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息子が受けた発達障害に対する自治体の支援

 

この記事は発達障害のお子さんを育てている男性に書いていただきました。

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 産まれた時には全く想像していませんでしたが、小学校3年生で医師から「広汎性発達障害」の診断を受ける事になります。赤ん坊の頃は割と活発に動き、よく笑う子でしたが、言葉の遅れがありました。3歳を迎える前にようやく話し始め、幼稚園入園前までには間に合ったとほっとしたのを覚えています。

 幼稚園入園後に段々と同級の園児との差が目立ち始めました。言葉の遅れ、他の園児より劣る作品(展示会)、運動能力・・・早生まれと言う事もあり多少の遅れは仕方ないと思いますが違和感を覚えました。決定的でありショックを受けたのは、サッカースクールでのサッカーの試合を見た時です。幼稚園児のサッカーでは、普通はだんごのようにボールに群がり、身体能力が高い子がボール持っています。うちの息子の場合は試合中にボールの無いところで走っていたり、試合中に草むしりしたり、ボールに触った時には自分側のゴールに向かって行きました。明らかに他の園児と行動が違うので幼稚園児時代から「他の子と違う」と感じていました。

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小学校に上がった息子

 幼稚園を卒園すると地元の公立の小学校に入学しました。住まいの自治体には成長の遅い子向けに特別支援学級があり、息子はその中の言語障害のクラスに属しています。小学校3年生の時には支援学級の先生の薦めもあり、医師の診断を仰ぐことになります。この一連の流れについては薦められたから行ってきた、という単純な図式ではなく、教師からの申請を元に教育委員会の判断で行いました。お陰様で検査費用等の負担もなく、然るべき専門家に診断をいただけ、自治体に感謝です。

 検査ではWISC-IIIとWISC-IVを受けています。少々意外だったのは全体のIQは101と高かったことです。診断を受けて良かったことは苦手のもの、得意なもののギャップが大きいなど分析をしてもらったことです。それを参考に得意なことを伸ばし、苦手なものを大目に見るという教育方針を我が家では決めました。医師からも「この子の個性だと思って付き合っていってください」と言われました。モヤモヤしていた時と比べると、方向性が見えただけでもとても救われる思いがしました。

国の研究に協力

 当方の住む自治体の中に国立の研究施設があります。精神、神経系や認知症などの研究の他に発達障害の研究もやっています(先の診断もこちらのドクターが行っています)。役所からの依頼で息子も研究に参加する事になりました。実験対象そのものでしたし、その認識でおりましたが、研究により何か良い影響が望めないだろうかとの期待もありました。

 具体的にどんな成果を目的に研究しているのかは専門家ではないので分かりませんが、反応を見るようなものが主で、薬品投与や何らかの手術とかそういうものはありません。何年かに渡って協力はしたものの、息子にとって良い影響が出たという実感はないため途中で辞退させて頂きました。息子の結果などが何らか活かされていき、将来救われる人が出れば価値があったと思えるようになるのかは分かりません。でも、国も研究をしている、と言うのは皆様にも励みになるのではないでしょうか。

発達障害をお持ちの子の親御様へ

 小学校から受けた自治体の支援は大変有りがたいものでした。発達障害を研究している国立の研究施設がありますので、そういう理由からも支援体制は充実しています。一方、地方等にお住まいの方に話を聞くと自治体の支援は自分のところより低いと感じることがしばしばあります。これは予算が取れるか、取れないかの違いですが、自治体の財政に関わることなので一般の人には分かりにくいです。

 なかなか生活基盤を移す、というのは大変な事ではありますが、お子さんの為に支援の充実した自治体へ転居するというのも一つの方法だと思います。支援体制などを比較して住居地を決めるというのも検討に加えてみては如何でしょうか。

[参考記事]
「発達障害とはどんな障害?昔はこんな子、普通にいたよね」

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