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発達障害の私が失恋した原因とは

この記事は20代の男性に書いていただきました。

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私(20代男性)は3歳くらいの頃に「ADHDを併せ持つアスペルガー症候群」と診断され、大学4年の時に初めて家族から伝えられました。

私以外の家族全員が知っていて、大学を卒業するタイミングで伝えることにしたようです。幼い頃から現在まで、発達障害があることを前提に支えてもらっているので、私は恵まれているほうだと思います。

ここで紹介するのは、数年前の私の初恋・失恋の経験についてです。

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語学研修がきっかけで初恋を経験

大学4年の8月、私はオーストラリアのシドニーで3週間の語学研修をしました。大学での正式なプログラムに応募して参加したのです。研修に参加したのは全部で22人。男子学生はそのうち私を含めて2人だけでした。

語学研修のプログラムは適度に忙しくて充実したものでした。月曜日から金曜日の午前中は英語の授業を受け、午後はサーフィンをしたり観光地に出かけて美味しい料理を食べたりしました。この3週間の間に数えきれないほどの思い出があります。4年間の大学生活のほとんどが、シドニーでの3週間に凝縮されているといっても過言ではありません。この話は濃すぎるのですべてをここで語り尽くすことはできませんが。

私はその研修で2学年下の女の子と仲良くなりました。最初は恋愛感情を抱くことなど想像もしていませんでした。そもそも、小学校以来からその時まで、私は女の子とまともに会話したことさえありませんでしたから。

私が彼女と最初に話をしたのは、記憶がやや曖昧なのですが、ハーバーブリッジからタクシーで語学研修先の大学へ向かっている時だったと思います。彼女は外見も声も可愛らしく、初対面の相手にも気さくに話しかけるので、強く印象に残ったことを覚えています。

その後22人の参加者はいくつかのグループに分けられました。私はその女の子と同じグループになり、彼女と話をしたり遊んだりする機会も増えました。日常のことで助けられたこともよくあり、発達障害の特性もあって初めての環境に戸惑う私に違和感なく接してくれました。私は日に日に彼女に惹かれていきました。3週間後に日本に帰国する頃には、すっかり恋愛感情に変わっていました。

私が彼女に抱いた印象は「楽観的」「個性の強い人とも自然に話ができる」「気が利く」「自分の意見をはっきり言う」などです。余談ですが、私の同性の親友とも共通点が少なからずありました。

自己肯定感の低さと承認欲求

帰国後も2人きりではないですが、グループで月に1回くらい会ってカラオケや食事をして一緒に遊ぶ機会がありました。会うたびに彼女に対する気持ちが強くなっていきましたが、告白する勇気など持てませんでした。

私は4年生だったので卒業や就職を控えていましたが、就職活動はしていませんでした。恋愛とは少し外れた内容となってしまうのですが、「大学を出たら就職して当然」という日本的な価値観が、私は嫌で仕方がありませんでした。オーストラリアの学生は卒業後2年くらい世界一周旅行などをして進路を考える、と聞いていましたから。

卒業から数か月後、私は就職せずに職業訓練をしていて、スケジュールには余裕がありました。ただ卒業後は会える機会も不定期だったので、何かと理由をつけてLINEで長文のメッセージを繰り返し送るようになりました。彼女が前のボーイフレンドと別れたことも知っていたので、「自分にもチャンスがあるかも」と思い込んでしまったのは、今となっては若気の至りだったと言えます。

他の遊び仲間には短いメッセージしか送っていませんでしたが、彼女にだけ明らかに長文で気持ちのこもった、可愛い絵文字付きのコメントをたくさんしていました。例えば「○○さんと一緒に過ごしていると誰よりも楽しい。また遊びたい。」などです。しかしこれが原因で本人に気持ちがバレてしまいました。

その後に飲み会で再会する機会があったのですが、以前まで仲良くしてくれていた彼女がまったく口をきいてくれない、目も合わせてくれないという状況になってしまいました。「好きだとバレた」とその時初めて気づきました。

私は家に帰るなり大泣きしました。その時は世界が崩壊してしまったような気持ちになり、家族やお世話になっている知り合いなどに泣きながら電話しました。失恋なんてよくあることで、そこまで深刻になることはないのですが、当時の私には耐えられないほど辛かったです。でも遠慮なく泣いたり相談したりすることで気持ちが落ち着きました。

当時を振り返って

あの時の私が失恋した理由としては「自己肯定感が低く、承認欲求が強すぎたこと(障害を理由とするイジメが原因」と「面と向かって話をすることが苦手だったこと(コミュニケーションが苦手)」の2つが大きかったと思います。発達障害を告知されたばかりの時期でもあり、自分の特性を前向きに受け止めることができていませんでした。文章で伝えることは得意なのですが、個人的な気持ちが強すぎて相手に距離を置かれてしまったのでしょう。正直、直接会って告白して振られたほうがマシでした。

今となっては笑い話ですが、自己肯定感が回復した現在なら、よりよい友人関係・恋愛関係を築くことができるのではないかと思っています。

[参考記事]
「アスペルガー症候群の私の先輩は恋愛に失敗して鬱に」

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