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普通の人ができない、発達障害である私の特技

 

 皆さんはADHDという障害をご存知でしょうか?最近はメディアでこの障害が取り上げられたり学校や社会で少しずつ認知され始めました。

 私は20歳の頃にADHD(注意欠陥多動性障害)だと診断されました。この障害が以前より社会に認知され始めたとはいえ、現状は非常に生きていくのが苦しいと感じる方は少なくありません。

 今回はそんな障害を抱える私の苦難やそれを乗り越えたエピソード、そしてその個性が普通の人には真似できない特技や強みとなっているお話をします。

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■学生時代

 学生時代は運動神経が致命的に悪く、体育が大嫌いでした。また、とても不器用で、箸の持ち方、コンパスの使い方、裁縫、給食の配膳…どれも大変苦労しました。

 特に苦労したのは学校のルール。例えば、集合時間が守れない、順番を守れない、人の話が聞けない(指示が守れない)。どれも普通は何度か注意されれば修正できるのですが、無理でした。その性質がADHDの特性だと知ったのは成人してから。

■社会に出てから

 社会に出てからも苦難の連続でした。高卒で電気工事士として勤務した時の事です。何度同じ作業をやっても同じミスや仕事が覚えられず怒られ続けました。同期もいましたが、皆未経験なのに明らかに私だけ致命的に仕事の要領や完成度が悪いのだとそこで自負しました。

 その時は向いていないだけだと思い、転職しましたが、料理人、事務、レストラン配膳とどの仕事をやっても同じようなミスを繰り返すのです。例えばさっきまでやってた事を忘れる、オーダーの見落としが多すぎる、指示と違うことをする、不注意で何度も物を落とす…

 そんな時に偶然書籍でADHDの本を見つけて読んでみたら、自分に当てはまる項目ばかり。まるで私の事を書いているかのように感じたほどです。そして診断を受けるために病院で検査を行なったところ、ADHDということが分かりました。衝撃的ではありましたが、障害が原因だったことがわかり、安心した自分がいました。

 これまで転職を繰り返し、自分の存在意義を見出せずに本当に苦しかったですが、「誰でもできる仕事」ではなく、この特性を活かした「誰にも真似できない特技を利用した仕事」で活躍しようと考えました。ADHDは不器用ながらも非凡な才能が溢れた人が多く、社会で大きな業績を残す著名人が多いのも事実です。

■普通の人ができない「発達障害の私の特技」

〇発想や芸術の感性に長けている
 私は幼少から絵が好きで、よく周りからは「絵が上手!」「アイデアや発想が凄い!」とよく褒められました。美術のコンクールで毎回、賞を頂いていた程です。

 私自身アイデアやひらめきはポンポン出てきて周りが真似できないのが不思議なくらい得意でした。ペンを持つとどんどん手が動き周りは驚かれたものです。

〇人並外れた集中力と物事への執着
 私の幼少期はゲームボーイが流行りました。私は空いている時間はゲームしかしないほどのめり込んだのです。ご飯も一切食べず睡眠を一睡もしないほどの人並外れたハマり具合でした。

 小学校1年生でゲームデビューし、高校生までの約10年間ゲームに人生を捧げたといっても過言ではありません(笑)気づいたら誰も真似できない領域まで達してしまいました。600種類いるゲームキャラクターの名前や順番、特徴を全て覚えています。

〇行動力やバイタリティが人並以上
 ADHDは興味の対象の移り変わりが激しかったり、思いつきで衝動的に行動するという特性があります。これらが原因で飽きっぽく転職を繰り返したり、不注意で簡単なミスをしてしまうことがあります。

 しかしこれは長所でもあります。私の場合、マンネリに退屈を感じやすいのでリゾート派遣業を通じて全国各地を旅をしながら仕事をしている時期もありました。凄く性に合っていて中々他の人には真似できない経験をしています。

 さらにマンネリ化を防ぐために、ある程度こなせるようになったら新たな職種に常にチャレンジしていました。疲れ知らずで3件アルバイト掛け持ちもザラ。

 私の現職である俳優を中心とした芸能活動も、思い立ったらすぐ田舎を飛び出し上京しました。熱意と大胆な行動力が認められての今があります。常にワクワク新鮮な気持ちで毎日が刺激的です。

■まとめ

 ご覧のようにADHDは普通の事がこなせず苦労するのですが、個性を活かせる環境を見つけれて目標さえ決めれば飛躍的に人生が変わります。

 確かに社会のルールに適応するのには時間がかかるかもしれません。ただ、そのハンデ以上の素晴らしい個性を大いに活かして社会に貢献できればと願っております。

[参考記事]
「発達障害と天才は紙一重?トムクルーズやエジソンも発達障害」

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