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発達障害と間違いやすいゲルストマン症候群とは

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この記事は40代の女性に書いていただきました。

……….

うちの息子は、本当に手がかかる子供でした。
新生児の頃から寝つきが極度に悪く、まとまって寝るのは長くて1時間といったところ。
一日の睡眠時間はトータル7時間程度で、起きている間はひたすら泣いていました。
寝返りも歩きはじめも遅く、言葉もなかなか出ず、3歳を過ぎてからようやく単語を口にし始めたように記憶しています。
また、すぐに手を出すため、お友だちとも上手に遊べないなど対人関係でも難がありました。
それでも彼なりに成長はしていましたので、周りと比べることなく、長い目で見守るつもりでいました。
そんな息子が6歳になる直前のことです。
幼稚園の先生に発音の悪さを指摘され、「専門機関に診てもらい、早めに治した方がいい」とアドバイスを受けました。
そして言語聴覚士によるトレーニングを期待して受診した病院で、検査の末に思わぬ診断を受けます。

「息子さんは、ゲルストマン症候群だと思われます」
ショックを受ける以前に、耳慣れない言葉に思考が追いつかず、目が点になりました。

■ゲルストマン症候群とは

ゲルストマン症候群は脳の一部に病変があることにより、以下の4つの症状が現れます。

失書 : 自発的に字を書くことも書き取りもできない。
失算 : 暗算も筆算もできない。
手指失認 : 指定された指を示せない。
左右失認 : 左右がわからない。
これらすべての症状を満たさない場合も多くあります。
このうち幼少期に発症するものを発達性ゲルストマン症候群と呼びます。
【参照:wikipedia】

発達障害のLD(学習障害)も以下の症状が現れますのでゲルストマン症候群と似ています。

LD(学習障害)は「読む」「計算する」「書く」などの特定の能力が著しく苦手で、習得や向上が難しい状態を言います。
学習に関わる能力とは以下のものを言います。
具体的な例をあげてみます。
「聞く」:人の話を聞いて、それを理解することが苦手。
「話す」:整合性のある話ができない。内容を的確に伝えられない。
「読む」:音読がスムーズにできない(似た文字の区別がつかない。一行飛ばしたり、極端に読むスピードが遅いなど)。
「書く」:文章を横一列に正確に書けない。読むのが難しいような文章を書く。点の打ち方が変など。
「計算する」:基本的な計算ができないなど。
「推論する」:「〇〇は△△だから、これに違いない」という論理に沿って考えることが苦手。ですので計画が出来ません。

「お子さまの場合、失書が一番の問題です。将来的には、専用のパソコンなどを学校に持ち込んで学習する必要性が出てくるかもしれません」
医師にそう言われた途端、頭の中が真っ白になりました。
確かに息子は小学校入学まで1年足らずのところまできていましたが、文字を書くことはおろか、簡単なひらがなすら読めない状態だったのです。
幼い頃から毎日1時間以上の絵本の読み聞かせはしていましたし、通信教材も毎日かかさず行っていました。
ですが間違い探しや迷路などは得意なのですが、文字となると一向に覚えることが出来ないのです。
「これは『あ』よ。よく覚えてね。じゃあ、これは何?」と間髪入れずに『あ』の文字を指さしても、「えっと……『う』?」などと答えるあり様でした。
なぞり書きも出来ず、私が一緒に鉛筆を持って運筆を促しながら教材をこなしていました。
周りの子は早い子では年少から文字が書けていましたので焦りはしましたが、そのうち書けるようになると信じていました。
ですから『失書』と言われた途端に、今まで信じていたものがボロボロと崩れ去るような衝撃を受けました。
文字だけではありません。
息子は極端に運動が苦手で、鉄棒も縄跳びも出来ず、ピアノを習わせても指が動かない。
またタイミングをつかむことや空間把握が苦手で、エスカレーターに乗れなかったり、よく人にぶつかったりしていました。
これらも、発達性ゲルストマン症候群の症状だと言われました。

「この先、この子はどうなるんだろう?」
そんな不安に胸が押しつぶされ、泣きたくなるのを必死にこらえていたのを覚えています。

■小学校に入学してから

診断を受けてから療育がはじまりましたが、目まぐるしい成長を遂げることもなく、ひらがなもろくに読めない状態で息子は小学校に入学しました。
問題なのは学習面だけで、その頃には集団行動は問題なく出来るようになっていましたので、とりあえず普通級に進学させました。
入学しはじめの頃は、本当に大変でした。
まずは連絡ノートが書けないので、連絡がちんぷんかんぷん。
先生に連絡事項を問い合わせる日々が続きます。
音読も一文字読み上げるのに数秒がかかる状態で、宿題だけで日に2時間はかかっていました。
どうにか授業に遅れないようにと公文を習わせました。
公文の宿題もありますので、日に3・4時間は勉強していました。
それから週末には格闘技を習わせ、しっかりと運動もさせました。
付き添う私も大変でしたが、息子もよく頑張ったと思います。
人一倍不器用ではありますが、粘り強く真面目な性格のおかげで、1年生の終わりごろから息子はみるみる成長を遂げるようになりました。

まずは、「もしかしたら一生書けないかもしれない」と言われた文字が書けるようになりました。
お世辞にも綺麗とは言えず文章を書かせれば誤字だらけですが、それでも大きな進歩でした。
算数にいたっては同年代の子よりも得意なくらいで、『失算』の部分は問題ないと思われます。
それからいつの間にか、発音が上手に出来るようになっていました。
一時は「特別級も視野に入れた方がいい」と担任に支持されたのですが、どうにかやっていっている様子です。
それもこれも息子の頑張りのおかげだと思っています。

運動神経は人一倍鈍いですし、課題はまだまだあります。
成長もゆっくりですし、発達性ゲルストマン症候群と診断された息子にはこの先も試練が待ち受けているでしょう。
それでも努力をすれば報われるということを身をもって学び、診断を跳ね返す勢いで、日々飛躍して欲しいと思っています。

[参考記事]
「ADHD(注意欠陥・多動性障害)とLD(学習障害)の特徴について」

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