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発達障害の人はうつ(鬱)になりやすいの?

 

 年々増え続ける「うつ(鬱)」。うつの患者さんの中でも、発達障害がベースにあるケースも少なくありません。それだけ発達障害の人はうつになりやすいと考えることもできますが、実際のところどうなのでしょうか。

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うつ病とは

 まずは「うつ」とはどのような状態を指すのかについて説明します。私たちが普段うつと呼んでいるような「憂鬱な気分である」「気分が落ち込む」「悲しくてみじめな気分」「何もやる気が起きない」といった状態を医学的には「抑うつ状態」と言います。このような状態が重くなり、2週間以上続くと「うつ病」と診断されます。

 うつになる原因はいろいろな要因がありますが、大人も子どもも基本は「心身のエネルギーの消耗」によることから起こります。上記のような症状があるならば精神科または心療内科で相談することはいいのですが、診断されると必ず薬が処方されます。うつの薬には副作用がありますので、よく考慮する必要があります。

 また、最近特に子どものうつが増えています。特に急に赤ちゃん返りをしたり、食欲がない、眠れない、イライラしている、学校に行きたがらないなどのサインがあれば、うつの可能性も考えながら様子を見守ってあげてください。

子どもはベースに発達障害を原因とするうつのケースが多い

 発達障害のお子さんが発達障害だと気づかれないまま、または気づかれていても適切にサポートすることができなかった場合、ちょっとした叱責を受けたり、周囲に馬鹿にされたり、「自分はほかの人とは何かが違う」といった感覚からストレスを溜めてしまい、「二次障害としてうつ症状」が現れることがあります(参考記事「発達障害の「二次障害」とは何か。放置すると大変なことに」)。

 また、発達障害を持つ子は些細なことで不安を抱えやすい、気持ちの切り替えがうまくできない、といった特性もあるため、発達障害ではない人に比べてストレスを溜めやすい傾向があります。

 そのため、例えば進学や進級などの世間一般的にはおめでたいと思われるようなことでも、急な環境の変化によってストレスを抱えてしまい、うつ状態になることも。

 特に自閉症スペクトラムのお子さんは急な環境の変化は苦手ですので、環境の変化を伴う出来事の前後は丁寧な関わりが必要になります。「二次障害を起こさないためには適切な関わりが必要」としきりに言われるのはこのようなことがあるからです。

 我が家にも急な環境の変化が苦手な自閉症スペクトラムの娘がいるので、小学校入学と同時に特別支援学級に入り、幼稚園から小学校での関わり方の変化に徐々に慣れていけるよう支援していただく予定です。

大人はストレスを改善するのがおすすめ

 大人も子どもと同様、発達障害の人はストレスを溜めやすい傾向にありますので、上手なストレスの解消法を見つけることが大切です。

 「発達障害の自分の育て方」の著者・岩本友規氏が自身のブログ「Hライフ・ラボ」で対症療法的なストレス解消法と受けるストレスそのものを改善する方法を紹介しています。対症療法的な方法(運動など)は人それぞれ様々な方法があると思いますが、ここでぜひ参考にしたいと思ったのは、ストレスそのものを改善する方法です。

右脳と左脳の使い方のバランスを改善することで、受けるストレス、疲労を改善する

「Hライフ・ラボ」より引用

 具体的には、もともと左脳(理論)が強い人は右脳的(イメージ)な考え方(相手の感情を想像するなど)を取り入れる、右脳が強い人は左脳的な考え方を取り入れる(自分に起こった感情を理論的に分析するなど)という方法がいいそうです。

 例えば左脳は計算などの理論を担当している部位ですので、「こうすればこうなる」という法則でものを考えます。こういう左脳の人は例えば相手が「この人は今何を感じているんだろう」と想像(怒っている姿を想像するなど)すると脳のバランスが整って、ストレスを原因とするうつの改善につながるということです(小説を読みながら主人公の感情を想像するのでもいいです)。

 発達障害でも、受けるストレスを対処するスキルが身につけば、うつなどの精神疾患に負けないようになれるのではないかと私は考えます。なるべく早めに自分の(またはお子さんの)特性を知り、ストレスに対処する方法を身につけることが大切です。

[参考記事]
「発達障害の二次障害に対するカウンセリングの効果」

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