この記事は40代の女性に書いていただきました。
「自分の子供に発達障害の疑いを持った7つの理由」の続きです。
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小学校で喧嘩などのトラブルが増えたことで益々息子に発達障害があることを疑い始めました。息子の通う小学校には特別学級(情緒学級)があり、カウンセラーの先生もいましたので、小学1年生の時にカウンセラーの先生に相談し、息子の様子を見てもらいました。その時は「〇〇君のような子供が他にも普通にいるから気にしないほうがよい」と言われ、1年間は様子を見ました。
しかし、2年生になり担任もクラス環境も変わった時、また友達と喧嘩になったり、クラスで落ち着きがなくなったりしたので、子供が普段通っている小児科の先生やクラス担任とも相談したところ、「療育センターに行き、検査を受けたほうがいいのではないでしょうか」と言われたので、検査を受けることを決心しました。
療育センターでの検査
療育センターでは、半日程度の時間をかけてカウンセラーと息子、親との面談、筆記試験を行いました。後日、知能指数やヒアリング状況の検査結果から、自閉症スペクトラム障害と注意欠陥多動性障害の疑いが強いと診断されました。
具体的には、
「知能指数は平均に位置します」
「人の意図を読み取る能力や少し先を想像する力が弱く、自閉症スペクトラム障害の特徴が見られます」
「落ち着きがないなどのADHDの特徴も見られます」
と言われました。
その後は役所に診断書を提出して、小学校の特別学級で療育を希望していましたが、軽度だという判断から学校で療育を受けることは出来ませんでした。そのため療育センターで半年に1回、定期的に担当医の診察を受け、息子の成長を見て行くことになりました。特別学級に通えない代わりに、療育センターの先生の勧めもあり、民間の支援教室に通うことにしました。
民間の支援教室に通う
月に4回、民間の支援機関「Leaf」(LITALICOジュニア-幼児教室)に親子で通い始めました。一番の課題は、友達とのトラブルを減らし、友達を傷つけないことでしたので、少人数制で実際に子ども達同士トランプなどで遊びながら以下のことを学びました。
〇トラブルになった時に、なぜトラブルが起きたかを考える
〇トラブルの時、お互いにどう感じたのかを言い合う
〇トラブルになった時に自分を抑えて、どのように気持ちを切り替えるか
〇トラブルがあった時に相手に気持ちをどのように伝えたらよいか
を繰り返し学ぶことで、感情的になって手を出したりせずに、冷静になって相手の気持ちも考えて行動することが出来るようになりました。
具体的には感情をレベル1~5に数字化して、自分の「平常時の感情のレベル」を知り、怒った時には平常時のレベルまで戻すといった感覚を身に付け、クールダウンの仕方を知りました。
また支援教室では、親がモニターで授業の様子を見ることや、授業後にフィードバック面談を受けられるので、その時になぜ子どもが困った行動を取るのか、またその時に親はどう対応したらよいかなどを学ぶことが出来て、以前よりも息子を理解して声かけやサポートが出来るようになりました。
支援教室の他に行なっていた習い事
息子は団体での行動が苦手でしたので、このままでは社会に出てから困るのではと思い、支援教室と並行して団体競技である少年野球に小学3年生から入部させました。野球では、周りに合わせて行動することや、チームワーク、持ち物の管理、挨拶、上下関係などを学び、また、支援教室で学んだことを野球の場で実践することで、仲間とのトラブルを減らし、以前よりも周りと上手く付き合えるようになりました。また、チームの指導者や一部の父母の方にも息子の障害について話すことで、以前よりも息子に理解を持って接してくれるようになりました。
現在息子は10歳(小学校4年生)になりましたが、日常生活の中で起きるトラブルを上手く回避出来るようになってきました。自閉症スペクトラムの特徴である「こだわり」を崩して、他の子供達に合わせることや譲ることが出来るようになり、相手の気持ちに立って考え行動することが増えてきました。
これまで、出来ないことに怒られて自信を失っていたのですが、以前よりも自信をつけ、周りの人間を信頼してくれるようになりました。さらには小学校では自ら学級委員となり、積極的に行動出来るようになり、このままの調子が持続するようにサポートは続けていきたいと思っています。
[参考記事]
「自閉症スペクトラムの特徴とは」
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