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息子が自閉症だと診断された時、遺伝の可能性を指摘された

 

 自閉症のお子さんを育てる30代の女性に書いていただきました。
………………

 自閉症スペクトラムの息子がいる母です。息子は現在小学校一年生、小学校の支援級に在籍しています。三学年上に健常の長男がいますが長男の子育てには感じたことのなかった育てにくさが強くなってきた2歳半頃に、紹介された総合病院へ連れて行き、医師から「自閉症スペクトラムの傾向が強い」と診断を受けました。

 診断された時はショックよりも「やっぱり何かあったのだな、この子には・・・」という思いが強く、「どうしてこんなに育てにくいのかしら?」「愛情が足りないのかしら?」の思いから解放されて、(適切な言葉ではないのかもしれませんが)スッキリした気持ちになりました。

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医師へ質問

 全く自閉症について知識がなかった私は診断してくださった医師にいくつか質問しました。

以下がそのやりとりです。
私:「この障害はいずれ治るのでしょうか?」

医師:「残念ながら今の医学界では先天的な障害と言われていて治るものではありません。例えばインフルエンザならタミフルが特効薬になるというように、薬などで完治するようなものでもなく、成長と共に健常児になっていく障害ではありません。」

私:「先天的?考えられる原因はなんですか?」

医師:「今の医学界では遺伝の可能性とも考えられています」

私:「私も主人側の親族にも障害をもっている方はいないのですが・・・遺伝ですか??」

医師:「人間誰しもグレーの遺伝子を持っているのですが、それが出てくる場合とそうでない場合があって、次男君を授かったときに、たまたま(夫婦)お互いもしくはどちらかのグレーな遺伝子を引き継いだと理解してもらった方がいいですよ。」

私:「この子にこれからどう接してあげればよいのでしょうか?」

医師:「親御さんによっては子どもの障害を受け止められないで、我が子が障害児なんてあり得ない!!と逆切れされることもありますが、やはり障害を受け止めてあげるのが一番です。親御さんが受け入れられずに健常児と同じ扱いで育てると子どもが自分はできない子だと感じてしまう。受け入れてあげて、次男君にとって心身ともに居心地のよい環境を整えてあげてください。」

医師:「大まかなアドバイスですが・・・
①抽象的ではなく具体的に(×こそあど言葉→○具体物の名称を言う)
②否定的でなく肯定的に(×廊下は走らない!!→○廊下は歩こうね)
③聴覚よりも視覚優位(×聞くだけの指示→○絵カード等を使って説明)
がいいと思うので是非おうちで対応してあげてください」

私:「夫婦に全く知識がないので私たちにも理解できる書籍があれば教えてください」

医師:「世間にはいろんな分野の方が書かれたものが出版されているけれど、専門書なんて読まなくていいので小児科医が書いていて、親御さんが読みやすい本を選ばれたらいいですよ」

診断後、家に帰ってから泣いてしまった

 診察が終わって帰宅してからもスッキリはしたものの、我が子の診断に実感がないままでした。そして夜になり就寝する時に、今まで我慢してきた、隠れていた思いが溢れてきました。

 子ども達の寝顔を見ながら次男は生まれてまだ2年しか経っていないのに障害があることが分かり、交友・進学・就職・恋愛・結婚という普通の人生を歩ませてあげることができなくなってしまった。長男には普通の兄弟関係にしてあげられず、将来次男の事で我慢や負担をかけてしまうかもしれない。そして主人にも普通の父ではなく精神的に負担をかけてしまう。と家族に申し訳ない気持ちになり別室で泣いてしまいました。涙が次から次へあふれ出てしまい、大泣きでした。

 しかし主人に気づかれ「大丈夫か?つらいこともこれからあると思うけどみんなで頑張ろう」との言葉に救われました。後にも先にも次男の事で悲しくて泣いたのはこの一回だけです。

 診断する医師の中にはショックを受けている親に更に配慮のない言い方をされる方もいると聞くこともありますが我が家は幸い良い先生だったように感じています。

[参考記事]
「発達障害は遺伝性の病気なの?」

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