この記事は30代の女性に書いていていただきました。
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子どもが小さいうちは親が小さい子向けのイベントへ連れ出すことは多いですし、大きくなってくると幼稚園や保育園、就学後は学校でのイベントが多くなっていきます。
健常の子にとってはとても良い思い出となるものだと思いますが、発達障害の子はイベントが苦手なことが多いと思います。そんなことも知らずに私は、子どもが小さい頃「これが親の仕事」と思わんばかりに懸命にイベントに参加していました。
【イベントに行くと、泣いてばかりの息子】
子どもが赤ちゃんの頃から、2人きりで家にいるよりは刺激があった方が良いと思い、赤ちゃん連れ向けのイベントには良く参加していました。0歳児対象のベビーマッサージ講習会、児童館での誕生会イベント、街中でやる「働く車集合」や地域のお祭り…
赤ちゃんの頃はまだ良かったです。泣いても周りも一緒で、当たり前。周りもほとんどの人が微笑ましく見守ってくれたものです。でも、育っていくうちに、あれうちの子だけ泣いてるな、イベント行っても喜ぶどころか癇癪(かんしゃく)ばかりだな、ただただ自分が疲れるだけ、周りにペコペコ謝って退散することばかり、でも次は楽しめるかもしれないと性懲りもなく参加してただひたすらに疲れて帰ることが多くなりました。
幼稚園を考える時期になって、幼稚園のプレイベントに参加してもその調子なので、行きづらくなり欠席が多くなるし、入園も余り良い顔されてないのが伝わってきて、私自身もこのままでは幼稚園は難しいのかと思い悩むようになりました。
【入園してからも、イベントを嫌がる】
そんな不安を抱えながらも、温かく迎え入れてくれた幼稚園に入り、行き始めたらこっちが拍子抜けするほどに楽しんで通うようになりました。今考えれば、見通しのたたない事態が苦手だっただけで、毎日同じ時間にバスが来て、園で過ごして、ご飯を食べ、バスでまた帰るというルーティンに慣れれば、息子にとっては幼稚園生活は苦痛は余りなかったのだと思います。
でも、幼稚園でも当然行われるイベントは大の苦手。特に発表会や運動会など、自分が発表したり走ったりというのを強制されるのは嫌がり、その前の練習期間は「行きたくない」と登園をしぶることも多かったです。そしてそれは、年少より年中、年中より年長と歳が上がるごとにひどくなりました。
【イベントを楽しむのは無理なのか?】
イベントと一言でいっても様々ですが、息子にとっては運動会や発表会といった集団に合わせて何かしなければいけないものは、どうしても苦痛が伴うようです。もちろん発達障害の子全員がそういうわけではなく、運動が得意な子も注目を浴びるのが好きな子もいるのですが、息子はどちらも極度に苦手。
始まる前から落ち込んでる姿を見て休ませても良いのではないかと内心思いますが、「嫌なことは逃げて良いと思われても困る」という気持ちもあり、「参加できたらそれだけでハナマル!」とご褒美をいっぱい用意して参加させてきました。それが良いのかはわかりませんが・・
一方、「運動大好き」「でも順番待つのはできません」の現在幼稚園の妹(自閉症スペクトラムと知的障害)は、幼稚園の運動会は楽しく参加していました。それは、先生方が色々配慮してくださり、かけっこは1番で走るように調整してくれたり、応援する時間は「応援してる顔」の絵をイスに貼り付けてわかりやすくしてくれたり、娘に合わせてくれたからです。もし順番が待てなくて、抜かそうとしたところを制止したりしたら、大癇癪(かんしゃく)でパニックを起こしていたと思います。
【参加型のイベントは、特性を考えて計画が必要】
地域のお祭りや、施設や団体のイベントに参加するときも、事前にスケジュールを確認したり、下記の工夫をすることで楽しめることが多くなりました。
例えば、娘は乗馬が好きですが、イベントの中で乗馬ができるから連れていこう!と当日何も考えず連れて行ったら、早めに並んで整理券をもらってないと乗れないことがわかり、目の前でみんな乗ってるのに自分が乗れないことを理解できない娘は、激しい癇癪(かんしゃく)を起こして大変な事態になったことがありました。
ですが、次の年にはそれがわかっていたので、夫と協力して整理券を早く取りに行ったり、「1度だけしか乗れないよ」と伝えるために「馬は1回だけ乗る。降りたら、他のことをして遊ぶ」という絵カードを作りました。そのおかげで次の年は楽しく馬に乗って遊んで帰ってこれました。
とはいえ、イベントでは予想できないイレギュラーが起きることがあるので、「逃げやすいイベント」でないと娘は連れていけません。パニックを起こしたらすぐに帰れる、または離れた場所で落ち着けさせることができる状況は作っておかないと周りにも大きな迷惑をかけてしまうことになります。
お祭りでバルーンアートを作ってくれるというので並んだところ、予想以上の人数だったようで、途中で切られてしまい「次回は〇時にまた並んでください」と言われたときには真っ青になりました。案の定激しい癇癪(かんしゃく)を起こしたので、イベントは中止して帰るしかありませんでした。
息子の方は言葉が通じるので絵カードなどは必要ないのですが、極度の怖がりなのでイベントに行っても何もしないで「つまんなかった」と帰ってくるということがたくさんありました。
例えば科学実験を体験できるというイベントに行きたいというので連れて行くと、ザワザワしていたせいもあるのか「やっぱりやらない!もう帰る!」となりました。家に帰って「これは危険なものじゃなくて、手を入れるだけで良かったんだよ」とか「痛いことはないんだよ」と伝えたら「そうなの?!じゃあやってみたかった!」とか言われたこともありました。事前に親がやってみせるとか、雰囲気に慣れるまで眺めるだけにするとか、少し気を付けてやれば良かったんだと反省したものです。
【イベントを少しずつ楽しむために】
まずは、本人が本当に楽しめるイベントか見極めて参加することだと思います。うちの娘は電車が好きですが、近くの車両基地で楽しそうなイベントを毎日していますがまだ参加しいません。おそらく何でも触りたがったり、抽選で一部の人だけがボタンを押すことができたりなどのイベントは理解できず、癇癪(かんしゃく)を起こすのが目に見えているためです。本人の理解力が上がってから、連れて行こうと思っています。
あとは、どのぐらいの混雑なのか、目当てのものは必ず参加できるのか、食べ物などの調達はどうするか、並んだりちょっと機嫌が悪くなったときに対処するおもちゃや絵本の用意、もしイレギュラーでパニックを起こした場合はどう対処するか、絵カードやスケジュール表を作った方が良いか、などなど特性に合わせた工夫をしていけば、楽しいイベントになると思います。
発達障害の子は、イベントそのものが嫌いなのではなくて、イベント自体は楽しいものであっても、特性上楽しめない障壁があるだけだと思います。親や周囲がそれを取り除いてやれたら本人もきっと、本当は楽しいものなんだと思ってくれるんじゃないでしょうか。
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