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発達障害当事者として世間の人達に知って欲しい5つのこと

この記事は40代の男性に書いていただきました。

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1.成人当事者の1人として自己紹介

 私は40代の発達障害当事者です。20代~30代に患った鬱病が、発達障害の二次障害だと診断されました。鬱病の時からの引き続きで障害基礎年金の2級をもらっています。

 診断名はアスペルガー症候群ですが、いわゆるアスペルガーらしさやADHDらしさは薄いです。言語性IQが高く、動作性IQが普通ぐらいですが、動作性IQの一部ガクンと低い項目があります。そのせいか要領よく素早く作業をこなすのが難しいです。

 また、興味の無いことが長続きしないので高校を中退したのちに大検を取り、専門学校に行ったのですが、そこも中退しました。学歴が無いのでホワイトカラー的な職場には就けず、かといってサービス業やガテン系のようなスピードと丁寧さを両立して当前のような職場も合いません。

 資格を取ったり自分なりにパソコン関連の技能を磨いたりしましたが就労には結びつかず、たまたま広報誌で見つけた就労継続支援B型事業所に通所しています。

 就労継続支援B型というのは就労移行支援を2年間受けても就労に結びつかなかった人や、就職まで時間がかかりそうな人が通いながら就職を目指すところです。私はそこでパソコンを使った技能を高めて、テレワーク(在宅勤務)などでお金を稼ごうと奮闘中です。

 発達障害は治療して治るというものではないので、暮らしの中で困ることがあるなら、それぞれの問題について対策を考えていこうというのが主治医の方針です。また、医師からは「定型発達の人達とは違うだけであって、劣るのではない」と言われました。

2.成人の発達障害当事者として知って欲しい5つのこと

 発達障害の当事者として世間の人達に知ってほしいことを5つ書いていきます。

①発達障害当事者の誰もが分かりやすい特徴を持っているわけではありません。

 最近テレビなどで盛んに発達障害について特集してくれているのは良いのですが、当事者からするとちょっと、あれ? と思うこともあります。

 例えば取材対象の人が五感のどれかが極めて過敏で、普通に暮らすのが困難というような描かれ方をします。しかし、サングラスが手放せないとか(視覚過敏)、常にイヤホン(音を遮断するため)をしていないといけないというような症状が誰にでもあるわけではありません。

 ちなみに私の場合は聴覚が少し敏感なので、虫の鳴き声がすごく苦手ですが、生活が困難になるほどではありません。中には赤ちゃんの鳴き声が嫌いな人もいて、聴覚過敏でも様々です。

②ストレスがかかると処理速度が落ちる

 叱られたり悲しかったり怒ったりと、普段よりストレスがかかったときに言葉が出なくなります。ちょうどパソコンのメモリが不足しているみたいに、瞬間瞬間に処理できる情報量を超えてしまって処理落ちが発生しているような感じです。

 これはストレスがかかったときばかりではなく、複数の作業を同時進行(マルチタスク)を試みたときにも起こります。

 あと、免許を持っていて毎日のように運転するのですが、右見て左見て左折しようとしたら右から車が来てたなんてことがたまにあります。瞬間に処理できる情報量がオーバーすると見ているはずの車が見えていないようです。

 なので、運転は極めて慎重にして、混みあった街中などには行かないようにしています。助手席にせっかちな人がいると「行ける!」と、せかしてきたりしますが、マイペース以上の情報を追加されると処理落ちが発生するので危険です。おやめください。

③発達障害=天才と言われても困ります。

 「発達障害の人って才能あるんだよね! 頑張って!」と、励まされることがありますが、この誤解が結構キツイです。

 テレビの特集などではイラストレーターとか作家とかモデルとか大学の研究者とかで稼げてる発達障害者を取り上げます。しかし、そういう人はレアケースだと思います。

 今は才能のある定型発達の人達が余るほどいる時代ですから、発達障害を抱えながらも才能を開花できる人というのはある意味非常にラッキーな人だと見るべきです。周りの環境が非常に合っていたか、小さい頃から一つのことに興味があり、続けていたなどが重ならないとなかなか難しいと思います。

 ちなみに私の場合は楽器や絵や語学、スポーツなど色々チャレンジしてみるのが好きですが、どれも才能があるとは言えず下手の横好き止まりで、上級・プロレベルにまではなりません。

④嫌なことを我慢する訓練はあんまり効果が無いように思います。

 B型事業所でも「通う練習」とか、メンタルを鍛えるような話が出ることがあります。しかし、無理をすると発達障害による二次障害を発症する可能性もあります。戸締り火の元が気になって出かけられない強迫性障害とか被害妄想、ひどくなると鬱やノイローゼになったりします。

 定型発達の人の精神が「鍛えれば強くなる筋肉」であるとすれば、私達発達障害者の精神は「細い木の枝」のようなものです。ある程度まではしなって我慢しても、ポッキリいったら取り返しが難しいし、木の枝を何回もしならせたところで強くはなりません。ひびが入って折れやすくなるだけです。ただし、発達障害者でも遅いながらも年齢による成長はあります。成長というよりも慣れと言った方がいいかもしれません。年齢とともに少しずつ枝が太くはなってくるのです。

 私の場合、二次障害を出さないように騙し騙し努力をしてきて40年、我慢強くなったかというと、やはりそうでもありません。とはいえ、ようやく親の心配をしたり、家計を助けようという考えも出るようになり、就職したての若者ぐらいの社会性は身についてきたように思います。でも、かつての同級生は既に中学生の子どもの親だったり会社の偉い人だったりするんですよね(泣)人と比べても仕方がないことですが。

⑤全然普通っぽい、やればできるよと言われるのが困る。

 いろいろ自分なりに頑張って、ようやく定型発達の人の言う「普通」を保てている状態です。そこからさらに「やればできる」ような活動をしてしまうとストレスがかかりすぎてポッキリ折れてしまいます。

 大人の発達障害は、かつて鬱病が怠け病と言われたり、鬱病の人を「頑張って!」と励ましたりしていた時代のような状況にあるのだと思います。なので、障害年金が出れば御の字で、生活保護等の社会保障に頼らざるを得ないのに理解されづらいのが現状です。

 それでも、クラウドソーシングやテレワーク、働き方改革などという取り組みが盛んになってきました。特に才能の無い発達障害者でもなんとか稼いで自立できるような世の中になることを期待しています。折れない程度に頑張っていきましょう。

[参考記事]
「発達障害を事由に障害年金を申請―受給開始に繋げるための工夫」

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