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自閉症の息子は絵カードを使った会話で成長が加速


この記事は自閉症の息子さんを持つ30代の女性に書いていただきました。

[参考記事]
「息子が自閉症だと分かった時にはショックで震えました(実例)」

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 発達障害の中でも特に自閉症スペクトラムの子供達は、聞いて覚えるよりも目で見る方が理解しやすい子がたくさんいます。目で見て理解できるようにすること、これを視覚支援と言います。専門の支援方法だと思われがちですが、公共の場もこの視覚支援を使ったものがたくさんあります。トイレや駐車場、非常口のマークや矢印など一目見て何か分かるようにしてあるもの、これも視覚支援の一つです。

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自閉症の子供に使う絵カードとは

 自閉症の子供達には絵カードと呼ばれるカードを使った支援方法を使うことが多いです。例えば、車に乗る前などに口頭で「車に乗るよ」と言っても理解しにくい場合でも、車の絵カードを見せることで車に乗る事をすぐに理解し、行動に移すことが出来ます。

 生活面でも取り入れやすく、起きてから学校に行くまでの手順を絵カードで示しておくと、周りからの声掛けがなくても一人で準備が出来るようになります。一人で準備が出来るようになることで、本人も自信がつき自立への一歩になります。我が家では、歯磨きする時の歯を磨く順番や、体を洗う順番を絵カードにして子供が見える場所に貼ってあります。そうすることでひとつひとつ支持を出さなくても絵カードを見ながら一人で出来ています。この方法は健常発達の子供にも分かりやすく、息子用に貼ってある絵カードを見ながら娘も出来るようになりました。

自閉症の息子に伝えたいことを伝える方法

 行動を注意したり説明する時も、口頭だけで説明するより、こちらの伝えたい部分のみを簡潔にまとめて書いて見せることでより理解しやすくなります。口頭で注意していると親も人間ですから、叱ってはいけないと分かっていても強い口調になってしまう事があります。それが積み重なっていくと、子供はいつも自分ばかり叱られると思うようになってしまいます。強い口調でダラダラと説明しても肝心な部分は伝わりにくく、子供は「怒られた」という事しか記憶してないこともよくあります。

 書いて視覚的に伝えるという事は子供の為であることはもちろんですが、書くという作業を間に入れることで、本当に伝えたいことを考えることが出来て、親も落ち着いて子供に接することが出来ます。分かりやすい伝え方をするだけで、親子共にストレスを減らして生活する事が出来るのです。

絵カードを使うことへの不安

 絵カードを生活に取り入れる時に当時の私は、こんな独特な方法に息子を慣らしてしまったら一生これがないと生活できなくなるのではないか。今普通のやり方で理解できていなくても、じきに出来るようになるだろうから周りの子供たちと同じようにしておけばいいかもしれない、と考えていました。

 でもその時の息子に必要な支援方法だと思い、視覚支援を生活に積極的に取り入れる事にしました。すると一つ一つの行動がスムーズに出来るようになり、生活も落ち着いてきました。絵カードという方法で始まった周りとのコミニュケーションも、段々と絵カードがなくても成立するようになっていました。

 家中に貼られていた絵カードや、外出の時に持ち歩いていたカードファイルも本人がもういらないと言い出し、絵カード以外での理解方法やコミニュケーション方法を獲得すれば自分から絵カード卒業していくんだなと安心しました。必要な事柄はまだ絵カードを使っていますし、書いて説明することも続けているので、視覚支援が息子の生活に必要なことは変わりありません。

[参考記事]
「自閉症の息子は児童デイサービス(作業療法とSST)を利用。費用は」

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