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発達障害の子供のためのサポートブックの役割と書き方

 

この記事は自閉症の息子さんを持つ30代の女性に書いていただきました。

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 発達障害の子供を集団生活させる際、子供の事を何も知らない先生方に詳しく知ってもらうのが「サポートブック」の役割です。市町村から貰える場合もあるので利用されている方も多いと思います。

 サポートブックでは発育や発達の状況をまとめたりでき、苦手なものや得意なものなど子供自身がアピールできなくても理解してもらえるので、口頭で伝えるだけより効果的です。ただこれは先生が読んでくれている場合に限られます(読んでくれない先生も多い)。

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サポートブックの役割と書く内容

 サポートブックにはどんな役割があって、どんなことに気を付けて書いていけばいいのかを解説していきます。

 我が家では幼稚園に入園した時にサポートブックを渡し、毎年書き直したものを担任と園長先生に渡していました。幸いなことに先生方はよく読んでくれていたので、息子の好きなキャラクターや得意な事を保育の現場で生かしてくれていました。毎年A4の紙3枚ほどの情報を提出していましたが、「よく読んでくれているな」とありがたい気持ちでいましたし、それを読むことによって先生が息子に対する対応に困る事も少ないだろうから、「先生の為」という気持ちもありました。

 この考えをそのままに就学先の小学校用にサポートブックを作っていた時、児童デイサービスで行われた就学前児童の親講座で「保育園、幼稚園とは違い小学校では分厚いサポートブックは読んでもらえない可能性が高いです」と教えてもらいました。やっぱり小学校の先生は忙しいです。発達障害児への対応を後回しにするつもりはなくても、分厚いサポートブックをわざわざ開いて、項目を探す時間すら惜しい場合もあるそうです。親としては「それくらいの時間あるでしょ?」と思ってしまいますが悲しいことにそれが現実のようです。6年間一度も開けられることなく校長室の棚に並んでいたという話もあるくらいです。読んでもらえなければ意味がないので、できるだけ読みやすく簡潔に書くように注意を払ってください。

 ですので、小学校に提出するサポートブックはA4の用紙1枚。これなら先生のファイルにも挟んでおけるし、困ったときにパッと見るだけで必要な情報を得ることが出来ます。そういわれて1枚にまとめるように作り始めましたが、短い言葉で分かりやすく、なるべく多くの情報を入れるのは想像以上に難しい作業でした。出来ない事ややって欲しい部分はたくさんあるけどそれだけ書いても息子がどういう子供か分かってもらえません。それどころかネガティブな内容ばかりだと大変な子供だと感じさせてしまいます。子供の得意な部分や、好きな遊びなども入れ込み、ただ出来ないことだけでなく
「こうすれば落ち着いて出来ます」
「こういう声かけだと理解しやすいです」
といったように「出来る方法」も入れておくと良いアピールになります。

 自分がどんな大変な育児をしてきたか、どんなに手のかかる子供だったのかをアピールしたくなりますが教育現場ではその情報はあまり必要とされません。1枚にまとめるためには本当に必要な部分だけを書かなければいけません。まとめるために真剣に子供に向き合い、良い部分や困っている部分を書き出してみると、案外理解できていなかったり、見落としていた部分に気付くいい経験になりました。大変なところが多いのは本当ですが、自分の子供の良い部分を10ケあげてくださいと言われ、良い部分だけを探すとたくさん長所があるんですよね。そこで見つけた良い部分も是非アピールポイントとしてサポートブックに書いてほしいと思います。

 学校によっては分厚いサポートブックでも歓迎してくれる所もあるでしょうし、特別支援学校への就学の場合などはよりく詳しい情報が必要とされるかもしれません。就学先の学校によってどうするか考えておいた方がいいかと思います。

 以上のサポートブックの役割と書き方を十分理解し、役立てていただければ幸いです。

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