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息子の発達障害に気づいたきっかけは保育園の先生の言葉

この記事は40代の女性に書いていただきました。

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~やっと気づいた。今まで気づかなかった。~ 

 もう10数年前の話です。息子は4歳。「あ、そうか。うちの子発達障害があるんだ」とやっと気づきました。産まれてからその日までのあれこれがパーッとつながった気がしました。

 私は障害のあるお子さんに関わる仕事をずっとしています。言い方は悪いのですが素人ではないのです。たくさんのお子さんを見てきたはずなのに、自分の息子のことには何も気づいていませんでした。うちの子には関係ないといつの間にか決めていたのかもしれないし、考えようとしたこともありませんでした。

~保育園の先生を困らせていたんだ~ 

 保育園に行っていた息子。とても信頼できるベテランの先生が担任をしてくださっていました。息子を迎えに行くとその先生がすごく困った顔で(先生はそんなつもりなかったと思いますが)「どうしてもAちゃんが上着を着るのを嫌がって…」と言いにきました。

 先生がすごく困った顔をしているのを見た瞬間に、「あっ!」と感じました。それまでは息子が先生にご苦労をかけていることなど何も私には言いませんでしたので全く気づいていませんでした。うちの子が先生のことを困らせてるんだ、園でもこだわって嫌がって騒いでるんだ…そうか、そうなんだと。次の日、地域の教育相談の先生と面談したいとお伝えしました。

 息子には「こだわり」がたくさんありました。本人のやりたいタイミングに合わせないと着替えなどのやるべきことができない、気に入ったビデオを最後まできっちり見終わったタイミングでないと出かけることができない、ドアを閉めることへのこだわり、おもちゃ並べに固執しズレるとパニックになる、決まった道順へのこだわり、お気に入りの場所を見つけると毎日そこへ通いたがる…。

 思うようにいかないとパニックになり、やりたいことしかやらない息子。そんな息子に振り回され気をつかっている私。息子は確かに「育てにくい子」だったのです。

 初めての子育てで分からないことばかりだったので、子育てって本当に大変、でもこの時期の子どもはこんなものなのかと思っていました。困難さを感じているのは私だけではなく、先生にも大変な思いをさせていたことを知ってショックでした。先生の困り顔を見て、こんな状況でいるのはうちの息子だけなのだ、他の子とは違うのだと気づかされた気がしました。  

~知識は持っていたはずなのに~ 

 10数年前のことですので、今ほど「発達障害」という言葉は当たり前ではなかったのですが、仕事上知識はいろいろ持っていたと思います。でも私には分かりませんでした。日々子どもに必死で向き合い奮闘しているお母さん方が「うちの子どもは発達障害?」とはなかなか思わないのも無理ありません。

 よく言われることですが、やはり家ではある程度自分のペースで過ごすことができるので、親は大変さを感じていてもそれが「発達障害」によるものだとは気づかないことも多いのです。保育園や幼稚園など集団生活が始まったときに、家では気づかなかった社会の中での生きにくさが現れてくるのです。

~先生方からのアプローチを受け取める勇気~ 

 保育園や幼稚園、学校など集団生活の中での様子は、家庭で親が見ている様子とは全く違うことも多いです。参観日などで親が見に行った時の様子も、いつもとは違う環境ですし、やはり本当の普段の姿ではないかもしれません。ですので子どもの毎日の様子、普段の姿を見てくださっている先生方の目はやはり正しいと思います。

 保育園や学校の先生方から自分の子どもの困り感についてお話があっても「家ではそんな様子全くありません!」と最初は思うかもしれません。でも保育や教育のプロである先生方の言うことは事実です。先生方もとても気を使いながら、親に何とかうまく伝えようと慎重にお話してくれているはずです。それを受け止める勇気が最初の第一歩かもしれません。

[参考記事]
「息子の発達障害を疑った理由は3つ。児童発達支援型の幼稚園で療育」

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