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ADHDである私の息子の幼稚園から中学までの特徴と症状

 

 この記事は40代の女性に現在中学1年生のお子さんの発達障害について書いていただきました。

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1)小さいころの様子

 二人兄弟の次男は周りにうまく溶け込めず、私の後ろに隠れたり、自分から声をかけれなかったりしましたが、最初は「これも個性だから、内気な性格なんだな」と思っていました。幼稚園に入ると行くのを嫌がり、人と交わるのは苦手な様子でした。なかなか慣れず、1人で遊ぶ姿や先生の指示に従えない姿をみて「難しい子なんだなー」というくらいの認識でした。

 周りの子と比べ、みんなと一緒のように出来ない姿に、「でも、うちの子はこういう子なんだから」とただ、認めてあげることが大事だと思っていました。

2)発達障害では?と思ったきっかけ

 幼稚園の3年間は、徐々に慣れてきたこともあって、卒園するころには、だいぶ周りとも仲良くなることができました。ところが、小学校へあがると、再び行くのを嫌がりました。新しいことは(環境の変化)、慣れるまでに時間がかかるのです。毎日送り迎えをして、校門からは先生に引きずられるように、教室へ連れて行かれる姿に、胸が痛くなっていました。

 とにかく学校が大嫌いになりました。自由にできないこと、よく分からない勉強をさせられること。「なんで学校に行かないといけないの?学校なんて嫌だ!学校なんてなくなってしまえ!」と泣き叫んだことがありました。私は、それになんて答えていいのか分からず、行きたくないと言っている場所に毎日連れて行き、そこで、居心地悪く過ごしているんだろうと思うと、どうしてあげたらいいのか分からず悩んでいました。

 そんな時、担任の先生から「特別な所に相談に行かれましたか?」と言われ、その時は発達障害の知識もなかったので、なんだか差別されているようで腹が立ってしまった記憶があります。

3)児童相談所から病院へ、診断される

 小学2年で引越をしました。新しい学校ではしばらく頑張っていましたが、2ヶ月を過ぎたくらいから、頑張るのが疲れたのか、勉強が嫌だと教室から飛び出し始めました。周りからは、えらい子が引越してきた、学級崩壊だと言われ、辛い思いをしました。彼はただ、自分の嫌だと言う気持ちに正直なだけでした。

 以前の担任に言われた「特別な所に相談したらどうか」それを思い出し、その時の先生に相談しましたら児童相談所のことを教えて頂きました。児童相談所では、WISCという発達検査をしました。その結果は「ADHD(注意欠陥多動性障害)だと思われる」とのことでしたので、病院を紹介され、病院ではっきりとADHDの診断を受けることになったのです。

4)診断を受けてからの様子

 診断を受けて、すぐに様子が変わる訳ではありませんが、周りのサポートが充実しました。学校では、本人の出来ること、出来ないことなどを理解してくれ、出来ないことは、皆と同じでなく、本人に合わせたカリキュラムにしたり、宿題の量を調節したり、ついていけない勉強は、ひとり教室で個別に教えて頂きました。

 診断されたのが小学校2年生の冬と遅かったので、「通級」と言う発達障害の子が通える個別の教室に、月に2回、4時間程通っていました。薬は、親(私)の意見で、飲ませたくないというのがあったので、取り入れませんでした。周りのサポートも得られ、徐々にではありますが、学校生活にも馴染み、勉強もなんとかしながら、成長してくれました。

5)ADHD、うちの子の特徴

 ADHDといっても、みんなが同じ症状ではないです。
うちの子の特徴は
・理性より自分の気持ちに素直(嫌なことは無理にできない)
・理解不能な状態になるとパニックになる
・人の気持ちが分かりすぎて、周りが気になりすぎる
・コミュニケーションが苦手
・自己否定感が強い
・できないことは最初からやれない

 空気が読めないどころか、読みすぎて気を遣ってしまい、疲れています。でも、自分の気持ちに素直で、思ったことは話してくれます。友達は欲しい、仲良くしたい、でも、どうしたらいいのか、何をしゃべったらいいのか分からない、と言っています。このように自然に分かることや、普通なら当たり前のことがわからなかったりするのです。

6)現在、中学1年生の様子

 遅ればせながらも、1年前と比べると今は違う、そんな繰り返しで成長しています。以前はできなかったこともできるようになり、克服できたこともあります。それは大勢の前では立てなかったのが、今は堂々としていられるようになったことです。

 中学に入って支援学級に入りましたが、教室は4名で、手厚くサポートしてもらっています。しかし、勉強が難しくなり、できないことはやりたくない性質により勉強には取り組めずにいます。ただ、勉強以外のことは積極的に活動し、委員会に入ったり、部活で吹奏楽に入ったり、毎日の練習にもきちんと参加して、大きな舞台にも立つことができました。

 学校には行きたくないと言ったことはなく、毎日長距離の自転車通学ですが、元気な姿で通っています。

7)今後の展望と大切なこと

 小さなころから比べると、確実に成長しています。周りと一緒のペースではない、彼のペースですが。目先の悩みは勉強ができないことですが、「みんなと同じように」を求めなければ、しっかりと授業には出ているし、得意な科目は80点を採ることもできています。

 思いやりがあり、周りに気配りもでき、委員や自分の与えられた仕事はきっちりとやります。人として、子供を見たときに、本当に素晴らしい人間だと思うのです。全然ダメなんかじゃない。いろいろなことが分からず、どうしていいか分からず、不安に生きてきた本人が1番辛かったと思います。

 発達障害という診断があろうがなかろうが、誰しも個性や特性はあって、そこに折り合いを付けたり、克服できるものは克服したり、試行錯誤しながら生きているのだと思います。親としてできることは、うちの子のペースを大事にして、一生懸命がんばってる姿を認めてあげて、見守っていくこと。外で頑張ったり、無理したりすることがあっても、家に帰ったら安心できて、癒されて、元気になれる、そんなホームベースを作ってあげること。見守って、応援してあげること、それが大切だと思っています。

[参考記事]
「ADHD(注意欠陥・多動性障害)とLD(学習障害)の特徴について」

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