この記事は20代の女性に書いていただきました。
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こんにちは。発達障害者(自閉症スペクトラム障害、ADHD)の23歳女子大学生です。今回の記事では、発達障害の人の「疲れやすさ」についてお話したいと思います。
皆さんは、発達障害と聞くとどんな特徴を思い浮かべるでしょうか。空気が読めない?集中力がない?動き回る?
確かに、一般的にはそのようなイメージが強いと思います。頭の中がちょっと変わった人、というイメージかもしれません。
しかし、意外なことに、発達障害の人には「身体に関する困りごと」もあります。ただ、あまり知られていないので、発達障害の本人でさえ気づいていないことも多いです。皆それぞれ、自分の身体しか体験できず、ほかの人と比べられないので、当たり前と言えば当たり前かもしれません。
5つの視点から、発達障害の「疲れやすさ」についてお話します!
(1)疲れやすさはどんな感覚か?
「あ、動けない…」と突然疲れが襲ってきます。急にスマホの充電が切れる。急にパソコンの電源が切れる。そんな感覚です。
しかし、周りにはわかってもらえません。
風邪であれば原因は細菌やウイルスですし、診断書をもらえます。一方、発達障害による疲れや微熱はウイルス性ではないので、診断書ももらえません。確かに体調不良を感じるのに、周りに分かってもらえないのが一番大変です。
(2)疲れやすさの原因
次に、発達障害の人が疲れやすい原因を考えてみました。疲れやすさ、体調の崩しやすさの原因は主に2つあると考えています。
1つ目は、感覚過敏、感覚鈍麻の問題。文字通り、外部の刺激に対して敏感すぎたり、鈍すぎたりすることです。敏感なものとしては、におい、音が挙げられます。そのため、外にいるだけで疲れてしまいます。特に疲れる場所は、電車、外食、図書館、授業など。人がたくさんいる場所は、においも音もたくさん溢れているので辛いです。
鈍感なものとしては、気温が挙げられます。そのため、季節感のない服装で出かけてしまい、冬は体調がおかしくなります。
2つ目は、過集中の問題。これは、一度集中してしまうと、他のことが目に入らなくなることです。食事やトイレ、寝ることを忘れてしまします(本当です!)。その結果、睡眠リズムが崩れ、体調が悪くなったりします。
(3)疲れやすさによって起こる問題
スマホの充電が急に切れるみたいに、パタンと倒れます。急に手足が鉛のように重くなり、物理的に動けなくなります。外にいる間は気づかないが、家に帰るとおかしさに気づきます。
その結果、パフォーマンスが落ちたり、予定がこなせなくなったりします。予定をドタキャンして迷惑をかけ、しまいには周りからの信用を失ってしまいます。社会で生きづらくなります。安定した社会人生活が送りづらい、不登校になりがち、等の問題を抱えることになります。
(4)実体験
中高生の頃、不登校でした。やたら疲れやすく、体調が悪く、欠席がちな生徒でした。
大学に入学してからは、アルバイトをシフト通りにこなせないことがありました。どうしても体調が優れず、直前にバイトを休んだこともありました。申し訳ないことをしたな、とは思うものの、「そうするしかなかった」という思いもあります。
このままではいけない!と思い、次の(5)で説明する対策をするようになりました。小さいことですが、これらの対策をしたことで、だいぶ楽になりました。(その分、対策できない環境だと余計に緊張してしまいますが…。
(5)対策
まず、スケジュール管理の徹底です。
コツは、
・1週間に1日は何もしない日をつくる
・1日の中で人に会うなどの予定は1件までにする
・時間刻みのスケジュール帳を使い、自分の活動時間、休憩時間を一目で把握する工夫をする
・スケジュールを色分けする。(バイト→オレンジ、学校→青、遊び→ピンク など)
次に、過集中で生活がおろそかになるのを防ぐことです。何時にこれをやる、と計画を立て、タイマーを活用します。
例えば、今は19時半、お風呂は20時に入ると予定を立てます。過集中モードに入ると「20時になったこと」に気付かない可能性があるので、20時にタイマーをセットします。そうすると、音で過集中モードから解き放たれます。タイマーの活用、おすすめです!
最後に、におい、音!
・におい→マスク、鼻の下にメンソレータムを塗る(これは私の場合です)
・音→耳栓 ※ただし、ノイズキャンセリングはシャットダウンしすぎて危ないのでおすすめしません
このように、工夫をすればある程度症状を抑えることができます。
いかがでしたか。発達障害には、一般的に知られているような「空気が読めない」等の特徴だけでなく、疲れやすさという意外な問題も隠れています。
もし周りに発達障害の人がいる場合、無理なスケジュールで疲弊させないように気を付けてあげてください!
[参考記事]
「アスペルガー症候群による過集中が原因で、過労で倒れる」