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母子通園と単独通園の2つの療育教室に通うことが決定するまで

 

この記事は自閉症のお子さんを育てている30代の女性に書いていただきました。

この記事は「発達相談の時に言われた臨床心理士の酷い言葉に涙」の続きです。

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【療育を受けるまで、半年待ち!】

 発達相談の相談日から娘に療育を受けさせようと私自身が思えるまでに約1ヶ月かかりました。意を決して市の保健センターに電話をしましたが、「療育センターで受診日が決まったら連絡します、だいたい現在7ケ月待ちです」という返答でした。療育センターは同じように発達に悩みを抱えた親たちが殺到している状態だったのです。

 ここから1ヶ月待つことになりましたが、やっと封書が届き「決定しました」と書かれていた日付は約半年後。気が遠くなりました。

【療育先の見学をして回る日々】

 療育センターへの予約と並行して、療育教室への見学の申込をしました。

 心理士からは
「1人では無理ですね、お母さんと一緒に行く教室を勧めます」
と一つの教室を言われていたので、勧められたところへ行きました。

 住所を調べてたどり着いたところは、街中からはるか遠くの山にひっそりとある古い建物で、何だかこの子の行く末が暗い未来だと言われてるようで、心が詰まるような気持になったのを覚えています。単に街中にそんな施設は建てにくいだけだと思うのですが、その時はすべてに過敏になっていたのだと思います。

 見学して、実際の療育をやっているところに混ぜてもらったのですが、みんなで集まって歌を歌ったり本を読んだり、楽しそうではありますが、支援センターのイベント等と何が違うんだろう?と疑問に思えました(支援センターは未就学児が遊びにいく場所で、乳幼児向けに絵本の読み聞かせや、わらべ歌などといったイベントがあります)。対応の仕方もちょっと厳しすぎるような気がして、ぜひ通わせて下さいとは言いたくない気持ちでした。

 案内してくれた方が、他も見学されましたかと言われ、他にも市内には幾つか療育教室があることを教えてくれました。何で発達相談では1つしか教えてくれないんだろうと不親切に思いながら、とりあえず、他も見てから決めようと、あちこちに電話して見学をして回りました。娘の将来にも関わるかもしれない場所を探すのですから、必死でした。

【母子通園、そして単独通園】

 2つ目に見学したところ(A園)は私が求めていた場所だと確信した園です。A園は1対1で先生がついてくれて、母・子・先生の3人で取り組むシステムです。その子に合わせて言葉がけをしたり、感情を代弁したりということをやっていくのがモットーでした。

 母親が、先生の子供に対する接し方から直に学ぶこともでき、娘にどうやって接して良いか分からず悩んでいた私は、こういうことがしたかったんだ!と感動してすぐにでも通いたい!と伝えました。通い始めたのは、ちょうど3歳になったばかりでした。

 A園に通うことを決めた時点で、相談支援員がついてくれました。通園先に関わらず、娘の療育に関する全般の相談を受けます、と説明され、仕組みがわかっていない私は「?」でしたが、徐々に分かってきます。その母子通園を始めて1ヶ月も経たないうちに、「B学園の見学いかがですか?」と相談支援員から勧められました。B学園といえば、親と離れ1人でバスに乗って行く場所で、家の中ですら私への異常な執着心を見せる娘の様子からも、発達相談で「母子通園しか無理」と断言されたことからも、難しいだろうとしか思えませんでした。でも、将来的に行くこともあるだろうし、せっかく薦めてもらったのだから見るだけでも・・・と行くことに。

 そこも以前に見学したような施設と似ていて、人里離れた場所にひっそりと建つ古い建物で、入る前は「うーん・・・通わせることはないかも」と思いましたが、中に入って考えが変わりました。子供たちがとにかく生き生きしているのです。発達に遅れがあったり、知的や身体に障害があったり、様々な子がそこにいましたが、みんな楽しそうで、でもきっちり集まりのときはピシッ!とイスに座っていて、衝撃が走りました。集まりといえばひっくり返って大泣きして奇声を出して・・・の娘も、こんな日が来るのだろうか・・・?と思いながら。

 おむつだけで走り回っている子、不思議な動きを延々と続ける子、パッと見ごく普通の子にしか見えない子、色んな子がいましたが、どの子も笑顔を見せていました。施設の方に、娘の特徴や心配事を相談して、執着が酷いことも伝えましたが、何を聞いても「大丈夫です」「まかせてください」と笑顔でいう言葉には、無責任で適当な「大丈夫」とは違った自信と大らかさを感じて、とても救われるものがありました。帰る頃には完全に気が変わって、通わせることに決めました。

 母子通園週2回、単独通園が週2回と、それまでドライブとショッピングセンターぐらいしか行き場所がなかった娘が、居場所を与えられたことに、とても嬉しく思いました。

続きは「療育によって人間関係を学び人嫌いを克服。さらに言葉も上達」

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