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40歳にて発達障害の二次障害として選択制緘黙を発症

この記事は40代の女性に書いていただきました。

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 私の夫は、今では世間でも知られることが多くなった発達障害です。発達障害の診断がされたのは、結婚もし、子供が生まれてからで、いわゆる「大人の発達障害」です。

 付き合っている頃は、お互い仕事の関係に休みが一緒ではなかったり、お互いの友人との時間も大切にしたいこともあり、いつもいつも一緒に過ごすという形ではありませんでした。

 たまに一緒に行った旅行などでは、「なぜ、そんな態度をとるのか」と思うこともあり、今から思えば、それが発達障害によるものだと理解ができます。

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 <発達障害と診断されたきっかけ>

 夫が発達障害と診断されたのは、結婚10年が経過した時でした。元々ゲームが大好きだった夫は、徐々にゲームから離れることができず、ごくわずかな友人とも付き合いがなくなっていきました。ゲーム中に話しかけると、とても機嫌が悪くなり、それは相手が子供であってもです。子供に対して私に対して怒りをぶつける時と同じ対応をすることに違和感を持ち始めました。

 元々の性格なのかと思ってはいたのですが、相手の気持ちを思いやることや、弱者にやさしくすることなどは子供に対してもなく、また子供の友達の家族に対しても同様に、自分の思いだけをぶつけ、空気をよむことができませんでした。

 そんなある日、テレビで大人の発達障害について取り上げられていました。その内容は、夫と同じ性質でした。意を決して夫に一度病院へ行くことを勧めました。夫は何となく人と話すことが苦手と感じてはいましたが、そういう性格と信じており、病院に行くことを拒みました。しかし会社からも一度精神科へ行くことを勧められていたこともあり決意をしてくれました。結果、広汎性発達障害と診断されました。

<発達障害と診断された後の生活>

 夫はどんな気持ちなのだろうと私は少し心配になりましたが、診断直後は怒りで満ち溢れていました。1か月後には何もなかったように元に戻っていました。しかし、診断されてからは自分のせいで人と関われないのではなく、そうした障害のせいだと言い、徐々に職場でも人と話すことが減っていきました。

 家では、私と機嫌がいい時は普通に話していましたし、子供とも話はしていたので、特に私は気にもかけずに普段通りに生活を送っていました。

<再度、夫の職場から電話が・・・>

 発達障害の診断を受けてから、10か月が経過した時に再度、夫の職場の上司から私に電話がかかってきました。その内容は驚くものでした。電話をかけてきてくれた上司とは話すが、それ以外の職場の方、取引先の誰とも話さず、ただただじっと目を見つけているだけとのことでした。

 そのため、仕事にもならず、どうしても話さなければいけないときは筆談をしたり、一方的にメールを送ったりしていましたが、話言葉でのコミュニケーションがとれない状況です。最初は会社から受診をした方がいいと言われたことがきっけけで発達障害と診断されたので、それで恨みや怒りからそうしていると思っていたが、そうではないのではないかと職場のカウンセラーの方に言われました。

<選択性緘黙との診断>

 発達障害と診断されてからは、少しの間、薬を服用していましたが、そのうち病院からは遠ざかっていきました。しかし、上司の方から電話を頂いたため、お守り代わりに薬をもらいに行こうと伝え受診をしました。そこで、夫がとった行動は、主治医、看護師の方、受付の方、誰とも話すことはなく、ただただ目を見て、黙っていました。

 医師は問診や脳波をとったり、血液検査などを行い、結果、発達障害の二次被害である選択性緘黙という診断に至りました。「緘黙」自体があまり聞きなれないものだったので、驚きましたが、家庭の中では会話はできています。それ以外では、親戚や実の両親とも話さない状況になっています。しかし、そうした障害を抱えながらも、こどものために一生懸命働いてくれています。

[参考記事]
「娘が場面緘黙症になった原因は親である私にあります」

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