この記事は40代の男性に書いていただきました。
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息子がADHDの診断をされました。我が家の小学2年生の息子は小学1年生の冬頃、最終的にADHDの診断を下されました。まずはそこに至るまでの過程を説明したいと思います。
息子への違和感①
近所の友達との遊びの中で違和感に気付きました。最初にちょっとおかしいかもと思ったのは年中さんの時でした。近所に同学年の子と年長さんの子がいたので休みの日になるとその子たちの兄弟も含めて遊んだりしていました。
その様子をたまたま見ていたら、息子は、空間は共有しているのですが、やっていることを共有できていなかったのです。ほかの子供たちが一緒になって遊んでいるのに息子は一人だけ仮面ライダーになりきって一人で演じているような状態でした。
その時は「なんで一緒に遊ばないんだ?」というくらいにしか思っていなかったのですが、公園などに連れて行っても毎回ではないにしろ、かなりの頻度で同様の現象がありました。友達と好きな仮面ライダーの遊びをするときも、「ごっこ遊び」ではなくて、あくまでテレビの「再現シーン」を一人でやっていました。
息子への違和感②
また、この頃は「この服じゃないと嫌だ」というこだわりが結構強く、洗濯して乾いていないのに「それを着るんだ」と言って泣くので保育園に行かせるのにも苦労しました。なので、同じ服を2着ずつ買った記憶があります。
その時は特に男の子なのでそういうこだわりが出てくる時期だと思っていたので、そんなものかと思っていました。今になって思えばこの頃から症状としては出ていたのかなと思います。
息子への違和感③
小学校の授業参観で発達障害ではと感じました。私も妻もそこまで気にすることもなく、息子も小学生になりました。
しかし、「明らかにおかしいぞ」と思える場面に遭遇しました。5月に授業参観があり、私が参加して様子を見ていました。算数の授業だったのですが、「算数セット」のおもちゃのコインのようなものを使って数の概念を学習していました。
先生が「それを片付けて」と指示をしたときに、他の子は出していたものをサーッと集めてしまっているのに対し、息子は色ごとに一枚ごとに手に取って掌でまたそろえてという具合に片付けていたので明らかに他の子より遅く、先生が次の指示を出しているのを聞いていない状態でした。見ている間、ほぼ他の子のスピードについていけていないので、このままでは明らかに勉強が出来なくなると思いました。普段家庭の中でも食事を食べるのが遅いとか、何度同じことを言っても同じことを繰り返すとか気になる点があり、同じ注意を何度もしていました。
その授業参観の時の様子を見て、うちの子は他の子とは違うなということに気付きました。息子の中には無意識のうちに「自分のルール」が存在し、それをなかなか崩せないということなんだろうなという思いに至りました。
その後も、地域の子供会の行事に参加したりすると、集団行動で足並みをそろえられない、また、友達の名前をあまり覚えていない、上着やズボンの裾を折り返さないと気が済まないなど、気になる点がたくさん出てきました。
学校でWISCを受ける
早めに相談をしたことが良かったと思います。そのことに対して具体的にどうしたらいいんだろうと思っていたのですが、実際の行動は起こさないまま時間が過ぎていきました。
ちょうどお正月の時に私の実家でいとこも来ているときにその話題になりました。いとこは小学校の教師をしているので、学校でWISCの検査を受けられるから受けたほうがいいとアドバイスをしてもらいました。病院などで行う心理相談は数か月待ちとなったりするから、学校に頼んだほうがいいとのことでした。
そこで学校の先生に相談をして、WISCの検査をしてもらうことになりました。学校でもすぐに動いてくれてしばらくして検査を受けました。結果はどの項目も平均して低く、100を平均としたときにどれも75~80くらいで、正直それを見たときはショックでした。完全に学習障害とはいかないけど、グレーゾーンだと思いました。
その後、病院で心理の先生に診察してもらって、ADHDという診断になりました。その後、今でも2~3か月に1回、心理相談を受けながら今に至っています。親としてはショックではありましたが、診断を受けてよかったと思っています。今まで息子にガミガミ言っていたことがこれは病気なんだという見方をすることでストレスは減りました。息子にとっても親の扱いが少し変わったことで同様にストレスが減ったと思います。
親としては将来を考えると不安
心理の先生からは「好きなことで自信を持たせてあげて」と言われました。もちろん、その通りで、私も第三者にアドバイスをするとしたらそういうことを言うと思います。
しかし、実際のところ、やはり自分の子供だと感情が入ってしまうのも事実です。ですから、診断を受けてからは以前よりそこは意識はしていますが、なかなか難しいというのが現実です。
今はまだ低学年ですが、これから学年が進むにつれ、行動が遅いとか、同学年の子と比べて幼いのでそういうことをバカにされていじめに合わないだろうかとか心配をするとつい口が出てしまうこともあります。学生のうちであれば、先生もそのように見てくれるかもしれませんが、社会に出て、利害関係が発生すればそのようには見てくれないのが現実だと思うと心配は尽きません。これから長い時間はかかると思いますが、少しずつ変わってくれればと思います。
いまは息子がやりたいといったスイミングをやらせています。級が上がっていくのが楽しいらしく、積極的に取り組んでいるので、これをきっかけに自信を持ってくれるといいと思っています。一人ひとり個性が違うわけですから、答えの無いものに取り組んでいくことになるわけですけれども、親が諦めずに取り組んでいくことが必要だと思います。
今回我が家では幸い早い段階で気付いたほうだと思うのですが、私が気付いたきっかけとなった授業参観でも客観的に見てうちの子よりまずいんじゃないかという子も何人かいました。
でも親御さんは特に対処はしていないようです。明かな場合は学校でも対処はしますが、いわゆるグレーゾーンにあたる子の場合、判断は難しいようです。個人的には全員検査をして、今後の対処に活かしてあげたほうが本人、親にとっていいような気がします。
知っている方で、子供が小学6年生になってようやく気付いたという方がいて、その方は子供のことで家庭崩壊の寸前まで行ったと言っていました。でも、病気と分かったことでその後の対応が全然変わったと言っていました。私の場合はたまたま検査について学校関係者から聞くことが出来たので良かったですが、そのような検査が学校で出来ることも知らなかったので、もっと告知をしてくれればいいのにと思っています。
[参考記事]
「ADHDの殻を被ったアスペルガーの娘について」
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