この記事は40代の女性に書いていただきました。
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娘が発達障害がどうかを確認するために受けてきた検査について書いていきます。
◆WISCⅢ(2012.8.14に実施)
言語性検査6種類(基本検査5種類+補助検査1種類)と動作性検査(基本検査5種類+補助検査2種類)で構成されています。全体的な発達に加え、こまかく得意・不得意を分析できます。
言語性IQとは、言語性能力や聴力つまり音声処理過程の能力を示すもので、動作性IQとは、動作性能力や視覚つまり運動処理過程の能力を示すものです。
当時小学1年生の娘の場合は、知的には平均域ですが、個人内差があるので、得意な部分を生かしながら苦手な部分は少し丁寧にかかわって、成長を確実なものにしていこうと言われました。
この検査の結果と診察と普段の様子の聞き取りから、「広汎性発達障害(PDD)の疑い」「学習障害リスク」という診断が出ました。
◆WISCⅣ(2013.6.27に実施)
WISCⅢの改訂版で、基本検査10種類と補助検査5種類で構成されており、全検査IQと、4つの指標得点(言語理解指標、知覚推理指標、ワーキングメモリー指標、処理速度指標)が算出されます。それらの合成得点から、子どもの知的発達の様相をより多面的に把握できます。
言語理解指標とは、言語的な情報や自分自身がもつ言語的な知識を状況にあわせて応用する能力を示すものです。
知覚推理指標とは、視覚的な情報を取り込み各部分を関連づけて全体としてまとめる能力を示すものです。
ワーキングメモリー指標とは、注意を持続させて聴覚的な情報を正確に取り込み記憶する能力を示すものです。
処理速度指標とは、視覚的な情報を事務的に数多く正確に処理していく能力を示すものです。
当時小学2年生の娘の場合は、全般的な知的発達水準は平均~平均の上域ですが、やはり個人内差があり、アンバランスな状態にあるので、苦手なことに対しては、実際の生活や場面と結び付けて実践させるなどが有効なのではないかと言われました。
この検査の結果と診察とふだんの様子の聞き取りから、「自閉症スペクトラム(ASD)の範囲内にあると言える」という診断が出ました。
◆WISCⅣ(2015.5.8に実施)
検査の内容はWISCⅣなので、上記と同じです。
当時小学4年生の娘の場合は、全般的な知的発達水準は平均の上~高い域ですが、値にばらつきが認められるため、全般的な知的発達水準だけではなく、認知発達のアンバランスさの方を重視して支援する必要があるのではないかと言われました。
◆紙芝居形式による「心の理論」高次テスト(2016.8.4に実施)
高機能自閉症(AFA)やアスペルガー症候群(AS)においては、相手の発話の意図を読むことに困難を示す行動がよく見られます。文字どおりでない会話表現のうち、嘘、罪のない嘘、比喩、ふり、冗談、皮肉の意図について、日本文化に適合させた「心の理論」高次テストを紙芝居形式によって作成したものです。
当時小学5年生の娘の場合は、嘘、罪のない嘘、比喩、ふり、冗談、皮肉の“意図”については自力で回答できたものの、「じゃあなぜそういうことを言ったのか」と質問されると回答に困っていました。
検査者がヒントを与えると回答でき、目で見た状況は自力で理解できるが、なぜそう言ったのかという相手の気持ちまでは自力で推察することが難しく、支援が必要なのではないかと言われました。
今のところは上記のような検査を受けてきています。検査を受け、診察を受けることで、今後の支援のヒントをもらっているように思います。診察自体は半年に一度受けており、そのときそのときの様子の聞き取りや課題について医師と話し合っています。今後もこのようにしていく予定です。
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