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会社へ発達障害であることのカミングアウトをして成功した事例

この記事は20代の女性に書いていただきました。

…………

 私は、昨年、アスペルガー症候群と注意欠陥多動性障害(ADHD)の両方の性質があると診断されました。

 幼少の頃から私は変わっている子でした。人とうまく合わせることができない、テストでケアレスミスが多い、言われたことをすぐに忘れてしまう、締切を守れない、人より音に対し過敏、匂いに対し過敏・・・。「誰にでもそんなことはある」と思われてしまいそうですが、度を越すほどでした。

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発達障害の診断

 国立大学を卒業し、社会人になってもその苦労は続いていました。入社してから数年間は、周囲は私に対し、「天然な人」「変わっている人」というイメージを抱いていました。

 ですが、度重なるミス、失言、人間関係が何故かうまくいかない、職場のパソコンのモニターがとても眩しく感じ(視覚過敏)、迅速に仕事できない、 周りの話し声が気になり落ち着かない、会議など大切な予定を忘れてしまう、 冗談をそのまま受け止めてしまう・・・そのような事が多々あり、挙げ句の果てに周囲に愛想をつかされ、どんどん孤立していきました。

 自分ではどうしようもできない。自分で考えた方法を試してみても、何も改善されない。そう思っていた頃、職場で障害者雇用の新人が入社して来ました。

 彼は発達障害を持っていました。彼が入社する前に発達障害者に関する講習会が開かれ、参加してみると、発達障害の症状など私も全くそっくり。

 「私が長年悩まされているのは発達障害なのかもしれない」と思い、すぐに発達障害専門の病院を受診。検査などを経て医師から、アスペルガー症候群と注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断されました。診断された時は、落ち込むどころか、 自分の苦しんで来た事が障害によるものだと分かり、とても嬉しかったです。

会社へのカミングアウトその反応はいかに?

 その後、病院で、発達障害についての知識、上手くいかない事への対策を教えて頂きました。何度か通院したある日。 医師から会社へカミングアウトすることを勧められ、会社の上司に話すことにしました。

カミングアウトすると、上司は、 「あなたにはあなたの良さがある。苦手なことに対しては出来る限り協力する。一緒に考えていこう。」と言ってくれました。その後、会社の会議で私の発達障害が他の職員にも公になりました。

 上司に話をする前に、 病院でどのように話すと良いのか?を一緒に考えてくれました。一人だけで考え、上司にカミングアウトしていればきっと上手くはいかなかったでしょう。病院の存在はとても心強かったです。

発達障害の特性への対策、その後

 カミングアウトをしたことで、周りが手伝ってくれるようになりました。苦手なこと、得意なこと、こうしてくれると助かるという事を周りの職員に具体的に伝えました。具体的に細かく伝えたので周りの理解もうまく得る事ができました。

 発達障害を持っており、職場にカミングアウトする方は具体的に苦手なことや、「こうしてもらえると助かる事」を細かに話した方が良いと思います。

 私自身も発達障害への特性に対する対策を立てるようになりました。例えば、何かの予定を言われた場合はすぐにリマインダーに入れておき、一週間前、前日、当日に知らせてくれるようにする。

 また、うるさい場所で落ち着かない時は上司に断って席を離れて、時々気分転換の時間を作る、何か説明する時は紙に書き、文章を組み立てる、眩しい場所が苦手なのでサングラスをする、二重チェックとして他の職員にもう一度確認してもらう・・・このように上司や同僚に相談したり、協力を仰いだりすることで、仕事もミスが減りました。

 そのお陰で私の得意分野のプログラミングに集中できるようになり、効率よく業務を遂行するプログラムを作ったり、パソコンで資料を迅速に作ったりと今では周りに頼られています。

 発達障害は治りません。ですが対策を立てることで上手く付き合うことは可能です。周りの人たちの手も借りながら、上手く発達障害と付き合うことができるようになれびとても楽しい日々を過ごすことができるでしょう。

[参考記事]
「発達障害の私は職場でいじめを受け、後に自殺を図りました」

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