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発達障害の息子は療育でスケジュールパズルとグループ運動を訓練

 

この記事は30代の女性に書いていただきました。

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 発達障害の1つであるアスペルガー症候群という診断を受けた息子は療育センターに通うことになりましたが、そこまで行くのには紆余曲折がありました。ここでの疑問点は、診断がついたからといって療育センターに通う義務もないので「順番待ち」が生じるということです。

 実は入園前の秋に申請していたにも関わらず初回の保健師との面談では「様子を見ましょう」と言われました。普通に考えても第一子の幼稚園生活前で不安なのに、さらに不安に陥りました。「どういう点に気を付けたらいいか」と幼稚園から聞かれているのに日々の家庭生活の注意点しか分からない、そもそも幼稚園生活がどのような形態で進んでいるのか分からないので私自身も見通しが立ちませんでした。

 幼稚園だけでなく、診断を受けた小児科や区役所の育児相談にも出向いて「やっていける自信がない」とか「幼稚園の入園を遅らせて保育にしようか」と宙ぶらりんになった気持ちをそのままぶつけました。そうすると「母親の精神的な不安定さが見られる」というレッテルを貼られ、結局ごり押しのように翌年の4月からの療育センターへの通園が決定しました。息子の場合は療育手帳も交付されました。この順番待ちは、ひどい状態の子どもがいれば割り込むようになっているので1年単位で遅れることも普通にあるそうです。

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療育が始まる

 そして療育センターに週1回通い、療育訓練や教育相談ができるようになりました。療育訓練では一人一人の状態に合わせて専門家が集団訓練・個別訓練を組み合わせて行います。息子の場合はわめいて意思表示をするのではなく、カードを使って自分がしたいことを訴える訓練をしたり、一日の行動のスケジュールパズル、グループ運動を主にしています。一日の行動のスケジュールパズルとグループ運動について詳しく説明します。

一日の行動のスケジュールパズルとは…
 息子に「出かけるよ」と言うだけではダメで、「どこに、どんな方法で、どんな目的で、誰と」という4点を伝えておかないと不安がって玄関で動けなくなったり、自分(息子)が思っていた行動と違うとパニックを起こすことがあります。ですので、例えば「電車に乗って街中に行き、ご飯を食べて服を見る」という行動をする場合には視覚で把握させるためにスケジュールパズルといった、カラーコピーしたものにマグネットを付けた道具を使います。

 これを冷蔵庫に「京阪電車、ご飯、服、ママと二人」と順番に貼り付けていくことで理解できるようになります。入園当初は幼稚園の一日の流れを把握させるためにスケジュールパズルで「登園→出席シール貼り→うがい・手洗い→室内外あそび」と家でも確認していました。息子は聴覚障害はありませんが、圧倒的に視覚からの情報が入りやすいので効果がありました。外出すれば何が起こるかは分かりません。しかし、「今からの自分の状況」を予め伝えておくことで頭の中で「何をするか」という骨組みができて、パニック(ぐずり)を起こすことは減りました。他にも、幼稚園の行事の園外保育(お芋掘りや動物園・水族館等の遠足)は可能な限り先回りして経験させています。これも視覚からの情報を得るためです。

 もう一つの「グループ運動」ですが、目的は幼稚園での集団行動について行くためです。発達障害の子供は一般的に対人関係を築きにくいと言われています。割り込む意図はなくても順番を守れなかったり、誰かに伝えたり、物を渡すということが苦手というようなことがあります。私たちが通っている療育センターには室内のアスレチックがあり、順番を守って運動をしたり、2チームに分かれて伝言ゲームを行い「伝達動作+運動+競争」をするといった基本的なルールを教わっています。

療育が始まって私も変わりました

 療育センターに通って良かったのは息子の状態が落ち着いたことに加え、私との意思の疎通ができるようになったことです。先ほど説明したスケジュールパズルを使って「今から何をするか」と事前に伝えるクセが私にもついて、本当に穏やかな生活を送れるようになりました。

 また、今までは「発達障害は治らない」と追い込まれていたのに、療育センターの教育相談によって「この子なりに成長していけば大丈夫。」と思えるようになりました。この心境の変化が息子に伝わり、それによって息子の状態が落ち着いたということもあると思います(もちろん療育のお陰もありますよ)。

実際の幼稚園の様子では

 療育で良くなっているとはいえ、実際の幼稚園ではまだまだ先は長いと感じさせる出来事は多いです。幼稚園では日々の出来事を書いてくれる連絡ノートがあるのですが、そこには
〇各月のお誕生日会では講堂でじっとしていられずに飛び出す。
〇雨の中のお砂場で遊んでいる。
〇運動会の予行演習で玉入れの準備のために転がっている玉を蹴る
〇教室の椅子を倒す
〇いつでもどこでも担任に抱き付く
〇疲れたら寝てしまう
等の文字がノートに踊ります。

 あまりにも問題が多いので、担任と補助についてくださってる加配の年配の先生にお礼も兼ねて謝りに行きました。「玉入れの玉を蹴ったらしくて」と言うと「お母さんもお疲れ様!そんなことは予測済みですよ、来年も頑張りましょう!」と言っていただいてすごく嬉しかったです。

 幼稚園は園の方針によってだいぶ違います。特に発達障害の子を排除する園もあります。息子が通っている幼稚園では発達障害に理解があり、先生、子ども、保護者が上手くやっているので十分園生活は送れています。本当に感謝です。

[参考記事]
「発達障害の療育ってどんなことをするの?娘の事例と手続き方法」

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