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ADHDとLDを行動認知療法と食餌療法で治療

 

 この記事は発達障害の31才の娘さんを持つ60代の女性に書いていただきました。

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 現在31歳の娘は、24歳で出産し育児ノイローゼになってしまいました。元々感情の起伏が激しく、特に思春期以降は怒り泣きながら、いろいろな不満を訴えることがよくある子でした。しかしとても穏やかで良い旦那さんと巡り会い、結婚後は地元を離れて暮らすようになりました。

 旦那さんの勤務の都合で、娘がほとんど一人で育児をしている状態でしたので、育児疲れで育児ノイローゼが出ているのだろうと思い、子供(私達夫婦の孫)共々帰省させて、かかりつけの精神科にかかることにしました。今から6年前のことですが、そこで、初めて「発達障害」と診断されたのです。思ってもいなかったので、私はかなりショックでしたが、娘は比較的冷静でした。娘なりに、今までの生きづらさの理由がわかり、納得したのかも知れません。

 ちなみに、かかりつけの精神科とは、中学生時に発症した「てんかん」で通っていた病院です。20年近く前の当時は「発達障害」という言葉はあまり知られておらず、私は「てんかん」の発作にばかり気を取られていたので、医師にはその症状だけ伝えていたのでした。

医師の診断は
「大人のADHDとLDでしょう。しかし比較的軽いので今後の生活如何で通常の社会生活が可能です。」とのことでした。
てんかんの薬と不眠用の向精神薬を飲んでいたので、他に薬は特に処方されませんでした。治療は本人及び家族が症状をよく知って対応するという行動認知療法と食餌療法(砂糖・添加物を控えてバランスの良い食事)を続け、経過観察するというものでした。

 行動認知療法では、ささいなことで激高することが多い娘に対して旦那さんが根気よく話相手になってくれ、決して否定することなく小さなことにも感謝を伝え、何かと褒めることを心がけてくれました。私達夫婦も頭ごなしに叱ったりすることは控え、言いたいことがある時はなるべく娘の状態が良い時を待つようにしました。

 また、食餌療法では、娘は好き嫌いが多く、料理もしないので、ファストフードやコンビニ弁当が多かったのですが、食餌療法を意識するようになり、外食の際もなるべく和食、一品ものよりは定食、そして野菜を食べるように変わっていきました。好きだった甘い炭酸飲料は一切飲まなくなり、タバコもお酒もやめました。それらの効果に加え、何よりも日に日に可愛らしさを増す子供の存在が娘の心を和らげてくれているようでした。

 そうした良い連鎖が起きるようになってきたおかげで人間関係も良くなってきています。対人関係のトラブルが絶えない娘でしたが、段々と付き合う上でのコツをつかんだようで、ママ友もできました。子供に対しても母親らしい言動が見られるようになってきました。

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■娘の特徴

〇娘はいわゆる「片づけられない女」ですが、実は私もそうです。私もフルタイムで働いていた時、書類の整理・人間関係によく悩まされていました。

〇娘は思い立ったら言わずにはいられない性質があります。本人曰く「今言わないと忘れてしまう」という思いがあり、人の話の腰を折ることが多かったです。そのためか小学生の時には友達はいませんでした。

 しかし、その当時、私には発達障害についての知識はありませんでしたので、「良い付き合いができるように自分自身が成長しなくてはだめだよ」と一般論で諭すことしかできませんでした。発達障害の子供には不適切なアドバイスだったと反省しています。

〇幼児の頃、叱っても動じない子でした。普通なら泣いて謝るような場面でも平静でした。私達夫婦はしつこく叱るのは得策でないと思っていたので、フォローのつもりで極力何事もなかったかのように接していました。

〇物をよく失くす子でした。体育帽・リコーダ・そろばん・習字道具など、何度も買いなおす羽目に陥りました。

〇同時に複数のことができません。一つの動作が終わってから指示しないと次の手順ができないので通常の全体の流れを前もって説明しておくというのは無理でした。

〇物覚えが悪く、特に悪い記憶はいつの間にか全く忘れてしまう。「え?あれだけ愚痴ってたのにもう忘れたの?」と私は驚くばかりでした。

〇自己肯定感がとても低く「生きる意味がわからない」ともらすことがありました。今では守るべき自分の子供の存在が「生きる意味・必要とされる喜び」に役立っているようです。

〇いじめられた経験のせいで委縮することがあり、友人の言うことに流されやすく適切に自分を主張できない。これも自己肯定感が低いせいでしょう。

〇優柔不断でレストランの注文すらひどく時間がかかる。

〇経済観念が不足しており、分不相応な買い物をしてしまう。例えば学費にと渡したお金でブランド品を買うなど。

〇集中力に乏しく、すぐに気が散る。例えば映画の途中で何度も携帯を見ます。

〇極端なめんどくさがり屋で必要不可欠なことにも優先順位がつけられず、先送りしては親に泣きつく。

■結論

 子供への虐待が何より心配でしたが、子供は基本的には可愛がっていますし、子供も娘にとてもなついています。しかし、泣かせすぎて児童相談所の方の訪問を受けたことはありました。

 私は娘に多くは求めていませんので掃除・調理ができないことには目をつぶっています。娘は旦那さんと愛すべき子供に恵まれ、妻として、母親として、そして人間として成長しているようです。娘一家が「普通の社会生活」を送れている幸せに感謝しています。

[参考記事]
「ADHD(注意欠陥・多動性障害)とLD(学習障害)の特徴について」)

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