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自閉症スペクトラムの特徴とは

 

 自閉症スペクトラム障害はかつて「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」と呼ばれていた診断名を総称する呼び方です。

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自閉症スペクトラムとは

 自閉症スペクトラムの特徴は人との関わりやコミュニケーションが苦手だったり(社会性の欠如)、何かに対して「こだわり」を持っています。このような特徴はおおむね3歳ごろまでに現れます。

 では具体的にどのような特徴があるのか。

1)対人関係を作ることがむずかしい

 自閉症スペクトラムの子は、対人関係が苦手です。臨機応変な対応ができず、誤解を生むことも少なくありません。幼少期の特徴としては以下のようなものがあります。

〇親が指差ししたものに関心を示さない
=>
例えば親が何かに関心を示して目線を移したり、指を指しても、自閉症スペクトラムの子はそれに対して何も反応を示さないことがあります。

〇視線が合わない
=>視線を合わす意味は「私が言っていることややっていることをどう思っているのか」を相手に確認する意味がありますが、自閉症スペクトラムの子はこのような意味で視線を合わせません(ただ、意味もなく目が合うことはあるかもしれませんが)。

〇一人遊びを好む

〇言語の能力に遅れがある
=>自閉症の子供は言葉を話しても、発音が独特だったり、相手が話した言葉をそのまま反復して言ったりします。しかし、アスペルガー症候群の子供は言葉の遅れがありません。

〇表情や身振り、視線や声のトーンなどの非言語コミュニケーションが理解しづらい
=>人は言葉だけではなく、人の表情や行動を通して相手の感情を読み取ることが出来ますが、自閉症スペクトラムの子はこの非言語コミュニケーションの意味が理解できません。つまり、人の顔などを見て、その人の感情を理解したりすることが苦手です。

 以上ですがこれらの特徴の現れ方には個人差がありますので、自閉症スペクトラムの子が全てこのような性質を持つわけではありません。

2)こだわりが強い

 こだわりの強さも自閉症スペクトラムの大きな特徴です。「こだわり」とは、自分の興味や関心、ルールや手順、ペースなどを本能的に優先させることを言います。興味のあるものに対する集中力の強さやルールに対する意識など現れ方はそれぞれですが、いずれも極端さを帯びています。

〇特定の行動をくり返す
=>体を左右、上下に揺らしたりする行為を行なったりします。

〇同じ遊びを繰り返す。一方で未知の場所や遊びに対して強い抵抗を示す
=>長い時間、石などの物を一列に並べたり、同じ行動が好きです。

〇手順やルールをかたくなに守る
=>私の近所に自閉症スペクトラムのお子さんがいるのですが、帰り道は神社の中の特定の場所を通って家に帰ってきます。
一時期、その場所が工事をやっていて、通行止めになっていたのですが、工事関係者に事情を話して、その場所を通してもらったことがあったそうです。

〇こだわりが通らない時にパニックを起こすのも特徴です。
=>こだわりは思春期以降、徐々に落ち着くことや、良い意味でのこだわりに変わることもあります。いい方向に向けば、優秀な成績を残したり、将来の仕事に生かすことも可能です。

3)そのほかこんなことも(感覚機能の異常、想像力の欠如)

 対人関係の障害やこだわりの他にはこんな特徴を持つことがあります。
〇感覚機能の偏り
=>特定の音や匂いを嫌がったり、逆に意外な匂いや触角を好んだりします。いわゆる五感の感覚に偏りがあるのが特徴です。

〇動きがぎこちない
=>手先が不器用だったり、動くことが極端に苦手だったりします。

〇過去を覚えるのは得意ですが、少し先の未来を想像するのが苦手。

 以上、主にみられる特徴について挙げてみました。ですが、ほとんどの自閉症スペクトラムの子(または疑いの子)はすべてに当てはまるといったことがないかもしれません。なぜなら、特徴の現れ方には個人差や年齢、環境や育ち方によって違うからです。特に感覚機能については千差万別です。上記に挙げた特徴が気になる場合は、相談機関に相談後、専門医の診断を仰いでみてもいいと思います。

[参考記事]
「ADHD(注意欠陥・多動性障害)とLD(学習障害)の特徴について」

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