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発達障害(自閉症)による自傷行為をしている息子について

 

 発達障害児によく見られる常同行動やこだわり、くるくる回ったり寝転がって物を見たりと、奇妙ではあるけれど危険はないものも多くあります。ただ自傷行為といったように自分自身を傷つけてしまう行動が多くみられるのも事実です。自傷行為とは自分で自分を傷つけることで、頭を壁や床に打ち付けたり、髪の毛をむしる、腕を足を噛む、頭を叩くなどの行動を言います。

 コミニュケーションの方法を獲得していない時期に特に多くみられるもので、自分の気持ちや考えを周りに理解してもらえない事や物事が上手くいかないことがストレスになり自傷行動に走ってしまいます。感覚過敏がある場合には耐えられないような感覚に合ってしまったりと生活の様々なストレスから自傷してしまう事も少なくありません。私自身も、昔同じ部署で働いていた人に少し注意した時、突然自分で自分の頭を叩き出しビックリした経験があります。力いっぱい叩くのでみんなで慌てて止めましたが、今思うとあの時の同僚も発達障害で自傷行為を持っていたのだなと思います。

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私の息子も自傷行為をします

 私の息子(発達障害の中の自閉症と診断されています)は特別支援学校の3年生で、3歳ごろからずっと自傷行為に悩まされています。多動なタイプではなく、あまり動かずに過ごしていたのですが、ふと気がつけば今までご機嫌で遊んでいた場所で頭を打ち付けています。慌てて止めるのですが制止するとパニックになり、ますます激しくなっていきます。初めて見た時は恐ろしくて仕方ありませんでした。無表情で延々と頭を打ち付ける姿は、「息子はこれからどうなってしまうんだろう」と泣きながら抱きしめました。

 食事のメニューが気に入らなかったり、見たかったテレビ番組が見られないなどでも頭を打ち付けるようになり、療育の先生からの「自傷行為に走ってしまう原因をなくしてください」という指示のもと、息子が穏やかに過ごせるようにしていました。しかし、このままだととんでもなく我がままな子に育ってしまうのではないかという心配は常にありました。それでもその時は息子の命を守る事が最優先でした。

自傷行為への対応

 どうしても避けられない場合は頭の打ち付けを始めたら、クッションや布団を間に挟み、本人が自分で止めるまで放っておくことにしました。ケロッとした顔で戻ってくることもあれば、1時間近く繰り返し、泣き疲れてその場で寝てしまう事もありました。3年生になった今では言葉や絵カード、メモなどの使用によってある程度の意思の疎通が出来るので自傷の回数は減ってはきましたが、家に誰か遊びに来たり、自分のリズムが崩れることがあると壁に頭を打ち付けています。

 さすがにある程度の体格になってからの打ち付けによる振動はなかなかのもので、クッション材を張り付け布団を間に挟んでいても、アパートの上階、下階の方から苦情が来ます。その度にお詫びをしに行きます。引っ越しをしてきた時に発達障害の事や自傷行為について説明はしましたが、理解してもらうことは難しいです。

 自傷行為を減らしていくためには、自傷してしまう原因を突き止め、それを子供に触れさせないようにする事しかありません。嫌なものがあるなら取り除き、不安感からくるものならその不安感を取り除いてあげる。私が心配していた我がままになるとかいう問題は、精神や生活が落ち着いてから考えるべきもので、まずは息子が自傷行為を起こさず穏やかに過ごせること、それを第一に考えてあげるべきだと気づきました。

[参考記事]
「つま先歩きをしている自閉症の娘のために病院(整形外科)へ」

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