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自閉症と場面緘黙症の症状を持つ娘は通級に通うようになりました

 

この記事は30代の女性に書いていただきました。娘さんは発達障害(自閉症)と場面緘黙症の症状を持っています。場面緘黙症のことは前回の記事からの引用で理解をしてください。

場面緘黙症とは、特定の場所で急に話せなくなり、家庭では普通に話せる、もしくは家庭では話せなくなり、外では話せる等様々です(発達障害ではありません)。私の娘は自分が通う保育園、今は小学校で先生、友達、学校に関わる人全ての人に声を出す事ができません。保育園年中の途中までは気を許せる友達にだけは話せたのですが、何かのきっかけがあり全く話せなくなりました

「娘が場面緘黙症になった原因は親である私にあります」の続きです。

…………….

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小学2年生の時に再度医療センターで検査

 相変わらず長女は話さないまま2年生になりました。1年生の頃から宿題が進まず悩んでいたものの、周囲から「うちもだよ~」「みんな同じだよ~」と言われていたのであまり考え過ぎないようにしていました。ただ、宿題をしない姿にイライラしてヒステリーを起こしてしまう事は度々・・・。どうしても長女の個性が強く、場面緘黙症や自閉症のボーダーラインでもある為、先生の対応が甘くなっていました。

 それを当たり前と子供ながら感じ取ってしまってますます宿題をしなくなり、先生に「場面緘黙症でも関係なく、皆と同じ扱いにしてもらいたいのですが・・・」と伝えました。でも扱いが難しいのもあったのでしょう。「長女ちゃんのペースで見守らせてください」と言われました。有難いやら、それでいいのやらでしたが。

 秋頃、学校側から再度医療センターで検査をして、その結果を貰いたいとのお願いがありました。それはスクールカウンセリングの先生が気に止めていてくださっていたからであり、もう1度これからどうしていくか進めていきたいという提案でした。後日医療センターで約2年振りの検査。長女から「ねぇ、何で私だけ学校休んでこんなことしてるの?」と聞かれてしまいました。正直に「学校で話せない原因を調べるんだよ」と伝えるとちょっとムッとした態度でしたがきちんと検査を受けてくれました。

 2週間後の結果ではゆっくりだけど自閉症のボーダーラインから抜け出せれそうな成長をしていますと言われ、ホッとしつつも「喋り(場面緘黙症)は自分自身の問題だからどうすることもできない」という事でした。結果を学校に提出し、カウンセリングの先生とのお話の中で、通級を勧められました。通級とは学習や言葉、コミュニケーションにつまずきがある子供(娘のような自閉症の子など)が授業の時間に違う教室(違う学校の場合もある)で特別に学ぶ授業です。隣の学校での授業ですので自ら送迎しなければいけないですが、長女ちゃんの為にきっと良い方向に行けますよ、と後押しもあり、3年生から通わせる事が決まりました。

小学3年生で通級へ

 3年生になり、週1回の通級がスタートしました。通級教室では初めは全く先生に話すことができず、失敗したかと不安に思っていましたが、途中から安心したのか一時間もしないうちに普通に言葉を発し始め、順調に苦手な教科やコミュニケーションの仕方を学び、時にはゲーム方式で脳トレをしたりと楽しんで学んでいきました。通ううちに生き生きし出して苦手な算数もかなり克服してきました。

 通級も行ってしまえば通常通りでしたが、段々「皆と違うのが嫌!」「皆と同じ授業が受けたい」と言い出しました。そのため、通級の先生は長女が楽しい、と思ってもらえるように同じ通級に通う女の子も交えたグループ授業を取り入れてくれました。しかし、4年生の終わり頃には「とにかく授業を途中で抜けて、ここ(通級)に来るのが嫌だ」「特別扱いされたくない」と具体的に言い出した為、通級の先生、担任の先生、カウンセリングの先生と相談し、2年間で完結させましょうと4年生の終わりまでになりました。

 通級の成果は出てきており、手付かずだった宿題もスムーズになりましたし、コミュニケーション能力もついたかと思います。相変わらず学校では友達と話さないままでしたが念願の「友達と学校が終わってから遊ぶ」ようにもなりました。

 5年生となっても学校では友達とは相変わらず話さないですが、話さないなりに楽しく学校生活を送っています。5年生の宿泊訓練は色々心配でしたので、無理に行かなくてもいいよ、と言いましたが自主的に行くと言い出し、凄く楽しかったとイキイキした表情で帰ってきました。正直、2泊3日一切話さず過ごすってどんなものだろう?と考えただけでも私には耐えられません。今更ですが場面緘黙症は脳がストップをかけてしまうため、特定の場所では喋りたくても喋れません。逆に長女にとってはそれが普通なのかもしれません。ですので、話さなくても辛くはないのでしょう。しかし、そうなると本人もそれに甘えてしまい「それでもいいんだ」とインプットされて抜け出せなくなるのではないかと恐れています。

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