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発達障害の私が社会復帰の為に準備していること

 

この記事は発達障害の20代の男性に書いていただきました。

……….

 私は発達障害であるアスペルガー症候群とADHD(不注意・衝動性)を合併して持っており、精神障害保健福祉手帳3級を取得しています。現在就労移行施設に毎日通い、障害を開示したうえで社会復帰できるよう、日々学習や訓練を行っています。

 先日、店舗の清掃や環境保全を請け負う企業から実習のお話をいただきました。訓練の成果を発揮して社会復帰したいと思っております。

 ここまでの過程は平坦ではありませんでした。2016年3月からIT企業2社で実習としてお世話になりましたが、どちらも長続きしませんでした。当時の私は、「発達障害者への理解が足りない会社のせいだ。」と八つ当たりしていました。

 しかし、様々な失敗の原因を堀下げるうちに「自分自身の発達障害の特性についてなにも分かっていなかった。」と気づきました。

 今回は発達障害を抱え、社会復帰を目指している方々に向けて、「自信をもって社会に出る為に準備すべきこと」を、私の体験や取り組みを交えてお話ししたいと思います。

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「自分は社会で通用する!」は大きな勘違い

 2016年3月に、Webデザインを出がけるIT企業に庶務担当として採用されました。最初の3か月は実習として適性を見定めて頂き、実習期間を経て正社員雇用となるお話でした。

「やっと社会復帰できた!今の自分で十分社会に通用する!」

 採用されたての私は、将来への希望と自信で満ちていました。1か月後、業務スピードの遅さとミスの頻出で適性なしと判断され、期間満了を待たず退社してしまいました。業務中は私の苦手分野である「同時複数作業」を常に行う環境にありました。パソコンセットアップ作業の待ち時間に、ハードディスクのフォーマット作業を進めたら、次に会社が手掛けたホームページの誤字脱字チェックを行っていたら、突然上司から外回りを命じられ…。

 あれもこれもと仕事が押し寄せ、最初に行った作業のことを忘れて時間をかけすぎてしまったり、余裕をなくして見落としミスを頻出してしまったりと、仕事中は自分の悪い特性ばかりが出てしまいました。ADHDの人は多分にマルチタスクが苦手だったり、注意力が足らなかったりしますが、私はその特性を甘く見ていました。

 退社後、私の頭の中は会社への不満で溢れかえりました。

「同時複数作業はご配慮ください、とお願いしたのに。配慮してくれないじゃないか。発達障害者への理解がまるでなかった。」

 退社した原因を会社に八つ当たりしていました。

 その後、2016年8月に障害者雇用に理解のあるIT企業へ実習を受けました。スマートフォンアプリの開発という魅力あるお仕事に飛びつき、「ITの知識に自信があります!」と面談で声高にアピールし、5日間の適性実習に入りました。

 結果は散々でした。外回りへの同行や専門知識が飛び交う環境に過緊張に陥り、寝不足から居眠りをしてしまい社長に叱責されたり、営業の電話で言葉が出てこずに先方を怒らせたりと失敗が続きました。

 特に悪かったのは消極的な態度でした。仕事の進め方や疑問点を聞くことが恥ずかしいと逃げて、指示内容のみの仕事をする姿勢を咎められました。当然、雇用には結びつきませんでした。

 この時、「今のまま発達障害の性質を修正しなければ、また同じ失敗を繰り返してしまう。気持ちを改めてから出直そう。」と思い立ち、社会復帰への準備として就労移行事業所のお世話になることを決めました。

やるべきことは、「自己理解」と「弱みを抑える訓練」

 就労移行施設で真っ先に取り組んだことは、「失敗の原因を探る」ことでした。最初の実習先では、複数の作業を同時に行い、確認ミスや作業のし忘れを頻発してしまいました。

 その時の自分の気持ちを思い出していくと、「自分を信頼して仕事を任せてくれた。自分がミスすることなんてない。」と自信過剰になり、潜在意識の中で業務を軽んじてしまったことに気づきました。こんな態度では、業務を遂行できるわけがありません。

 次の実習先では、過緊張に陥って様々な失敗を仕出かしました。しかし、本当にすべきは緊張感を過度に表すのではなく、未知のことや経験がないからこそ積極的に教えを乞う姿勢を示すことでした。

 私はインターネットや書籍などから情報収集し、自身の弱点を「発達障害特性」なのか、「性格」なのかを振るいにかけました。例えば、単純ミス自体はADHDの不注意型によくみられる特性ですが、自信過剰や思い込みは性格によるもの、などと分けたのです。

 それから発達障害特性による弱点は精神科の先生に相談し、性格による弱点は施設の支援スタッフと一緒に克服法を探しだし、日常で実践訓練するようにしました。

 単純ミス防止には、
「指示を受けたら、メモ取り・復唱・質問をし、内容を正しく理解する」
「提出物は、指さし確認や周りに配慮した声量で声出し確認をする」ようにし、消極的な態度を改めるためには、
「意見を求められたら、誰よりも先に挙手や返事をする」
「作業途中で迷ったら、適宜報告する」ように毎日訓練しています。

 この文章も、提出前に指で文をなぞりながら小声に出して誤字脱字をチェックしています。取り組みを続ける中で、書類作成では誤字脱字やチェックミスも悩むこともなく、施設での講義中に疑問点がでてきても怖気づかずに質問できる積極性が身についてきました。

 この文章に目を通していただきました発達障害の皆様におかれましても、自身を見つめなおして弱点を補い、堂々と社会復帰する日が来ることを願ってやみません。そのための準備の第一歩としてこの記事が参考になれば幸いです。

[参考記事]
「発達障害の性質により退職を迫られ、就労移行支援事業所へ」

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