「発達障害」の診断がついても仕事はできますか?
仕事ではミスばかりでストレスをためてしまい、病院を受診したら自分が「発達障害」だということが分かった・・・こんな場合、これからの仕事のことや、転職しても仕事を続けられるのか等、心配なことが少なくないです。
ストレスでいっぱいになったら、まず休養を
認知や感覚のゆがみにより、一般の人よりストレス負荷を強く感じてしまうのが発達障害の特徴です。ストレスでいっぱいいっぱいの時は、何をおいてもまず休養してください。ゆっくり休んで、今までの仕事の事やこれからのことを考える余裕ができたら、あなたの診断名や特性について思い当たることがあればじっくり勉強し、対処法があればそれについても学んでみましょう。
今までやってきた仕事はどんな仕事でしょうか。少し思い出しながら、あなたが今までやっていた仕事を作業ごとに細分化してみてください。細分化してみると特性上どうしても無理!と思うような作業が出てきます。そしてそれらは誰かに振ったりなどで、あなた自身がやらないで済む方法はないか考えてみるのも方法です。どうやりくりしても難しいようであれば転職を検討してもいいかもしれません。
ハローワークは仕事を探すだけではなく、頼りになる相談機関でもあります
転職を検討する場合、ハローワークでは発達障害を抱えている人も相談に乗ってもらえます。障害者相談窓口にて、仕事選びや希望条件について、または就業に必要な技能の取得、職業訓練などの相談ができます。
またハローワークでは近年、カウンセラーや臨床心理士、精神保健福祉士を配置し、就業だけではなくトータルサポートができる体制を作っています。就職に関連した悩みについてや、障害者制度を利用したほうがいいか等の相談も可能です(参考記事「発達障害になると障害者手帳(障害者認定)はもらえるの?」)。
結果、障害者手帳を取得した場合は、さまざまな形態の就労支援を受けられるようになるので、このような支援制度を利用しながら就業へのステップを模索するのも方法です。
クラウドソーシングも有りかもしれません
一般的に発達障害の人に向いている職業は研究者や職人等と言われています。でも実際、発達障害の当事者である岩本友規氏も著書「発達障害の自分の育て方 」で書かれていましたが、そんな職業にすぐにありつけるとは考えにくいですよね。
そのような場合にはどのように仕事を探したらいいのか。例えば自閉症スペクトラムの方は、人とのコミュニケーションは苦手だけど、コツコツ何かに取り組むことは得意という方は少なくありません。そんな方の選択肢の一つとして、クラウドソーシングで仕事をするという方法もあります。在宅ワークと言うとわかりやすいかもしれませんね。
特に、聞いた指示より読んだ指示のほうが頭に入りやすい人はチャットやメールで仕事内容を見て理解・確認ができるので、指示内容も忘れにくいですし、確認も取りやすくなります。収入としてはまだまだ不安定な面もありますが、選択肢の一つとして頭の片隅においておくのもいいのではないでしょうか。
まとめ
近年、仕事も働き方も多様化しています。この現象をメディアではネガティブな言い方をすることもありますが、ハンディキャップを抱える人にとっては、いろんな面から働き方を選択できるようになってきていると捉えることができます。また、得意不得意がはっきりしている発達障害の方は、マッチングが上手くいけば、当事者の方にとっても、雇い主にとっても社会にとってもプラスになる可能性を秘めています。
従来の価値観にとらわれず、自分にフィットする形での働き方を模索してみてください。そのためには使える制度をどんどん使いましょう。
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