この記事は30代の女性に書いていただきました。
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私には発達障害のADHDを持つ子供(小学校3年生の男児)がいます。ADHDの子供はじっとしているのが苦手なため授業中に立ち歩くこともあると聞いていたのですが、私の子供にはそういう行動はありません。授業中に立ち歩く事はしないまでも、手遊びやお喋りが多いと学校の先生には言われています(ADHDの特徴である不注意性)。
子供が発達障害だと分かった時、最初はショックでしたが、これまでの『なぜこの子は兄弟と違い、他の子と違うのだろう?』と言う疑問が晴れてスッキリもしました。
私自身は介護の仕事をしていたので『障害』や『疾病』に対して身構える事が少なかったことも影響しています。子供に対しても一人の人間として接してきたので『まさか、自分の子が発達障害…』とも思わなかったです。まず初めに『発達障害は一つの個性』としてその子を受け止める事にしました。そして病院に行き、どの様に接していけばいいのかを教えて貰いました。それは間違った行動に対してただ怒るのではなく、トラブルが起こった時にどのように子供にその状況を学習させるのかです。怒ってばかりだと自己肯定感が低くなり、その後の人生に響くからです。
子供の置かれている状況や感情を理路整然と伝える
家では、小学校での出来事や兄弟間でのいざこざを聞いてはその時の感情や相手との立ち位置、状況を伝える様にしました。LD(学習障害)の性質もあるのか、人の話を理解するのが苦手で、それが喧嘩の原因になっているのではないかと考えています。
そこで、その時のシチュエーションを一緒に再現するようしたり、絵を描いて理解できるように工夫しました。目から情報を得る方が得意な息子はそれにより理解が早くなり、以前よりはスムーズに話が出来るようになりました。絵に描いたように理路整然と頭で処理できるように家で訓練をしている途中です。親が感情的になって「…しなさい」と怒っても仕方がないのです。訓練あるのみです。
パニックになった時は気分転換させる
宿題をさせる時が一番大変です。集中して聞いていない時の内容が宿題に出たときは、『どうせ僕なんか役立たずで何も出来ないもん』と泣いて、怒ってしまうので宿題どころではなくなります。この時も、私は絶対にイライラして怒りません。
その時は一旦、泣き止むまで放って置き、その後、子供の好きな事(ゲーム)をさせて気分転換してから(私も家事を終わらせて)、もう一度、私と一緒に宿題をします。気分が変わって、気持ちも切り替えて、その前の状況とは別の状況作るとスムーズにしてくれます。
早く気づいて良かった
発達障害だと分からなかった時期は、怒ってばかりの毎日でした。兄弟で喧嘩をした時や宿題をやらない時には「喧嘩は止めなさい」「早く宿題を止めなさい」などと怒るだけで終わっていました。
もちろん、相手に怪我をさせてしまった時などは強く怒ることは必要ですが、その後になぜこういうことになってしまったのかを分かりやすく説明することが必要です。言葉で説明しても分からなければ絵に書いて分かってもらうのもいいでしょう。
発達障害の性質に対して注意しても子供本人は意識してやっている訳ではないため、怒るだけだったらどんどん苦しい状況に追い込んでいたと思います。こういう状態を放って置くと二次障害と言われる鬱症状などの副次的な症状も現れるようになると言われていますので、本当に早く気づいて良かったと思います。
先ほど書いた『どうせ僕なんか役立たずで何も出来ないもん』というのも二次障害の第一歩で自己評価が低い証拠です。この状況でさらに怒っていたら結果はさらに酷くなることは目に見えています。それでも毎日、自分の忍耐と格闘しています。私は短気な性格なため分かっていても怒りたくなる場合があり、これを我慢して根気よく子供に教えることで私自身も人間的に成長したと感じています。