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兄から見た弟の自閉症の性質は4つある。過集中、記憶力がいいなど

この記事は20代の男性に書いていただきました。

……

 私には知的障害を伴った自閉症の20代の弟がいます。兄から見た弟の自閉症の性質を4つ紹介します。

・一つのことにハマるとやり続ける(過集中)

・記憶力がいい

・聴覚過敏があり、特定の音が嫌い

・決まった工程(ルール)を実行する

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性質①一つのことにハマるとやり続ける

 弟は一つの事にハマってしまうとそれをやり続けていました。例を挙げるとずーと紙を破き続けることや同じDVDを見続けているなど、飽きないで同じことをやり続ける性質を持っています。それを毎日、何時間も続けられる集中力はすごいと感じています。

 自閉症に限らず、発達障害を抱える人の中には「過集中」の性質を持つ方もいます。小さい子であれば漏らしていることに気づかずにずーっとゲームをやり続けたりします。大人になればその性質はプラスになる職種もあります。例えばプログラマーや研究職などコツコツやり続けることができる仕事です。

性質②記憶力がいい

 あと、私の家族は車で遠くへ出掛けることが多かったのですが、弟は一度通った道を記憶しているようでした。弟は言葉を発することはできないのですが、弟が車の外を指さし、家族の誰かが「どこどこに行くときに通った道だね」と答えると喜ぶのです。適当に答えても喜ばず、正しい正解の答えが出るまで弟は指を指し続けます。

 自閉症に限らず発達障害の人は視覚優位な性質を持っていることもあり、今までの記憶を写真(もしくは動画)のように頭の中に保存できる人もいます。ちなみに大人になった今でも子供頃通った道に差し掛かると指を指します。

性質③聴覚過敏

 聴覚過敏があると感じたのは弟が特定の場所が苦手だったからです。健常者の方でも苦手な場所はあると思いますが、弟の苦手な場所に対しての拒絶は凄まじいです。特にゲームセンターが苦手でした。大きなショッピングセンターに行った時にゲームセンターが見えるとその場で固まってしまいますし、全力でその場を離れようとします。

 あと某おもちゃ屋が苦手だったのですが、初めから苦手だったわけではなく、突然苦手になりました。いつものように私がゲームソフトを選んでいると母親と弟が外へ出ていました。あとで理由を聞いてみると突然、全身の血の気が引いてしまったとのことでした。弟は話せないため、何が原因かは分かりませんでしたが、恐らくは玩具が発する音がダメだったのではないかと思っています。弟は聴覚の感覚が健常者の人よりも過敏なのです。

性質④決まった工程を実行する

 決まった工程を実行したがると感じたのはテレビです。弟は曜日、時間によって見るテレビが決まっています。仮に私が違うチャンネルに変えていても急いで変えます。リモコンを私が隠していても探して変えます。

 また食事を摂る時間やお風呂に入る時間、寝る時間も決まっています。時間が遅れてしまってもかんしゃくを起こすわけではありませんが、そのことが実行されるまで立ちながら待ちます。自分の中に特定のルールがあり、それを守っているのだと思います。

 自閉症の人は規則やルールから外れることを嫌う傾向にあります。ですので、ルールから外れている人を見ると正直に「太っていますね」などと言ってしまうことがあります。

 弟の発達障害(自閉症)の性質は大人になっても大まかな性質は変わっていないと思いますが、上記の性質は子供の頃と比べて弱まっていると感じます。私はそのことを本人が成長しているからと判断しています。

自閉症を持つ弟の日常

 弟は現在、養護学校を卒業して、施設に通っています。施設では軽作業やレクリエーションなどをしています。軽作業での収入は数千円にしかなりませんが、障害年金をもらっているので、生活していけないわけでもありません。

 また、弟が施設から送迎の車で帰ってくると通常はすぐに夕ご飯を食べますが、先ほど書きましたように時間通りに行動する性質があるため、帰ってくる時間が遅かったり、夕ご飯の準備が遅くなってしまうと、ご飯を食べないでお風呂に入る時間を優先させます。

最後に

 この記事を読んでいる方の中には自閉症を含め発達障害を持つ子を育てている親御さんもいると思います。実際に弟を育ててきたのは私の父親と母親だったので、私からアドバイスができるはずもないのですが、どうか一人で悩まないでください。私の母親は弟の障害について養護施設の人や障害を持つ子を持つ親同士で情報を交換していました。

 そして、障害をもっているからといっても家の中で引きこもらないでください。私の家では週末になると遠くへ車で出かけ、また1年に数回、旅行へ出かけています。経済的にそこまで出来ない方もいると思いますが、地元の近場で十分です。家から出てみると普段とは違う環境の中で障害を持つ子に対して新しい発見があり、そこからまた新たな対応を見つけることができます。

 あと私のように、健常者と障害者の兄弟(or姉妹)がいる家庭では、それぞれの兄弟への接し方で悩んでいる親もいるかもしれませんが、私個人からするとそこまで心配する必要はないのではないかと思います。弟に付きっ切りで親がかまってくれないから寂しいという感情はなかったと思います。私が兄だったからというのもあるかもしれませんが、弟のことを理解しなきゃと子供ながらに思っていたような気がします。兄として私は子供の頃、障害のある弟のことを友達に説明するかどうか、隠しておこうかなど悩んだことはありましたが、仲がいい友達や家に遊びにくる友達には説明していました。

[参考記事]
「親子で自閉症スペクトラム。空気が読めない同士、喧嘩が多い」

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