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発達障害の息子の感覚過敏と感覚鈍麻。赤ちゃんの泣き声が嫌い

この記事は30代の女性に発達障害の息子さんの感覚過敏と感覚鈍麻について書いていただきました。

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 発達障害を持つ息子には、様々な特性があります。幼い頃は「変わった子だな」程度にしか思っていなかったのですが、発達障害の本を読んでいると我が子について書いてあるのではないかと思うほど多く当てはまり、笑ってしまうほどでした。その中の「感覚過敏」と「感覚鈍麻」についての息子の事例をお話しします。

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息子の感覚過敏について

 息子は小学校の教室で上靴を脱いでしまい、いくら注意しても裸足で生活してしまうという癖がありました。靴下は真っ黒、その靴下もいつの間にか脱いでしまい教室のあちこちに落としている始末…。悩んで相談したところ、感覚過敏(触覚過敏)があるせいだと分かりました。靴下の締め付け感がとても苦手だったのです。発達障害の子は他にも服のタグが嫌だったり、綿でないと着れなかったりと色々な触覚過敏があります。

 それに加えて、一度上靴を脱ぐと上靴を履くことすら面倒くさくて履くのを忘れるという特性も原因になっているようです。感覚過敏は、他の人が気にならないような些細な刺激も本人にとってはものすごく大きな刺激に感じてしまい、辛いようです。この部分を定型発達の子に合わせ、「あなたの感じ方を変えなさい」と言っても不可能です。ただ、少しずつ刺激に慣れていく事は出来るので、そこは家庭での日々の療育で様子を見つつサポートするという形になりました。

 もうすぐ中学生の今では上靴を脱いでしまう事はなくなりました。体育の授業の後に靴下を履かず、そのまま靴下が行方不明になり、あり得ない所から見つかる事は未だ変わらずですが…。

 もう一つ感覚過敏(触覚過敏)の事例(小学生の低学年の時)を紹介します。「ねえねえ」と呼びかけるつもりで肩を軽く叩かれただけでも殴られたと思い喧嘩になることもありました。当時は周囲の人間関係も悪く、余計に過敏になっていたのだと思います。そういう時はひたすら周囲の子の気持ちと息子の気持ちにずれがあった事・どちらも悪くない事、を説明します。適切な対応の仕方を教える作業の積み重ねて学んでいくしかありません。ですが咄嗟に湧き上がる感覚的なものを抑えるという大人でも難しい作業を、小学校低学年の子どもに教えてもなかなか身につかず、周囲との関係を取り持つのは難しかったです。

 息子は感覚過敏の一つである聴覚過敏もあり、トイレに入って用を足した後に水を流す音がたまらなく嫌な様子でした。水を流す時にはさっと耳を塞ぎ、恐怖の表情…。自動販売機で飲み物を買う時も同じくです。お金を入れて、ボタンを押したら、速攻で耳を塞ぎます。ジュースが落ちてくるとガチャンという音がしますが、それが嫌なようです。私の知り合いの発達障害の子はスピーカーから聞こえてくる音が嫌いだそうです。

 また、息子には5歳下の弟がいるのですが、その弟が生まれてからも大変でした。赤ちゃんの泣き声がとても嫌いなようなのです…。イライラして「泣き止ませて!」と不機嫌に。あまりに続くとパニックになってしまっていました。

逆に鈍すぎる所もある(感覚鈍麻)

 感覚が鋭すぎる部分もあるのですが、逆に鈍すぎる部分(感覚鈍麻)もあります。初めてその事を知ったのは小学校1年生の頃、作業療法士さんに簡単な検査をして頂いた時の事。感覚鈍麻も感覚過敏同様、発達障害の子に見られます。

 手のひらに握ったものの形がほとんど判別できていなかったそうです。そう言われてみると手に持っているものをいつの間にか落として失くしてしまっていても気づかなかったり、そういう出来事はよくありました。

 以前テレビで見た番組の中に、発達障害のある方の手先の不器用さを体験するために軍手をはめて折り紙をしてみる、というものがあったのですが、あれは発達障害の方の困り感を理解するためにとてもいい方法だと思います。

 私も専門家に言われ、そのような番組を見るまで息子の困難さを理解することができませんでした。実際は数々の失敗経験の底に、こちらが予想もつかないような困難さがあるのだろうなと思います。

 他にも、暑さ寒さの感覚に鈍く、季節に合った服装ができなかったり、物を踏んでいる感覚が鈍いのか平気で落ちているものの上に座ってしまったり。こういう感覚鈍麻もあります。

 感覚過敏と感覚鈍麻という相反する感覚を持ちながら、周囲とどう調和して生きていくかが発達障害の息子の最大のテーマです

[参考記事]
「自閉症の息子は感覚過敏で、犬の鳴き声や人の笑い声でパニック」

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