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学習障害の息子は特別支援学級のサポートで成長が加速

 

この記事は30代の女性に書いていただきました。息子さんが学習障害ですが、特別支援学級のサポートで大きく成長しました。

……..

 息子はウィスク検査で学習障害(LD)があると診断され、半年に1回医療にかかっています。黒板の板書が難しい。枠に文字を書けない。読解力が乏しいという症状です。学習障害の中でも境界線型と言われました。境界線の難しいのは、文字通り境界線上にいるので苦しんでいることに気づきにくいことです。

 学習障害だと分かった経緯とその後の成長について書きたいと思います。

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宿題ができない

 小学校に入学し、息子も毎日楽しく登校していました。入学当初の宿題はそれほどありませんでしたが、4月半ばにもなると宿題を出されます。帰宅し、私が夕ごはんの支度の間に「宿題終わらせなさい、終わったら学校からの手紙出してね」と声かけをしました。夕ごはんの支度が終わり、息子の様子を見にいったら、何もせずにフリーズしていました。まだ勉強にも慣れず、お腹も空いただろうと先に夕ごはんを済ませ、一緒に宿題をすることにしました。宿題は例えば「多い方にマルをつける」と言うものでした。

 そんな日が続き、ゴールデンウィーク明けから足し算と「お・を」「は・わ」「へ・え」の宿題でした。学校から帰宅して宿題を開くものの一向に進みません。息子も辛くて泣く日も出てきました。泣くたびに担任に電話をして状況を説明すると「できなくていいですよ。間違っていてもいいですよ、息子さんやろうとしたんですね。がんばりました。」と言ってくれる先生でした。

 でも、さすがにこれが毎日続くと私も気持がつらくなり息子も私がイライラしているのを感じ取るかのように声も出さずに涙をポロポロと流しました。仕事が忙しい時は、思わずほとんど答えに近いことを言って空欄を埋めさせていました。この時にはまだ学習障害だと分かっていない時期ですので、本当に息子には申し訳ないことをしたと思っています。

特別支援学級へ行き、成長が加速

 1年生、初めての個人面談で担任にウィスク検査を受けてみないかと言われました。正直、頭が真っ白になりました。しかしどこか冷静に「やっぱりか」と心で思いました。そして冒頭に書いたように学習障害と診断を受けたわけです。

 息子の通う学校には特別支援学級があり、検査を受け、結果を担任と特別支援学級の担任と教頭も交え話し合い、苦手な科目は特別支援学級で2年生になるまでやってみようということになりました。ありがたいことに息子の通っている小学校は特別支援学級に力を入れており、教頭までもが真剣に悩みにぶつかってくれる学校でした。特別支援学級には学習障害などの発達障害を抱えている子も多くいます。息子はひとまず、国語を特別支援学級で学ぶことになりました。

 2年から算数も特別支援学級になり、2教科を特別支援学級、体育や生活は通常クラスで受けることになりました。3年になり理科・社会が始まりました。3年になる前に特別支援学級の担任と2年担任と3年の新担任と話し合いの場を設けて下さり、1年間は通常クラスで学び、本人が辛くなったら先生か親に申告し特別支援学級に行きましょうと体制を作って下さいました。3年の理科・社会は実験や町探検など課外授業も多く、「辛いから特別支援学級に行きたい」は1度もありませんでした。学習障害により勉強嫌いだった息子の成長を感じました。

 ただ、4年に進級する前に息子本人から「理科は実験が好きだから通常クラスでみんなと勉強したい。社会は特別支援学級に行きたい」と言ってきました。「なぜ、社会は特別支援学級がいいの?」とたずねたら、「特別支援学級の社会、とっても楽しいんだよ」と答えてくれました。前もって4年生の社会の特別支援学級の授業をトライアルしていたそうです。これは新学期まで先生の名前を保護者に言えなかったため、「秘密の授業」だったらしく、さらに息子の好奇心を沸かせて下さいました。そういうことで社会は特別支援学級で学ぶことになり、息子のペースに合わせた学習方法を取り入れて下さりました。

 今年10歳の4年生、帰宅すると宿題を終わらせることも多くなり、「おかえり」と笑顔で言ってくれます。どうしても分からない時は、私の帰宅を待ち、分かるところだけを先に終わらせます。きちんと「分からない」と言うようになりました。

 今、掛け算の宿題です。4×7は答えられるけれど、7×4はできない。「6の段は終わったよ、7の段の最後の方はわかなかった」と息子。「じゃあさ、4×7ならわかる?4の段できていたしね」と声をかけると「あ、そうか!」と答えを導けるようになりました。

 まだ、漢字は3年前期までのところの学習です。九九は7の段です。1年生の泣いていた頃からみれば大きな成長です。親身になってくださった先生、ウィスク検査を受けるように言ってくださった先生がいて、今の笑顔の息子がいます。学校のサポートによりここまで成長できたことに感謝以外の言葉が見つかりません。自治体により特別支援学級への力の入れ具合はかなり違うと聞きます。小学生時代は将来、成長できるかどうかの基礎を作るところです。学習障害の息子のような子であればなおさら特別支援学級の質は大事です。

 来年、高学年の5年生になった時の息子の選択が今では楽しみです。全て普通クラスでいいと言うかもしれません。そこは息子の意思を最大限に尊重して、先生方と決めたいと思います。

[参考記事]
「発達障害の子供が生きやすくなるか生きにくくなるかは親次第」

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