発達障害の特徴のひとつとして「得意不得意が極端」なことが挙げられます。通常こういった特徴を持つ場合、「極端に何かができない」ことに注目されがちでした。不得意なことを克服しましょうという傾向は我々が育ってきた教育のせいかもしれません。
ですが逆に「極端に得意なこと」もあるということに注目すると、実は発達障害児の中には隠れた天才がいるのかもしれない、ということも言えるのではないでしょうか。世界の偉人や現在活躍している有名人の中にも、発達障害がある人は少なからずおられます。
ここではそんな人たちが才能を開花できた理由について考えてみたいと思います。
発達障害をもつ有名な天才たち~周りのフォローが大事
「発達障害 有名人」で検索するとそうそうたる面々の名前が出てくるので驚きます。エジソンやアインシュタインも、発達障害だと言われています。エジソンは「粘土を2つ足したら1つになるのにどうして1+1は2なのか」と質問し、教師を困らせたり、そしてなんにでも疑問を持ち、危険を顧みず実験しようとして問題を起こしたり、小学校を3か月で退学になったというエピソードまであります。
このようなエピソードは「特定の物事に対する極端なこだわり」や「気になったらいてもたってもいられなくなる衝動性」などの発達障害の特質と共通しています。学校を退学になったエジソンはその後、お母さんが家庭教師をして勉強を教えたそうです。お母さんはエジソンが疑問に感じたことは懇切丁寧に答え、教えました。実験に関しても人命に関わることでなければ、興味の向くまま割と自由にさせていたといいます。エジソンが「世界のエジソン」と呼ばれるようになるまでには、お母さんのフォローがあったのも一つの理由かもしれません。
苦手を無理に伸ばさなくてもいい。得意を強みに
先ほどのエジソンの例でも同じことが言えそうなのですが、得意を強みにすることも大切です。ハリウッド俳優のトム・クルーズは読むことを苦手とするLD(学習障害)であることをカミングアウトしています(参考記事「ADHD(注意欠陥・多動性障害)とLD(学習障害)の特徴について」)。しかし、トムは耳で聞く情報はすんなり入るそうで、台本を誰かに読んでもらい録音し、それを聞いて覚えるのだそうです。このように、できないことがあれば、得意な部分でカバーすればいいのです。
次男(発達障害)が通っていたリハビリセンターの作業療法士さんにも「得意なことをどんどん伸ばしてあげてください」と言われました。健常発達の子どもたちは「苦手を克服しよう」と言われればできるかもしれませんが、発達障害の子に苦手を克服させようとしても辛くなりだけですし、困難です。ですので、得意を伸ばして苦手をカバーすることをもっと教えてもいいのかもしれません。
お子さんの得意を伸ばすのに無理はしないで
一方最近では、「発達障害をもつ子どもは、何かが極端に苦手な分、極端に得意なことがある」ということが言われすぎている傾向があるのも否定できません。「ギフテッド」という言葉があります。
ギフテッドとは、
「同世代の子供と比較して、並外れた成果を出せる程、突出した才能を持つ子供のことである」(Wikipedia「ギフテッド」より)
最近、発達障害をもつお子さんの親御さんの中で「この子はギフテッドかも?」と思う親御さんが増えています。なかには期待するあまり、お子さんに無理をさせるケースも少なくないようです。無理を重ねると才能の開発どころか、二次障害を引き起こす可能性もあるので「ひょっとして?」と期待しつつ見守っておきましょう。
発達障害をカミングアウトした有名人と言えば、モデルの栗原類さんがいます。ご存知の方も多いかと思いますが、栗原類さんは自身の発達障害について書かれた本「発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由 [ 栗原類 ]」を2016年10月6日に発売しました。この本を読めば、類さんのお母さんがどのように子育てされたのかヒントが分かります。私なりに感じたことを「栗原類が告白したADD(注意欠陥障害)ってどんな障害なのか」に書きましたので、ぜひ、参考にしてください。
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