。しかし、まったくパニックがなくなったわけではないため、今でも年に数回は大きなパニック症状が出てしまいます。

 原因は様々ですが、自宅でパニックになると親子でとても疲れてしまいます。長く泣いたり叫んだりするので息子も疲れるでしょうが、体が大きくなった分、対応も大変になってきました。

 息子が通う通所施設内でパニックになった時は、ほかの利用者さんとのトラブルがきっかけのことが多いようです。息子もトラブルになった相手も体が大きいため、双方が暴れだすとさらに大変なようです。

 パニック中暴れだして、息子がほかの利用者さんに危害を加えないように注意をしてもらっています。

 自閉症の人にとって、パニックはなくなることがない症状ですが、より回数が減らしていけるよう彼の心のケアをしてあげるよう気遣って生活している毎日です。

[参考記事]
「アスペルガー症候群の母の特徴。急な予定の変更でパニックに」

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