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先天性心疾患の息子のために行なった療育

この記事は30代の女性に書いていただきました。

……….

 妊娠6か月の妊婦健診の時に、胎児が先天性心疾患だと胎児診断されました。多くの合併症を合わせてもった単心室症という病名で、出産までにも色々ありましたが無事出産することができ、心臓の手術を受けました。

 この単心室症という病気は最低でも3回の手術を必要とします。息子は手術の度に命の危機を迎え、術後の経過も悪く、起きているだけでも心臓に負担がかかるほどの重症な経過を辿り、長い期間、麻薬を使って眠らせて治療を進めていました。

 先天性心疾患の治療には、心不全をコントロールするために、水分制限や体重管理が大きな役割を果たします。そのため息子は飲みたいだけ母乳を飲むことも体重を増やすことも許されず、1歳を過ぎても体重は5kgあるかないか。

 命を優先にしてきたため、成長に関しては後回しにせざるを得ない状況で、2歳を過ぎてやっとお座りができるようになり、歩きはじめたのは3歳手前といった感じで、初めて「ママ」といったのは3歳を過ぎてからでした。

 単心室症の合併症で生まれつき脾臓もないために感染に弱いという特徴があることや、生まれてからずっと酸素をつけていたこともあり、心機能が安定してきた3歳になる年に初めて、集団生活へ入ることの許可がおりました。

 そこで、病院のソーシャルワーカーと連携をとり、療育センターへ入園することになりました。ここでやっと、息子の成長について目を向けられるようになったのです。

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療育が始まる

 療育センターにも心臓病の子どもは少なく、発達障害のお子様が多かったです。息子の場合はかなり重症な経過を辿ったこともあり、成長の遅れが特に顕著にみられるために療育センターを選択しました。

 ただ、重症な先天性心疾患をお持ちのお子様程、発達障害を併発する可能性が高いようです。息子は学習すべき大事な期間を、ほぼ寝たきりで過ごしてきました。その大事な期間を取り戻すべく療育センターで日常生活という当たり前の生活を送るための訓練を始めました。そこで少しずつ息子なりに成長していくのですが、やはり言葉の遅れなどがあることから、医師より「自閉症スペクトラムに大きく分類される」と診断を受けました。4歳の冬でした。

自閉症スペクトラムと診断されて

 息子の今までの経緯もありますし、自分で知っている限り、自閉症に該当するような症状は息子にはないように思いました。確かに言葉の遅れは顕著にある。でも目を合わせられないだとか、こだわりが強いであるとか、異常行動を繰り返すといったようなことはなかったからです。

 言葉の遅れがあるので、療育センターで行っているST(言語聴覚士)による個人療育を依頼したのですが、もっと酷い子どもたちが優先ということで、息子は個人療育は受けることができませんでした。

 そこから「PECS」という絵カードを用いた療育を取り入れ、言葉を操れない息子に伝える方法がないかと模索しました。

大事な幼児期には限りがある

 子どもの脳の発達は6歳児までが大事と言われています。一概には言えない部分はあると思いますが、私はこの限りある大事な期間に様々な刺激を与えたいと考えるようになりました。息子の発達を促すためにと調べていく中で、ひらがなに特化して脳の発達を促すという発達支援センターを知り、息子の発達を伸ばせるかもしれないと面談に向かいました。療育とはまた違ったアプローチ法に手ごたえを感じました。

 そこで療育センターに通いながら、この発達支援センターを利用しようとしたところ、通所受給者証の併用はできませんでした。

発達障害を視野に入れた教育へ

 事業所の併用ができないとなり、家族と話し合いました。考えに考え抜いた末に出した答えは、療育センターを退園することです。健常の子どもが通う幼稚園に入園させて、週に一度発達支援センターに通うという選択をしたのです。病院が行っている言語訓練等も検討しましたが、すべて満員で受けることができず、集団生活と療育要素を手に入れるには私の地域ではこの方法しかありませんでした。

 週に一度の発達支援センターだけでは心細い部分もあり、家庭での取り組みを強化していくことにしました。そこで出会ったのが「ABA」です。簡単に説明すると良い行いを強化する療育法です。望ましい行動ができたら、ご褒美をあげるという方法です。難しいことではなく、日常生活の中の些細な部分にきめ細やかにABAを取り入れることで、言葉かけひとつで子どもの行動が変わるのです。これを自分で勉強し現在取り組んでいます。

 また、クチトレ協会という団体があり、そこで購入したクチトレ器具を使って前頭葉の発達を促すトレーニングをしたり、リトミック教室に通ったり、ピアノを習わせたり、出来る限りの療育を取り入れています。

 息子は幼稚園で健常のお子様についていけないことだったり、言葉がうまく伝わらないことなどがあり、本人も戦っているところではありますが、少しずつですが言葉が増えてきています。集団生活でのルールなども少しずつですが理解に繋がってきているとみて取れます。

 幼児期は家庭で過ごす時間が長いので、ABAのようなご家庭での取り組みを強化することは大事なことだと感じています。

[参考記事]
「らんまりのラクガキ。。。」

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